墜落・転落(その3終わり)
その何年か前には工事技術係と言う職名で、色々な高所作業の監督もした。
橋梁のペイント塗り替えとか、橋側歩道と言う鉄橋の脇に人間が通る小さな橋の取り付けなども設計、
監督をしましたが、よくぞ落ちる事なく鉄道員人生を全うしたものだと感謝するのみ。
その後何年かして橋マクラギ交換中に川に転落し死亡するという、悲しい事故が発生した。
安全靴をはいていて水中に転落したら、たまったものではない。
それから以降、前にも増して墜落事故防止に力が注がれるようになったのは、喜ばしい事ではある。
しかし、墜落防止工の仮設等、まだまだ気の抜けない危険な作業を余儀なくされているのが実情である。
墜落しない、出来ない、本当に安心して働ける環境の実現に、
完全メンテナンスフリーな橋梁は無理にしても、保守作業を前提にした、構造の橋梁。
墜落防止工を取り付けるジグのような物を装備した橋梁の実現を待っているのは一人、私だけではあるまい。
いや、鉄道の仕事だけではない。この頃は冬になると屋根雪除雪に関係して転落死亡と言う、
悲しい事故も伝えられる。
高齢化社会の到来とともに屋根雪除雪に対する安全対策も急がなければならない事の一つでは無かろうか。
(終わり)