Killers(下) (講談社文庫) | |
堂場 瞬一 | |
講談社 |
1985年 生沢宗太郎は事件についての匿名の情報提供者と会う
山本と名乗る人物はひどく怯えていた
彼が殺されてから 山本と名乗った人物が長野保の兄の弁護士であったことがわかる
長野明憲ーその死体の横には別な男の死体も転がっていた
翻訳家志望の青年・宇田川和樹
宇田川が明憲を刺殺し 第三者 おそらく長野保によって宇田川は殺されたのではないかーと
宇田川和樹は昔 ある殺人事件の犯人でやはり第三者によって殺された滝井康雄の息子であったことがわかる
長野保は父も息子も殺人者の道へと導き・・・・自分の後継者としては失格と判断し殺したのだ
長野の行方を追っていた生沢宗太郎は 長野保の逆襲を受け殺される
昭和の時代に東京五輪を目前にした時代に始まった事件は・・・平成の東京五輪・・・(この平成という年号は他の年号に変わるだろうが)
再び東京でオリンピックが開催されるという時代になり やっと終焉を迎える
長野保として その死体として発見されたのは別の男だった
ずっと利用してきた医者の本多
自分の腕を切った男を長野保は利用して 世に隠れて生きてきた
過去の自分の事件に興味を抱く青年・中井を後継者にしようとするも 長野は彼にも足りないものを感じていた
異父弟の忘れ形見が記者になっていることを知る
ここに来て「血」を思う年老いた長野
警察に追い詰められて長野が異母弟の息子の河東へ電話で残した言葉は
「君には私と同じ血が流れている。後のことは君に任せた」
そんなごく普通に生きていこうとする人間へは 呪いのような言葉
中井を殺して逃亡した長野保は 見つかっていない
中井からの反撃を受けて負傷した長野は恐らくはは海に流され死んだのだろうが
世間を綺麗にする為に不要なモノを殺す
自分はおおいなる使命を果たすのみ
殺人が犯せないように右手を切られても 残った左腕を鍛え なおも殺人を代行する後継者を育てようとし
人を殺すことへの情熱
驕り高ぶり狂った思考
その異常さには気付けていない人間
事件は 本当に終わったのだろうか