墜落・転落(その2)
したたかに打った左胸も、悪くて骨折、軽かったら強度の打撲と自分で判断し、
帰宅して自宅で寝こんでいた。
これって打った直後よりも後日に傷みが出ると言うのが、馬鹿な経験による結論。
何日かは起きあがるのにも難渋した。立ち上がるにも痛くて脂汗が出るような状態が続く。
布団から出るのに10分もかかるのですから大変。でも怪我と弁当は自分持ちと笑われた時代。
命あっての物種だ。
二、三日妻の受診を勧める声にも耳を貸さずに我慢して寝ていると、近所のおばあさんがやってきて言う。
「トーちゃん、なんだとお前さんはカーちゃんの言う事も聞かないで病院に行かないとー、
今日は行かないと俺が首に綱を付けて引っ張って行く」などとその豪傑おばあさんは、
腕まくりせんばかりに言う。
意地を張っていたが、お年寄りの言葉には弱い。
何とか一人で病院に行き受診すると幸いなことに、素人判断した通りの結果で、
骨折は無く強度の打撲との診断だった。
(続く)