夢見るババアの雑談室

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柚月裕子著「教誨」〈小学館文庫〉

2025-02-13 16:49:49 | 本と雑誌

 

 

 

自分の娘と近所の幼女を殺し死刑を執行された響子

その遠縁で響子の遺骨と遺品を受け取る立場にされていた母親の代わりに 受け取りに出向いた吉沢香純

香純は遠い日 親戚の法事で一度だけ響子に会っていた

まだ子供だった香純は 響子の犯した殺人を知った時 その面影とが結びつかなかった

響子の遺した言葉「約束は守ったよ 褒めて」

これが誰に向けられた言葉であったのか

それはどういう約束であったのか

それが香純の心にひっかかる

響子の故郷の人々は その遺骨を受け取ることすら拒み 菩提寺の墓にも入れないと言う

響子の犯した事件を取材する記者の協力もあり 少しずつわかってくる響子の生い立ち その暮し

苛められて育った

それでも苛められている子には まもってあげるーと

父や親せきたちに頭があがらなかった母

いつか母と同じことをしようとしていた響子

響子が守ろうとした約束も正しいものではなかった

それでも・・・・・

解説はノンフィクション作家の堀川恵子さん

 

帯には 真実と事実が反転する慟哭のラスト!

女性死刑囚の心の裡に迫る長編犯罪小説!と あります

どうすれば事件は防げたのか すべての者の鎮魂を願うーと著者である柚月裕子さんの言葉も

 

ただ 私は物語はそれとしても

いかなる生い立ち 動機 理由づけをしても

人の命を奪うことが正当化されてはならない

将来あるふたりの子供の命を奪った人間へ 必要以上の理解や思い入れはどうだろうー

幼い子供が被害者・犠牲者となるニュースを耳にすると 

親が加害者であれば 殺すくらいなら産むな!と思うのです

 

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