玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

冤罪と面子

2023-03-26 17:16:45 | 政治

袴田事件の再審請求が東京高裁において特別抗告が無かったので、やっと再審査が決定した。まずは良かった。

袴田氏は87歳である。静岡地裁が9年前に抗告した。むごい仕打ちをしたものだ。

抗告を決定したのは誰か?そこには検察という組織はあるが、意思決定者を特定させない狡賢さが見える。被告側は恨みようがないので、残酷な決定ができるのだ。

検察は何故人権を侵す権力を振るうのか?

「検察の無謬性を守りたいがため」と識者は云うが、実態は「官僚の面子や組織の体面」であろう。

結果は、単に人権侵害でしかない。しかも被告側は誰を責めるかの特定もできない。ウシュマンさんを放置した名古屋出入管理局にも同質な人権侵害の体質を見る。

「むごい!」「ひどい!」ということが、アベスガ政権の自己責任論の風潮で是認されてきた、と感じる。

キシダ政権も質は同じだろうが、前面に出さないので、今回は検察の上層部も抗告に前向きにならなかったのではなかろうか。

あるいは、特別抗告をすればリベラル層が騒ぎ、統一地方選を前に自民党支持率が下がると忖度をしたのかもしれない。寂しい国になったものだ。

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久しぶりの外食

2023-03-25 17:32:02 | 日記

昨日、街への久々の外出で、古い友人と会った。久しぶりに山奥から出てきた老い狸二匹、なんか昼間の街に似合わない感じだ。

まだ、完全にコロナが沈静化したとは思っていない。この3年間に会ったのは精々2回かな。二人とも慎重居士である。

シミの増えた顔と更に単語が出てこない進化した惚けにお互い気付いただろう。次に会う時は、闇に紛れて、夜に会いたいものである。

久しぶりの外食だが、「こんな処にうまい刺身があった!」と思った。近頃はスーパーの魚は活きが悪くて買う気になれない。

今までは質素な生活だったが、これからは貧乏を感じなければなるまい。

今の政治は「悪夢の民主党」なんて言えない程、何もない「空虚な自民党」。あらゆる汚い手を使って奪還した政権だろうが、政治の責任を果たして欲しい。

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たまの外出

2023-03-24 18:35:56 | つぶやき

コロナが収まったように感じられる?いや、コロナ情報がよく分からないモノになった。何が本当なのか、なにが危険なのか、よく分からない。

ネットでは、「ブレイク・スルー」という言葉は実は「効き目がない」ということで、ワクチン4回以上打つと帯状疱疹の確率が高くなるとも聞いたような気がする。

どちらにせよ、今日の小田急線は爺さんより婆さんの客が多かった。みんな身体がどこか不自由そうだけど、とにかく頑張って行動している。それを見て、一部の若者は「集団自決」と云い放つのか。

我々老いの側は、なんとなくだが、疎外感、いや排外感を感じる今日この頃である。

湘南地方の桜はまだ満開ではない。まだ楽しみが残っているという感じだ。自然と道端の草花に目が行く。

スプリングスターフラワー

オオカラスノエンドウ

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歴史の史料

2023-03-23 14:24:01 | 

永田鉄山の章を読めば、必ずや「小畑敏四郎」の章も読まねばなるまい。

高宮太平の「順逆の昭和史」も旧題は『軍国太平記』だった。戦後は、ある時期には戦争を面白可笑しく書いた時期があったのだろうか。

今手許にある岡田益吉の『日本陸軍英傑伝』には、小畑はロシア通の幕僚とされている。他の本によれば、小畑は荒木貞夫、真崎甚三郎の佐賀閥系である。いわゆる皇道派の系統である。対して、永田は俗にいう統制派である。

筆者は小畑の陸軍の働きとして、昭和7年1月の上海事変の時、参謀本部作戦課長の職にあり、三個師団派遣による思い切った作戦を進言した結果、早急に事態を収拾させて満洲事変後の硬直した欧米関係に対する外交的な功績を評価した。小畑は「作戦の鬼」とも評された。

しかし時代は下って、昭和天皇が崩御された翌年に公表された『昭和天皇独白録』の中では、「…事件の拡大を防いだのは白川大将の功績である。…私が特に白川に事件の不拡大を命じておいたからである」と書かれていた。

小畑の三個師団派遣の作戦が事変の拡大を防いだのか、天皇の命令に従った白川大将が不拡大としたのか、現時点では自明であろう。

付け加えるならば、筆者の岡田益吉は昭和57年に没しているので、『昭和天皇独白録』を自身の手にすることはなかった。

歴史の史料というのは人の死によって、ときに堰を切ったように史料が溢れ出てくることがある。

戦後最長政権を築いた安倍氏の死により、今後どのような史料が出てくるのであろうか。

 

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歴史の「もし」

2023-03-22 17:18:15 | 

今日、WBCで日本はアメリカに勝ってしまった。アメリカに暮らす日本人は虐められるのではないかと気を廻してしまう。欧米はアジアに対してスポーツもフェアではない。とくにスキーや野球のルールについて感じる。

さて、終活で捨てようと思った本のうち、何冊かを読みだした。

『日本陸軍英傑伝』何ともお軽い題名だが、著者は毎日の陸軍省担当記者の岡田益吉だ。朝日の記者だった高宮太平の『順逆の昭和史』ほど軍閥を重視していない点が少し良い。彼は「満州事変は侵略主義、帝国主義ではなかった」と云っている。そこは戦後の平和観からの見方からすると、理解しにくい処である。

まずは「永田鉄山」の章を読んだ。もし永田が皇道派将校に暗殺されなければ、永田の手下である東條英機は首相になっていなかった。無論、直接の部下であった武藤章も廣田政権の閣僚人事まで口を入れることが無かったろう。

永田鉄山が生きていれば、日米戦争に成ったとしても終わり方が違っただろうと思う。

この國は何人の歴史の主役たちを、殆どが右翼系の、又は極端論者の手で葬ってきたのだろうか。

結果は、原敬、浜口雄幸、犬養毅らの暗殺により政治の進路を大きく変えて、二・二六事件となり、支那事変へ。そして、永井荷風が云うように、近衛政権なのに実体は「軍人政府」と。【『断腸亭日乗』昭和16年1月1日の条】

まるで定められた運命のように日米戦争となり、この國はいまも敗戦の儘の従属国であるような。だからWBC勝っていいものやら、だから勝つべきなのか。なんでも忖度するのが日本人の悪い癖だが、…。

 

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