畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載226「アスパラガス」(その3終わり)

2020-09-15 05:36:48 | 野菜

       アスパラガス(その3終わり)

 新鮮で甘いその美味しさも驚きです。若さの象徴で結構夜遊びや酒場通いもしたけれど、可愛いねえちゃんに盛んに勧められたサラダに入っていた缶詰のホワイトアスパラガスしか知らなかった舌には新鮮な驚きを与えてくれたのだった。

 しかし、栽培で困ったのは雑草の繁茂。何せ元肥としてたっぷりと堆肥を施した畑は雑草たちにも嬉しいベッドだった。次々と色々な雑草が生えたが、父はそれを手作業ですべて取っていた。アスパラガス専用の除草薬さえ存在を知ったけれども、元より我が家は無農薬主義。真夏でも裸でアスパラガス畑に草取りに入る父だった。

 妻も収穫ばかりではなくて、草取りも手伝ったけれど、妻には大敵でもある成長したアスパラガスで、接触皮膚炎と言うのかチクチクとした葉先に触れると肌が虫刺されか、火傷かのように小さい水泡が出来てしまうのだ。

 そんなことも理由で手入れ不足になり、やがてアスパラガスは雑草に埋もれるようになってしまう。植え付けてから20年近く経ち、我が家のアスパラガスは畑から消えることになってしまった。

        (終わり)

 盛期には毎食のテーブルに上がり、みそ汁の具にさえなりました。

贅沢にいろいろな食べ方をしたものでしたが、今は思い出となってしまった。

コメント (2)
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