ー連ー
千希良 蓮 (ちぎら れん)の 姉の体がどうなっているのかー僕にはわからない
「もう 死んでいるのだ」 そう言った姉は 数か月から半年程も ただ眠り続け全く動かなかったりする
心配になった僕は 姉の唇を時々僕の血で拭く
眠ったまま静かに僕の血を飲む姉は 動き出した時「余計なことをしては駄目・・・」と注意する
本人が「死んでいる」と言おうが 「化け物になった」と言おうがーただ一人きりの それも双子の姉なのだ
放ってはおけない
姉は何も言わないから その仕返しがどんな形で どう進んでいるのかもわからない
新米会社員の僕は 仕事を覚えるのに必死で 少しずつ社内に人脈を拡げることこそ 僕にできる闘いだった
野望なんて持たなかった僕がー
姉ばかりか 祖母の 輝子母の亡くなり方まで疑問を持ち始め あれこれ気付いてしまいー結果 仕事人間になるー皮肉なものだ
僕は豊造父を守りたいと思うようになってきている
奴等からしたら 逆効果もいいとこだ
僕には僕のできることをするだけだった
たとえ死んでいようと 生きていようと 女の姉が戦ってる
せめて その覚悟に遅れをとるまい
会社で僕がなろうとした人間は 育ちの良さからおおらかで素直 えらぶらない 勉強熱心 人の悪口は言わない男
残業も休日出勤も厭わない イザという時もアテになる男
そして受けた仕事は投げ出さない
食事は母屋で豊造父とする
祖母ほど凝った料理は作れないが 食事をしながら仕事のこともよく相談した
朝食は一緒に食べて 同じ車で出勤する
昼食と夕食は それぞれの自由
洗濯と掃除は僕がする
豊造父も 輝子母が亡くなってからは できる限り他人を家に入れたくないようだった
豊造父が同郷の人間の経営する病院に検査入院をした時を狙って
忠明叔父が ある人物をバックにつけて 豊造父の追い出しと会社乗っ取りを画策していると 僕は知った
その企みをひっくり返すべく 僕は動きーそれは忠明叔父との直接対決を意味し 叔父のマイナス材料 ダメージを与える資料をできる限り集め 告発という形をとることになる
叔父の忠明は 豊造父を会社から追い出そうとし 僕は叔父を追い出そうとする
役員や株主を集めた会で 叔父が豊造父の体調不良を必要以上に強調し 老害についても話す
会社は常に若返らなくてはならない
新しい活力が必要だとー
そして僕は 新垣忠明がした不正について資料を配り 証拠のスライドを流し 話した
「あくまで体調チェックの検査入院にすぎず その健康には何の不安もありません
微力ながら このわたしも全力を尽くす所存です」
そう僕が話し終えた時
今更ながら僕は自分の若さが忌々しかった
この僕に周囲を納得させるだけの経験と実績があったなら
その時 僕の思いもかけなかった人物が現れた
入院中と思われた豊造父 いささか芝居がかったような黒紋付き羽織 袴のいでたちで
「一つだけ 先程の忠明の言葉に同意する 会社には若い力が必要だ」
それから僕の入社してからまとめた仕事について触れた
「若い 若すぎるところは相談役として このわたしが応援する」
全社員にとった誰が社長となるに望ましいか希望をもって仕事ができるのかーアンケート結果もスライドに出された
驚いたことにダントツ1位に僕の名前があった
「この若さで この信用と期待を見ると 老兵は去らねばならない」
豊造父の示した忠明叔父の不正の資料はもっと詳細で苛烈なものであった
豊造父の地位を守る為に闘っていたはずの僕は・・・・・
代表取締の地位に就くことになってしまった
千希良 蓮 (ちぎら れん)の 姉の体がどうなっているのかー僕にはわからない
「もう 死んでいるのだ」 そう言った姉は 数か月から半年程も ただ眠り続け全く動かなかったりする
心配になった僕は 姉の唇を時々僕の血で拭く
眠ったまま静かに僕の血を飲む姉は 動き出した時「余計なことをしては駄目・・・」と注意する
本人が「死んでいる」と言おうが 「化け物になった」と言おうがーただ一人きりの それも双子の姉なのだ
放ってはおけない
姉は何も言わないから その仕返しがどんな形で どう進んでいるのかもわからない
新米会社員の僕は 仕事を覚えるのに必死で 少しずつ社内に人脈を拡げることこそ 僕にできる闘いだった
野望なんて持たなかった僕がー
姉ばかりか 祖母の 輝子母の亡くなり方まで疑問を持ち始め あれこれ気付いてしまいー結果 仕事人間になるー皮肉なものだ
僕は豊造父を守りたいと思うようになってきている
奴等からしたら 逆効果もいいとこだ
僕には僕のできることをするだけだった
たとえ死んでいようと 生きていようと 女の姉が戦ってる
せめて その覚悟に遅れをとるまい
会社で僕がなろうとした人間は 育ちの良さからおおらかで素直 えらぶらない 勉強熱心 人の悪口は言わない男
残業も休日出勤も厭わない イザという時もアテになる男
そして受けた仕事は投げ出さない
食事は母屋で豊造父とする
祖母ほど凝った料理は作れないが 食事をしながら仕事のこともよく相談した
朝食は一緒に食べて 同じ車で出勤する
昼食と夕食は それぞれの自由
洗濯と掃除は僕がする
豊造父も 輝子母が亡くなってからは できる限り他人を家に入れたくないようだった
豊造父が同郷の人間の経営する病院に検査入院をした時を狙って
忠明叔父が ある人物をバックにつけて 豊造父の追い出しと会社乗っ取りを画策していると 僕は知った
その企みをひっくり返すべく 僕は動きーそれは忠明叔父との直接対決を意味し 叔父のマイナス材料 ダメージを与える資料をできる限り集め 告発という形をとることになる
叔父の忠明は 豊造父を会社から追い出そうとし 僕は叔父を追い出そうとする
役員や株主を集めた会で 叔父が豊造父の体調不良を必要以上に強調し 老害についても話す
会社は常に若返らなくてはならない
新しい活力が必要だとー
そして僕は 新垣忠明がした不正について資料を配り 証拠のスライドを流し 話した
「あくまで体調チェックの検査入院にすぎず その健康には何の不安もありません
微力ながら このわたしも全力を尽くす所存です」
そう僕が話し終えた時
今更ながら僕は自分の若さが忌々しかった
この僕に周囲を納得させるだけの経験と実績があったなら
その時 僕の思いもかけなかった人物が現れた
入院中と思われた豊造父 いささか芝居がかったような黒紋付き羽織 袴のいでたちで
「一つだけ 先程の忠明の言葉に同意する 会社には若い力が必要だ」
それから僕の入社してからまとめた仕事について触れた
「若い 若すぎるところは相談役として このわたしが応援する」
全社員にとった誰が社長となるに望ましいか希望をもって仕事ができるのかーアンケート結果もスライドに出された
驚いたことにダントツ1位に僕の名前があった
「この若さで この信用と期待を見ると 老兵は去らねばならない」
豊造父の示した忠明叔父の不正の資料はもっと詳細で苛烈なものであった
豊造父の地位を守る為に闘っていたはずの僕は・・・・・
代表取締の地位に就くことになってしまった
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