先日来、読んでいる本の中に次の一節があった。これを見て唖然とした。この本は昭和57(1982)年に刊行されている。
著者の土居征夫は昭和16年生まれ、通産省の官僚であった。安倍晋太郎通産大臣の秘書も勤めた。父は土居明夫、陸軍中将で終戦を迎える。
40年たって、今の時代で書き換えると、「日本では、私企業の論理が、政党派閥の論理が、各省庁の論理が、地域の大声の論理が、特定業界のたかりが、まかり通り、・・・」となろう。
章末は「日本社会は陸軍参謀本部の失敗をくりかえしつつある」と結ばれているが、現代は参謀本部はないので、此処には「首相官邸」が入るのだろうか。そこで跋扈するのはかつての参謀幕僚ならぬ官邸官僚ということになろう。
自らの党派を維持する為に、官邸官僚を作り、維持したアベ・スガ・キシダは此の國の前途を果たして考えていたのだろうか。