存在の主張♪

留守にしていて帰宅したら　引き戸の向こうで２本足で立ったり　引き戸のさんを登ったりして　奥の部屋から「開けて開けて」アピールをする猫の瑠奈さん　

坂木司著「切れない糸」創元推理文庫

就職先を捜す新井クリーニング店の長男の和也　大学卒業も近い頃に父親が死んだ　


夫を喪い何か切れてしまい店も開けられない母親と　しゃんとできない和也にアイロン掛けの職人のシゲさんははっぱをかけた　

シゲさんは和也の父親が拾ってきた男で　以来ずっと店で働いてくれている　


そして和也は店の手伝いを始めた　 ローテーションに従いお客さんの家を回る　


和也が謎に思う「ひっかかること」を　和也の友人の沢田が解く　 商店街にある喫茶店「ロッキー」のマスターは旅行中で不在　 その店を任されている沢田　


少しずつ商店街に溶け込み　居場所を作っていく和也　

沢田の抱える「傍観者」としての孤独　


幼い頃から生き物を拾ってきた和也　

シゲさんを拾ってきた和也の父親　



人間まで拾ってくる似た者父子




そんな和也の性質は　シゲさんには嬉しいものだった


和也の周囲の人々は皆温かい　　 和也の性質が人々に幸せな影響を与えるのだろうか

新井クリーニング店では人の悩みまで解決してしまう　

新井和也　困った生き物を放ってはおけない男　 生き物には　人間も含まれます　



作中に出てくるクリーニングの豆知識は現実生活にもお役立ち　


読了後　良いモノを読んだーと小さな笑みが口許などに浮かぶ一冊です

上がったの

鉄棒をする体操選手のようにカーテンレールに前肢かけて　よじ登った瑠奈さん　

何か文句あるーって目で　こちらを見下ろすのでした　

時々　高い所に登りたくなるようです