好きな映画です
録画したテープもあるのに テレビで放映されるたび しつこく観てしまいます
犯人に陥れられ部下を死なせて責任を感じ警察内部からも世間からも責められているチャン(ジャッキ―・チェン)の前に現われる自称警官の若い男(ニコラス・ツェー)が実にいいのです
ありがちな設定かもしれませんが 酒に溺れ自滅寸前のチャンの前に警官として現われた動機が泣かせます
この映画のニコラスは真田広之と共演した映画の役より はるかにいいです
娘曰く「青島刑事(「踊る大捜査線」)のようなコート」
ニコラスがいつも着ているコートには チャンにかつての誇りを取り戻してほしい
自分の事も思い出してほしい―という願いが込められていたのです
なんていい奴!
兇悪な強盗団は自分達を逮捕に動き出したチャンのインタビューをテレビで観て
徹底的に恥じをかかせてやる―と決意し チャンはその罠に嵌まり 目の前で部下を殆ど皆殺しにされます
婚約者の弟も大怪我を
自責の念とでチャンは酒に溺れ駄目になっていきます
そして一年
あの兇悪な強盗団がまた犯罪を起こします
実は彼らの中には警察の息子がいて 警察の鼻を明かす事に快感を覚えていました
ゲームを作るほど
途中で偽警官と知るも やがてチャンとニコラスは固い信頼関係のもと 犯人を追い詰めていきます
一年前の悪夢の再現のような犯人からの挑戦
危険なアクションの中に崩れすぎない適度な笑いもあります
父と子の思いと気持ちの行き違い
犯人の卑劣な罠の為に美しい顔に消えない傷が残ることになったチャンの婚約者への楽しいプロポーズ
有り得ないと思いつつ 笑ってしまいます
そして残されたニコラスがいつも着ていたコートを見て
やっとチャンは全てを思い出すのです
昔 失業しお腹を空かせた子供の為に 慣れない盗みをした男は 追われて 子供の目の前で 車にはねられました
その男に 「同じ人間だ 救急車を呼んでやれ!」と力強く言ったのは駆け付けたチャンでした
自分の着ていたコ―トもかけてやります
そのコートこそがニコラスがいつも着ていたコートなのですが
父親に死なれた男の子に忘れられない励ましの言葉もかけてやります
逞しく生き抜いた男の子ニコラスは その時の気持ちをずっとずっと失いませんでした
チャンのような人間になろうと目標でした
だから彼の危機の時 天使のように姿を現し チャンの復活と幸福を見届け 黙って去っていくのです
コートを残して
ユゴーの「ああ無情」のジャンを思わせるパンのエピソードではありますが
ありがちでも好きです この映画
私の中では 落ち込んでる時に観るといい お勧め映画の一つです