夢見るババアの雑談室

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萩原浩著「金魚姫」 (角川書店)

2016-07-25 12:18:07 | 本と雑誌
金魚姫
荻原 浩
KADOKAWA/角川書店



遠い遠い昔の中国で 美しい娘は結婚を約束した男を殺された 娘に邪な思いを抱いた権力者の為にー そして娘を嫁にしようとする
婚礼衣装のまま 娘は逃げた 追われて娘は身を投げるー



その身を金魚と変えた娘は 自分の想う人を惨殺した仇を殺し 長い時間の中で仇の血筋に当たる人間の命も奪ってきたー


そうして現代・・・


仏壇関係のセールスを強いるブラック企業に勤め鬱様態の江沢潤は 祭りの金魚すくいで美しい琉金をすくった

だがーその琉金はただの金魚ではなかった
異国からきたという美しい娘に姿を変えたのだ

えびせんが気に入り 琉金と人間の姿との変化を繰り返し

その頃から潤は 此の世ならぬ存在と言葉を交わせるようになりーそれは売上アップにつながってきた

一緒に暮らす恋人にも出て行かれー死のうかとも思っていた潤ではあったけれど

気まぐれな人の姿も取る琉金娘のリュウの心配をし世話を焼くうちに・・・

そんなある日 出て行った恋人亜結が他の男と一緒にいるのを見る
間もなくしてー亜結が潤の部屋に姿を見せるがー亜結は交際した男に利用され既に自殺していた

リュウが弱り珍しい水草が必要となり 出張を利用してリュウを連れて九州へ向かう潤

長崎には潤の母親も暮らしていた

潤の母親に会い 潤の代々の墓を見たリュウは長い間に失われていた記憶を取り戻す

潤はリュウが仇を思う男の末裔だった


潤を特別に想うようになっていたリュウには潤は殺せない

リュウは身を躍らせ消えた

リュウを必死に探す潤





現在と交互に描かれる過去の物語

潤の会社の社長か上司がリュウの狙う仇の末裔かと思わせるミスリード

長い歳月
潤の優しさ リュウに向ける愛情

リュウの恨みは消えたけれど 潤の前で人の姿に戻ることは無かった

金魚姫の旅は終った


現代生活を憶えようと馴染もうとするリュウの姿も愛らしく・・・

鮒の突然変異のように言われている金魚 その変異を美しくも哀しい幻想譚として綴った物語

身にまとう赤い婚礼の衣装ごと 美しい娘は金魚になりました


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2 コメント

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Unknown (けん)
2016-07-26 01:51:53
おお~
俺も読みました~♪
もう読み終わる頃にはリュウが愛おしくて。
金魚の時の模様がハートマークになるとこは良かったな~(萌
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けん様 有難うございます (̴夢見)
2016-07-26 09:00:20
おはようございます^^

はい とうとう読みました♪
ちょっと厚みがあったのと ハードカバーで持ち歩けないのとで手に取るまでに 少し時間がかかりました^^;

リュウー可愛かったですね
テレビのCMを真似したり 潤をからかったりー

殺せなかったリュウ・・・・

水口理恵子さんの手による装画ー表紙絵もとても美しかったです
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