Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記

2008-01-06 | 外国映画(な行)
★★★☆ 2007年/アメリカ 監督/ジョン・タートルトーブ
「全肯定か、全否定か」



前作「ナショナル・トレジャー」で、一切のツッコミをはねのけて突っ走る映画で、それはそれでアリだ、と書いたけれども、今作も全く同様。お正月映画で、2時間を映画館で楽しく過ごすことが第一命題であるならば及第点でしょう。私自身は楽しけりゃいい、という映画の見方ではないので、もちろん突っ込もうとすればいくらでもツッコミどころはある。

一番のツッコミどころは、登場人物たちの関係性をきちんと描いていないこと。前回は反目し合っていたビルと父はすっかり仲良くなっているし、ビルと妻はいつのまにか別居状態だし。極めつけはハーヴェイ・カイテル演じるFBI捜査官のセダスキー。敵か味方かというストーリー上の立ち位置はもちろん、全体の登場人物の中でセダスキーをどう扱っているのか、製作者の意図が全く不明。ハーヴェイ・カイテルという名優を使っているだけにその宙ぶらりんさが気になって仕方がない。

前作の方が面白かった、と言う意見も多いけれど、スケール感、スピード感共に前作よりも劣っているとは思えない。むしろ、中盤のカーチェイスシーンなど迫力は増していると思う。結局、構造的なものが何も変わってないから、同じモノを見たような気になり、「前の方が良かった」という意見になってしまうのだろう。とまあ、やはりまじめに語るのがバカバカしくもなる作品ですね。暗号はいっぱい解けたし、黄金都市も見つかったし、良かったじゃんね~と言われれば何も言い返せない、そんな映画です(笑)。ただ、昨年のジェリー・ブラッカイマー絡みの作品では「パイレーツのワールド・エンド」と「デジャヴ」がアクションに加えて奥行きのあるドラマを作っていただけに、ちょっと見劣りしてしまう。パート3作るんだろうなあ…