昨日は初日でした。空席が目立っていたし、OGやら関係者やらが多くて。
構成・演出・・・荻田浩一
出演者・・・鳳蘭・峰さお理・剣幸・杜けあき・安寿ミラ・紫とも・湖月わたる
彩輝なお・星奈優里・朝海ひかる・彩乃かなみ・紫城るい・初風諄
未沙のえる・出雲綾
羽純るい・大真みらん・舞城のどか・美鳳あや・南海まり・彩海早矢
大凪真生・夢華あやり・彩星りおん・紗羽優那
ゲストピアニスト・・・麻路さき
スペシャルゲスト・・・水夏希・榛名由梨・汀夏子
率直な感想でいうと。
1幕 → つまんない
2幕 → す・・すごいっすごすぎる!
3幕 → 眼福
っていう所でしょうか。
1幕目
タイトルは「REVUE」で、鳳蘭以下全員で歌い継ぐだけのシーンが続くので
「これ、本当にオギーが作ったの?」と思ってかなりがっかり。
でも仕方ない部分がかなりありました。
なんせ、全てが学年順で、鳳・初風・峰は別格で見せ場を作らないといけない。
でも皆さん、もうそんなに動けないし歌えないし・・・下級生は目立つな?って感じ?
ゆったりまったり「ああ・・やっぱり歳かあ」と思わざるを得ない印象。
特にラスト、ツレちゃんのシナーマンはひどかったなあ これ、日替わりらしいのですが
どうしてもツレちゃん、歌わないといけなかったんだろうかと。
2幕目
突如、白いピアノを弾きながら麻路さき登場。オギーがよくショーでやる・・・
舞台上でうろうろ動くだけの人(「タランテラ」の壮君とか「ソロモンの指輪」の彩那音とか)
で、ヤンさんにダンス教わりながら伴奏もする・・・みたいな、明るくて楽しいシーン。
ここには鳳・初風・峰は出てこないので、そりゃあもうやりたい放題。
朝海ひかるのダンスに酔いしれ、彩乃かなみの歌にうっとり、安寿ミラのかっこよさやら
剣幸の安定感にひたすら呆然と見てるって感じ。
マリコさんの伴奏で水君が歌う・・・・いやーーすごい。
安寿ミラ・湖月わたる・朝海ひかるのダンスシーンは永久保存版です。
3幕目
和風で始まり、和物メドレーからゲストコーナーがあり、めでたい感じで終了。
今回のショー、一番の収穫は・・・・朝海ひかるですっ
私はコムファンじゃないし、現役時代、彼女を男役としてかっこいいと思った事は
なかったのです。でもあの並外れた身体能力っていうか、ウルトラCのダンスは
大好きで、最近は一人「タランテラ」を見て偲んでいたのですが。
まさか、目の前であのすさまじいダンスをもう一度見る事が出来るとは
裸足で踊る彼女の振りの一つ一つがトリプルアクセル級
一体、関節がどうなってるの?あの体のうねりはどうやってキープできるわけ?
朝海のダンスの為だけでもお金払った価値はありました。お願い、DVD出して。買うから。
ちょっとふっくらして、髪型がマシュマロカットで。これがまた美しい。
コスチュームの着こなしが誰よりも上手で似合っていて、可愛らしくもありかっこよくもあり。
昔のやせ細って骨ばってた頃よりずっといいわーー
もう踊らないのかと思っていたので、嬉しいサプライズでした。
また、安寿ミラ。現役時代を知らなかったのですが、今回初めて生でその
すごいダンスをみてしまいました
年齢?そんなもん、へでもないわというくらい踊る踊る。湖月と踊る、朝海と踊る
踊りまくるヤンさん そのキレッキレにただただ圧倒されておりました。
出演者について
鳳蘭・・・トップオブザトップ 存在感はすごい。でももう声が割れちゃって。
歌わない方がいいんじゃないかなあ。後進に道を・・・って後継者がいないか。
初風諄・・・あの年齢で本当によく頑張っていらっしゃる。そこに立って頂いているだけで
ありがたい。それはツレちゃんも同様。二人はスータンの道をまっしぐら。
とはいえ・・・無理しないで欲しいなあと。
峰さお理・・・日本舞踊はさすがと思いました。でもツレちゃんの後継者か?と言われると
ちょっと疑問が。あんなに上手だった歌も今は・・・・だしなあ。峰さんがもうちょっと
動いてくれるとお年寄りが一杯いても楽しかったのに。
剣幸・・・昔は歌えない踊れないトップというイメージがありましたけど、こんなに歌が上手
だったとはっ 何するわけでもないけど、そこに立っているだけで下級生が
まとまるという印象。
杜けあき・・・相変わらず歌が上手で。あまり踊らなかったけど、本人的にはまだまだ
やれるーーって感じ?若々しさがいいですね。でも衣装は似合わないなあ。
安寿ミラ・・・ヤンさんでいわゆる「震災前」として区切る事になるんでしょうか。
「エリザベート」以後、宝塚が大きく変わっていく過程で、ヤンさんまでが
「古き良き宝塚」を体現しているような気がします。
そのもっとも若手として、踊りまくる、下級生も真っ青の身体能力
歌えば響き、踊ればかっこいい。こんなに元気なら私も頑張ろうという気になりますね。
湖月わたる・・・まだトップなんじゃないの?というくらい男役が似合ってる。
震災後を引っ張るスターですよね。彩輝・湖月・麻路で踊るシーンは
懐かしの星組を見ているみたいで嬉しかったです。
「パッサージュ」で披露してたダルマ姿をまた見ちゃったし。
彩輝なお・・・湖月と朝海に挟まれてがんがん踊らないといけなかったのは気の毒。
でも、さえちゃんて不思議な存在で。あまり歌えないし踊れないのに
そこにいるだけで容認出来ちゃうんですよねーー
昔は小柄という印象でしたが、今回はやたら背が高く見えました。マリコさんが
縮んだのね・・・きっと。
朝海ひかる・・・本人的にはもう「女優」だしーー今さら男役って言われてもーー的な?
こんな場所に引っ張ってこられてもなーーって思ってるのかもしれないけど
やっぱり朝海のよさを一番引き出してくれるのがオギーだとすればしょうがない事。
並外れた身体能力と声量。小さな体にあれだけのスタミナを貯めてるってすごい。
踊りだすと神が降りてくる感じだものね。
星奈優里・・・今回、娘役としてど真ん中にいたのは彩乃かなみです。それはしょうがない
のかもしれないけど、星奈のダンスをもっともっと見たかったです。
あのふわふわと雲の上を歩くような軽くて美しくて優雅な踊り。マリコさんとも
もっと組んで欲しかったなあ。
彩乃かなみ・・・・宝塚時代、いかにこの人が損をしてたかわかります。何オクターブ
出るんだろう。しかもソプラノじゃなくてアルトがすごいの。
こんなに歌える彼女がトップ時代、ソプラノでほんの少ししか歌わせて
貰えなかった事。才能を生かさなかった事。宝塚って一体何?と思って
しまいますね。
今回、下級生も見せ場が与えられていて、大真と彩海のスピード感があるダンスは
見応えがあり、アンサンブルがきっちりまとまってレベルが高かったと思います。
コーラスでは南海まりの声が綺麗で、見た目も美しかった。
本当にもったいない娘役です。
ピアノを弾いていた麻路さき。メイクが中途半端な印象ですが、それでも楽しそうに
踊ったりピアノを弾いたりしている姿が素敵。ちょうと手首が見える位置だったので
そのピアニストぶりを堪能させて頂きました。
ゲストの水夏希は、相変わらずで・・・でも以前よりは歌える。朝海とのダンスシーンは
懐かしかったなあ。
榛名由梨は無理している印象だったし、汀夏子は声が出なくてがなってた。
でもまあ・・・ベルばらの人達が元気でいてくれる事。それがファンにとっては大事なのですから。
帰りに友人と話していたんですが、友人は「いくら学年順だからっていっても
もうツレちゃんの歌は聞きたくない。「セ・マニフィーク」も「セ・シャルマン」も
聞き飽きた」っていうのを聞いて、否定できなかったです。ファンなのに。
でも、こんな風にOGを引っ張って行き、定期的に公演出来るポスト鳳蘭が
いるのか?という話になった時・・ちょっと無言で。
紫苑ゆう?麻路さきはブラジルにいるから無理だし、って事は湖月わたるくらいまで
降りてくるのかな。
で、私が「湖月組と真琴組の二つでやればいいんじゃない?」って言ったら
同意してくれました。
トップスターの評価というのは、トップの時ではなく、OGになって何十年も経ってから
出てくるものなのかもしれないなあと思いました。
どんないきさつでトップになり、組や劇団に何をもたらしたかというのは後々わかると。
大地真央の跡を受けて、大変なプレッシャーの中で5年トップの座を守った剣幸。
「ミーマイ」のスタンディングオベイションは今も語り草だけど、知名度から
いうと天海や涼風より劣るわけで。だけど、こうやって舞台を見ると、なるほど彼女は
宝塚という世界で確固たる地位を築き上げ、それが下級生を育てたんだなと思います。
杜けあきの「今だって私が一番!」的な態度も、その当時どう思われてたかわからないけど
今は「うんうん」って見る事が出来るし、やっぱり踊らなくても歌わなくても麻路さきは
星組の伝統的なトップだった・・・みたいな事は言えるわけで。
そういう「ヅカスタイル」を持つ人こそが将来のOG公演を引っ張っていくんでしょうね。
大地真央がどんなに大御所になっても、天海祐希が相変わらずテレビドラマで主役を
張っても檀れいが綺麗だなんだともてはやされても、それはもう芸能人スタイルで
決して宝塚のそれじゃないって事ですものね。
勿論、上記の人達はそれを目指して来たんだからそれでいいと思うけど。
舞台とテレビで適度に宝塚色を出してくれるのが真琴つばさと湖月わたる。
「さっすが宝塚出身」と時折実力の程を見せてくれるのが紫吹淳と香寿たつきと
はいだしょうこなら、そういうすみわけもいいかもね。