夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「眠りたくない・・・」

2024-01-30 09:38:08 | 自作の小説

久しぶりに会った友人が・・・とても恐ろしく見えた

彼はこんな話を始めたよ

ー覚えているか 去年一緒にドライブに行ったろ

お前は体調崩して先に帰ったが

久しぶりに会った連中もいて俺たちはあの後も予定通りに旅を続けた

そこでな 女の子を拾ったんだ

山ん中で足を挫いて動けなくなっていたんだよ

麓まで送ってやろうって話になったんだが・・・

俺たちはみんな酔ってた

酔った男5人の中に女がひとり

・・・トイレ休憩しようかと車を停めた

この時には酔いをさまそうーなんて気持ちも 特に運転しているMにはあったんだな

一番酔ってたKが女の子の近くに座っていて・・・・・

まあ言い訳はよそう 俺たちは結局 そのコをやっちまった

ああ・・・そうケダモノってやつだ

男たちの中の誰がそのコの首を絞めたのかもわからない

みんな興奮していた

俺たちはそのコを素っ裸にして重石をつけて海に沈めた

ひどい話だ

みんなそれを忘れることにしたんだよ

 

男ばかりの車の中に乗ってきた女が悪い

そう思い込むことにしたのさ

今も女の名前も知らない

一年もして・・・夢を見たんだ

死んだ女が首をもたげる

貌は見えない どういう表情をしているのかも

だけど それがやたらと恐ろしい

自分たちのやったことがやったことだから 誰にも相談できないー

 

「じゃあ 何故今頃 俺に話す?」

 

ーあのなこの一年の間に他の4人は死んだんだ

薄気味悪いだろ

で 昨日・・・女の声が聞こえた

「やっと見つけた 次はあなた」

 

俺たちが何をしたか

知っていてほしかったー

 

そうして5人目の彼も死んだ

もしも殺された女の復讐であったなら ここで終わりだと思うだろ

ところがね

俺も何故か夢を見るようになった

俺が下りたあとの車の中

酒を飲み続ける男たち

動けなくなっている女を見つけ

無理やり車の中に引きずり込み・・・あとはケダモノたちがしたい放題

そこから夢の場面は こう変わる

暗い部屋 友人が項垂れている

ゆっくり首を擡げてくる 

「あの旅行に誘ったのは もともとはお前じゃないか 連帯責任ってことでいいだろ

幹事のお前が途中で抜けるから こうなったんだ」

 

夢の中 俺はそんなバカな話はあるかって思うんだ

しかし しかし

俺はいつか この夢から抜け出せなくなる気がする

人は眠らずにはいられない

俺は眠ってしまうのが 夢を見るのが恐ろしい

夢など 見たくないんだ

 

 

 

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