約十年以上前のことだが、「権力はガンガン使うもの」と云った首相の出現に恐怖を感じたものだ。だが、存外に、その政権が長持ちした。
天皇の国事行為の解散権を総理の専権事項だと事ある毎に喧伝する法律音痴の長官のお蔭か、勝手に解散して、勝てる選挙をした。実に法も品も無い政権であった。
結局、長いだけで、空洞のやった振り政権だった。経済は先延ばし国債による膨張継続予算で誤魔化した。
集団的自衛権を閣議決定という名の首相決定したり、或る種の無法を公然と行ったが、不思議なことに憲法の一部改正すらできなかった。
多分「普通の近代憲法」を創る力が、彼にも、周りにも、無いことだけは知っていたのであろう。それだけは評価できよう。