Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

レッド・ドラゴン

2008-01-31 | 外国映画(や・ら・わ行)
★★★★☆ 2002年/アメリカ 監督/ブレット・ラトナー

「原作読んでるのに、ドキドキ」


「羊たちの沈黙」に思い入れが深いため「ハンニバル」を敬遠していたのと同じ理由で「レッド・ドラゴン」も見ていなかった。でも、これまたもっと早く見れば良かった!というのが率直な感想。まったりとしたオペラのような世界だった「ハンニバル」から一転して、本作はサイコ・スリラーとしてのスリルを存分に味わうことができる。実にテンポ良く物語が進み、原作を読んでいたのに最後までハラハラさせられた。。「ラッシュアワー」で有名なブレット・ラトナー。アクションもので培ったスピード感が遺憾なく発揮された、というとこでしょうか。とにかく最初から最後まで緊張感が持続する演出にやられました。

そして、キャストが豪華。アンソニー・ホプキンスを筆頭にエドワード・ノートン、ハーヴェイ・カイテル、レイフ・ファインズ、フィリップ・シーモア・ホフマン!何とまあ贅沢な俳優陣。しかも5人共それぞれの役どころが非常にフィットしていて、ぴたっとピースが合わさったような快感がある。

レクター博士は、本作においては脇役。そのように割り切ってしまえば、物語の要所要所で「ハンニバル・レクターここにあり!」という存在感が物語をひきしめてくれる。囚人服に青いデッキシューズという出で立ちでここまで威厳を出せるキャラクターはいないでしょう。ハマリ役なんて言葉は超越して、もはやハンニバル・レクターそのものですねえ。

クラリスがレクターを訪ねてくるところをラストシーンに持ってくるなんぞ、シリーズのファンを意識した憎いエンディング。このまま「羊たちの沈黙」を続けて見たくなる。そんな意見に私も大いに賛成です。しかしながら、一遍のサイコサスペンスとしても一級品のクオリティ。シリーズものの3作目という位置づけではなく、これのみの鑑賞の方がいたとしても大いにお薦めしたい作品。