アスパラガス(その2)
提案に同意した父は小出町の種屋さんに行き、アスパラガスの種を一合くださいと注文し、「何反歩作るのですか」と驚かれたと言った。アスパラガスの種は小さくて、面積当たりの数量は少なくて済む作物でも有るのです。
山の上の畑が三反歩あるとはいえ、すべての面積をアスパラガスに当てることも出来ない。その畑の一部、三畝か四畝ほどの面積をアスパラガスに充てることになった。種蒔き、植え付けの一年目は無理としても、二年後あたりからは十分に食べられるサイズになる。年ごとに立派なアスパラガスになり、「これなんて太過ぎてきっと規格外品だね」などと言いながら収穫したものだった。
もちろん出荷するすべなど持たなかったころで、大量のアスパラガスはご近所や私たち夫婦の勤務先の皆さまへ進呈しなければ処理しきれないほどだった。驚いたのはその成長スピードと新鮮なグリーンアスパラガスの味です。成長の速さは脇に枯れ枝を並べて刺し成長のスピードを確認するほどでした。
(続く)