うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

“だいたいで、いいじゃない。”

2008年11月12日 04時34分38秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
いよいよ寒くて、下ズボンを引っ張り出して穿く季節になる。こんな調子では来春まで手放せなくなるなあ。
 最近、わたしの読書という習慣の傾向では、なぜか、深く入り込んでしまうようだ。新規に買ってきた本を読みつつ、以前買ってきた本を引っ張り出してまた読む。吉本隆明は好きで、この本は口語文でまとめられているせいか読みやすい、だからわたしは対談本、雑書も結構買う。
“だいたいで、いいじゃない。” 吉本隆明/大塚英志 文春文庫
 
 この本では広範なスタンスに立つ吉本隆明の聞き役と、おたく世代代表の大塚英志の洞察、想像力のたまものである饒舌により、わたしたちの時代以降の、現在の40から20代にかけての社会風俗になっているサブカルチュアについて、目から鱗が落ちるようによくわかる。
 日本は、経済成長を遂げて現代は高度消費社会であること。先進国とは産業的に第一次産業の生産部門ではなく、第二、三次産業のサービスの業界が占める割合が多いこと。つまり、直接的に生産活動にタッチしなくてもなんとか飢えずに生きていけること。(奇想天外ではあるが、例えとしていえば、食料の野菜などは栽培過程も知らず、農家ではなく八百屋さんが作っていると錯覚されても不思議ではないこと?!ダイレクトに日常感覚ではものが見えにくくなっていること)。
 その結果、物質的には暮らしやすくなっている。

 これはバーチャルな世界の極地である。なぜこの時代に、おたくの世界が受け入れられつつあるか。
 アニメーションの世界で‘機動戦士ガンダム’、‘新世紀エヴァンゲリオン’などと、わたしにとっては生理的に受け付けない世界だがなんとなく理屈の上から分かったような気がする。イメージと概念をゲーム感覚で非日常的に楽しませてくれる世界。
 わたしは実は、宮崎駿さんのものは‘となりのトトロ’あたりまでは良かったが、‘千と千尋の神隠し’以降、‘もののけ姫’、最近の‘崖の上のポニョ’など、一連の内容に気味悪さを感じてきた。作画能力に加えて、ここにはわたしの専門分野である植生の知識も入っているが、総じて寄せ集めの題材をアレンジしただけではないか。ヒューマニティと啓蒙性と唯物史観の奇妙な混合。商業的に成功を収めればそれでいいのか。わたしは、ちょっと違う気がしている。
 とりとめもない書き込みになったが、わたしたちの世代の手塚治虫の漫画には、もっと前向きな理念があった気がする。
       
コメント (4)
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