先日NHK の番組「スタジオパーク」だったかに 松方弘樹さんがゲストで出ておられた 東映時代劇黄金期の話やお父様の近衛十四郎さんのことも話される
役者は八段階くらいに分かれていたとか 当時の中村錦之助(後に萬屋)さんの話なども
大先輩達に奢っていただいたことなど
楽しいお話の中で 時代劇については憂えておられた 使われていない施設でおじいちゃんやおばあちゃんに映画を届けたい そう思って制作した映画の話
またこのたび出演された「太秦ライムライト」のこととか
この「太秦ライムライト」撮影での舞台裏が少し前にBS プレミアムでー太秦に異国の風吹くーそんなふうな題で放送された
そして昨夜「太秦ライムライト」(2013年 イレブンアーツ・ジャパンほか)が やはりBS プレミアムで放送された
ハリウッドで映画を学んだ日本人の監督が撮る映画 日本の時代劇の撮影方法とは色々異なる 監督も試行錯誤しながらの撮影
殺陣師も俳優も戸惑っている
撮りながら互いに歩み寄るようなー
チャップリンの「ライムライト」を意識してー
この太秦を舞台にした駅の主役は斬られ役として名を馳せて「ラストサムライ」にも出演した福本清三さん カミさんと呼ばれる香美山役だ
カミさんは斬られ役でずっと来た俳優 駆け出しの頃 その頃の大物俳優(小林稔侍)に斬られ方を褒められ その俳優の名前入り木刀を与えられた またその時の映画に出ていた人気女優がーいい役者になりーと髪にさしていた簪で鬘が乱れたのを直してくれる
憧れの人気女優は現在は銀幕を引退し小料理屋の女将(萬田久子)になっている
そのカミさんに若い女優のさつき(山本千尋)が弟子入りを志願してきた さつきは代役から人気が出て 東京へ
かつてカミさんに木刀をくれた大物俳優の息子(松方弘樹)が主役はるシリーズは終了となり 制作される時代劇が無い為に カミさんら斬られ役は死体の役しか仕事がないが それも監督に言いがかりをつけられ 仕事が無くなる 諦めずに映画村で観光客へチャンバラを見せていたが
腕に違和感が チャンバラショウの最中に刀を飛ばしてしまった
病院で検査
カミさんは役者を辞める決心をする
小料理屋の女将はカミさんに言う「いい役者になりはったなぁ」 カミさんが一途に時代劇を愛して大切に思うことを知っているから
何よりの餞の言葉 小料理屋を手伝う女将の娘は カミさんの最後の日のチャンバラを見に行き花束を渡した そしてカミさんは太秦を去って行く
スターとなったさつきだが 夢を忘れてはいなかった 時代劇でカミさんと斬り合いたい
田舎で農業をしているカミさんをさつきは訪ねる
カミさんに出てほしい 腕のこともあり出演は断るカミさん
さつきは立ち合いを 一手教えてほしいと食い下がる
カミさんが教えたことをさつきは忘れていなかった
相手の喉元
仕事が無くて太秦を離れた斬られ役達も戻ってきた
打ち切りとなった時代劇がまた撮影される
とやかく言われていた撮影所の人間も実は 時代劇を愛していることがわかる台詞がある
カミさんは斬り合い場面で刀を落としてしまい監督はその場目をカットしようとするが 時代劇嫌いと思われていた男が監督に頼みこむ
カミさん最後の殺陣が始まる 主役(松方弘樹)に斬られてたおれ またゆらりと起き上がり さつき演じる女剣士に斬られる
一世一代の魂込めた死に方 黒い着物に花びら降りかかる
本当に死んでしまったような倒れたカミさん
そこで「太秦ライムライト」は終わる
斬られ役一筋に
映画のように時代劇がまた活気づけばいい
実はという文化が廃れることがありませんように
娯楽映画としての時代劇が もっともっとつくられますように
再放送でも楽しみに観る姑は言います 「なんで時代劇つくらへんのやろ 」
福本清三さんの木刀のさばき 刀の振り方一つ一つ 素晴らしいです
頑張れ時代劇 そして俳優さん達
斬られ役という仕事も 殺陣師も消えてなくなりませんように