Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

PROMISE<無極>

2008-01-30 | 外国映画(は行)
★★★ 2006年/韓国 監督/チェン・カイコー

「いくらなんでも、このCGはない」


傑作「さらばわが愛、覇王別姫」と同じ監督が撮ったとは思えない。というか、思いたくない(悲)。あまりにもCGがショボ過ぎる。せめてチャン・ドンゴンの牛走りと凧揚げを何とかしてくれれば、もう少し見られた作品になっていたかも。というか、この発想がチェン・カイコーから出た物なのか本人に聞いてみたいくらいだ。

ワイヤーアクションてんこ盛りで色彩美を追求した壮大な中国ドラマって体裁は誰しもチャン・イーモウの「HERO」「LOVERS」を思い起こすだろう。しかし、アクションにおいてもCG技術においても完敗。笑うしかないCGの仕上がりは、まさか「俺にワイヤーなんか撮らせても、この程度しかできないよ!」というチェン・カイコーの悲痛なる叫びなの?一体、このCG映像を請け負ったのは、どこの事務所なの?ううむ、何を書いてもネガティブになっちゃうので、方向転換。

中国人監督にたくさん予算をかけて大作を撮ってもらおう、ということになった時に、結局ワイヤーアクション付きの大河ドラマが企画に上がってしまうのだろうか、という気がする。台湾出身のアン・リーだって「 グリーン・ディスティニー」撮ってるし。でも、中国=カンフー、予算がある=CGという発想は、あまりにも安直なんじゃないだろうか。おそらく世界をマーケットに作品を売ると考えた時に、無常とか輪廻のようなアジア的世界観が外国ではウケるのと、ある程度の収入は見込めるからなのかも知れないけどね。

でも、もうそろそろマーケットもこの手の作品は飽きたでしょう。アン・リーが「ブロークバック・マウンテン」撮ったように、チェン・カイコーも次は好きなものを撮って、本作の酷評を吹き飛ばして欲しい。「さらばわが愛」の感動をどうか再びと、願うばかりだ。

さて、真田広之。いろんな映画に出て、顔を売ることは大事だと思う。元JACってことで、アクションもいけるし、乗馬もうまいし、英語もできるし、どんどんいろんな映画に出て欲しい。この映画の内容は散々だったけど、チェン・カイコーと仕事をしたっていう実績は紛れもない事実。そこから得られるコネクションもあるだろう。「サンシャイン2057」に引き続き、「ラッシュアワー3」にも出演している模様。こちらは出ました!アジア俳優がハリウッド進出した時に避けては通れぬ道、悪玉役でございます。私、彼がJACに入った時から結構好きな俳優。だから、地道に仕事をこなしているのはとってもエライと思う。がんばれ、真田広之!