うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

シーフォートスクエアを巡る--天王洲アイル⑤

2009年01月30日 05時44分40秒 | 天王州アイル Project
 
 ≪シーフォートスクエア(SFS・Sea Fort Square・緑の砦≫の正面。
 構成ビル名: “シティグループセンター” “センタービルディング” 
    “JTBビル” “シーフォートタワー(第一ホテル東京シーフォート)”
    “天王洲銀河劇場”

 SFSは、こちら向きに屏風を立てかけたように3棟の高層商業・事務所ビルが並び、ひとつのホテル・マンションの高層建築物と、低層のシアタター“天王洲銀河劇場(・旧アートスフィア)”がある。東京モノレール“天王洲アイル駅”と直結。


 京浜運河側のボードウォーク(遊歩道)をたどる。当時、アメリカ東海岸N・Yのマンハッタン島の景観として、ウォーターフロントと流行語のようにもてはやされていた。対岸に‘品川クリスタルヨットクラブ’があり、東京湾内を豪華遊覧船クルーザーが運行されている。
 実は天王洲アイルでここが一番風の強いところ。運河べりに降りるウッドデッキの階段があり、見通しの良い場所で格好のデートスポットになる。運河でも京浜運河と天王洲運河がつながるこの付近が一番水深が浅く干潟になる、引き潮のときは餌をもとめて水鳥が集まってくるエリアだ。
 しかし、植物にとっては最悪の場所だ、ドンドンH8.0mのホルトノキが枯れ下がり無残なことになりつつある。左右のホルトノキで意匠的に一対で配植した。
   

 “第一ホテル東京シーフォート”の一階、レストラン‘グラン・カフェ’前の緑地、当初、レッドロビンの大刈り込み、中低木、多様な多年生草花があったが、今はすっきりしている。これは結実中のオリーブ、拡大してみると、品種は‘ミッション’かな。
   

 センターコートのマウンド状芝生地内花壇です。維持管理業務の中のひとつで、草花を早春花・春花・初夏花・夏花・秋花と入れ替えたときのもの。画像は良くないですが、リング状のサークル花壇になります。これは、誰のセンスかな。
           

《建築概要》
工事名: BCT-UBEプロジェクト
建築主: 三菱商事㈱ ㈱第一ホテルエンタープライズ ㈱第一ホテル 宇部興産開発㈱ 
開発敷地面積:22,129.38㎡ 建築面積:12,937.45㎡  延床面積:148,476.40㎡
工 期: 平成元年9月→平成4年5月
  オープン: 平成4年7月20日 アートスフィアこけら落とし:平成4年10月5日
総合元請:三菱商事㈱
設計期間: 基本設計・昭和63年8月→昭和63年12月
      実施設計・平成元年1月→平成元年8月
建築設計・監理 :㈱アールアイエー(建築・設備) 構造:鹿島建設㈱(構造) 
照明設計: ミンツデザイン
施 工: 鹿島建設㈱・大成建設㈱・大林組JV
     A棟 : シティコープセンター-- 内装-ザ・デザインスタジオ ・S造 地下2階,地上22階建て
B棟 : センタービルディング-- ・ S造 地下1階,地上23階建て
C棟 : UBEビル-- 内装-鹿島建設㈱ ・S造 地下1階,地上20階建て
D棟 : シーフォートタワー--/(第一ホテル東京シーフォート: 内装-松田平
田,T.S.A,ガルボデザイン ・S造,RC造 地下2階,地上29階建て
     E棟 : アートスフィア-- ・S造,RC造 地下1階,地上 6階建て
当社(第一造園土木㈱):植栽設計・施工/当社不動産仲介 
         
○植栽計画○
 《コンセプト》
耐潮性にもとづく植物の種類の選別地は日本各地に及んでおり, その結果, 正直なところ植物の意匠的な組み合わせに苦心した。解決策として銀白葉. 赤葉などのカラーリーフ, 一般的な緑葉. 紅葉に変化する樹木の四季変化を考えて配置した。 通常の内陸部の植栽計画に比べこの開かれた海浜地区は色彩的に膨張感のあるバタくさい印象を与えることになる。樹種面は運河沿いにスダジイ.アキニレを列植にしており, 中木では思いきって常緑性のオリーブ. 主に大刈り込み用のセイヨウベニカナメモチ(レッドロビン). フェイジョア. ホルトノキを大量に採用した。しかし運河べりの一部では生育が芳しくない。
 敷地の外周線に沿いにかなりの数のパーゴラ.ゲートトラスの工作物があり意匠の面から立面緑化がもとめられた。植え込むつる植物の配植方法については,わたし自身過去に多少の経験を積んできたつもりである。ここの場合支持体への付着. 巻きつき状況を考慮し, 誘引支持材を工夫した。配植方法は常緑.落葉時の樹姿の四季変化を鑑賞できるものとし,つるの伸長性(速度・樹形) などの特性を加えて選び, 樹種は植し, 箇所ごとに組み合わせまとめて植えたものである。
・・施工後のひとこと・・
* 高木の材料は概して不揃いであるが,なかでもスダジイはメンテナンスによる樹形の仕立て直しに時間を要するものとおもわれる。
 * 北側運河沿いの樹木のなかでは特にアキニレが風下方向に傾斜した風衝樹形になっている。ニシキギなどは強風の被害で葉っぱの損傷により, 期待していた紅葉どころではない。
 * 当時の手軽な景観材料として, 各種混ぜた" ワイルドフラワー "は結果的にオオキンケイギク. シャスターデージーの 2種が残り, 特にシャスターデージーは種子の発芽率が高く旺盛な繁殖力を見せつけている。
 * メキシコマンネングサの採用は大成功と言っていい。現在ではセダムの一種としてもてはやされているが, 植え付け. 繁殖方法. 繁殖力に見られる特性は良く, デザイン的な面でも四季を通じてのライトグリーンの葉色は緑地構成のために非常に重宝なものである。
* 通常, 埋立て地の地盤安定に利用されるコモンバーミューダグラス(オニシバ)の生育は, この場所では無難な選択と考えられたが,どうしても伸長がおもわしくない。結果的に全面を高麗芝に貼り替えた。
 《工事概要》
植栽工程; 平成 年 月~平成4年 5月           
受注工事金額: 12,500万
協力業者: 宇部緑地㈱ ㈱成田造園土木 
材料業者: ㈲秋元重次農園     
敷地面積: 11,734.45㎡
施工範囲:植栽工 客土工 樹冠散水設備工(一部) 地表ドリップ散水設備工(一部)
緑地面積:自己敷地; 1,789.8㎡(芝生地:137.2㎡)
    地区公園1号;約2,607.0㎡[緑地 1,348.8㎡(芝生地 849.9㎡)]

・維持管理期間 当社(第一造園土木㈱):平成4年6月~平成14年5月

  現在の状況はどうなっているか、下のサイトをクリックしてみてください。
     天王洲アイル

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