夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

薬丸岳著「刑事の怒り」 (講談社文庫)

2020-04-10 22:53:24 | 本と雑誌


刑事・夏目信人シリーズ

「黄昏」
母親の遺体と暮らしていた娘
葬式を出す金も十分にあるのに
どうして遺体との同居を続けていたのかー

ひとりになりたくなかった
そんな自分のわがままが母をついには死なせてしまった



「生贄」
レイプされた女性
このレイプという犯罪が絶えることはない
レイプ物のAVを好んで観る男も
男とは皆そういう生き物なのだ

身を守るためにはーそういう生き物は殺すしかない
かつてレイプ被害にあった女性は
目的持ち男を殺した



「異邦人」
日本で暮らすベトナム人のクエット
真面目に生きているのに しんどい思いばかりしている
警察からの依頼で通訳の仕事を

そこで若いベトナム人女性への取調べの通訳を

その仕事をしたことで 別の仕事の時間がとれず
体よくクビにされる

それでも事件のことが気になり動いたクエットは やはり事件を納得していない夏目と共に行動する
そして夏目が気付いた事件の真相はー


物語が終わっても この誠実な青年クエットの新しい仕事が見つかっていれば良いのにーと気になります



「「刑事の怒り」
寝た切りの人間が不幸な事故で急死したように見える

そして見つかった犯人は 彼等は死にたがっていたーと

根気よく捜査を続けた夏目は 犯人と被害者の本当の関係に気付く

生きたいーそう思っていた人間を殺した男
その身勝手な動機

残る哀しみなど考えもせず



文芸ジャーナリストの内藤麻里子さんの解説も良いです