うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

原種系ギボウシの分類・系統--はじめに

2009年09月03日 04時59分30秒 | ギボウシの系統・分類
≪引用文≫
ギボウシはユリ科ギボウシ属(Hosta)であり、アジア東部特産の宿根草です。その分布域は中国大陸北部から沿海州・朝鮮半島・サハリン・日本で、亜寒帯から温帯に及んで自生しており、日本において最も著しく分化し、多数の種や変品種の自生や栽培があります。
ギボウシの花は、ユリ科を証明するようなユリに似たラッパ形、種類により花期は5月から11月まで変化が多く、花冠の長さ14cmの大型から3cmのごく小型まで変化が多く、花茎の高さは長いものは2m以上に達し、低いものは15cmのものもあります。色はほとんどの種が淡紫色から濃い色の紫色系で、中国産の1種とその変種のみが白色で、紫色系の品種のいくつかに白色が知られています。
花冠の基部は狭筒で順次太い筒形になり、上部は6裂し、雌しべ1本、雄しべ6本です。
朔は、3室に分かれて扁平な種子が2列重なって入っており、熟すると朔が裂開し、風に乗って遠くまで種子を散布する点もユリそのものに似ています。
葉は、根生で叢生するがウラジロギボウシのように1~2枚のものもあり、葉は葉身と葉柄に分かれるが中には葉柄に葉身が細長く流れるものもあって、葉身の形は宝珠に似た広卵形や長楕円形が多く、披針形の細長い種類もあります。
地下に塊状の地下茎があって、根は種類により細長いがやや太い紐状で、地下茎に新芽ができて繁殖します。コバギボウシやサクハナギボウシは、細長い地下茎を出してその先にも新芽が生じます。
自生の状態は、北海道や東北方面の寒冷地は湿地性が多く、関東中部以西では原野や山林の緑辺・疎林内に多く、種類や地域によっては岩盤や樹幹に生育しています。
ギボウシの異種間や同種内の変品種の判定ははなはだ難しく、それは区別点が明確でないためです。その原因は同一種でも地域によって変異の幅が大きく、また同一地帯の種内の個体差が大きく、分布域が重なって雑種が多いことなどです。ギボウシは進化過程の植物で、分化が完成していないとの考え方もあります。またたとえば、命名されたものが栽培品で自生地がわからず、そのうえ栽培中にも雑種が生じやすく、ますます原種の判別が難しいのです。
‘ギボウシの栽培と観察’ 渡辺健二

 このシリーズは、昨年の【ギボウシの分類・系統】に引き続き、原種系ギボウシとしてスタートします。手持ちのギボウシの画像をまじえて連続13回ぐらいを予定。相変わらず、無手勝流の掲載になります。内容中の過誤など皆さんのご指摘をお待ちしております。
 取り上げる予定の原種系は次の通り。
 ・イワギボウシ  ・ヒメイワギボウシ  ・オオバギボウシ  
 ・ヒュウガギボウシ  ・セトウチギボウシ  ・キヨスミギボウシ
 ・ハチジョウギボウシ ・ウナズキギボウシ  ・カンザシギボウシ
 ・タチギボウシ  ・ミズギボウシ  ・コバギボウシ  
 ・トクダマギボウシ  ・不明のギボウシ

 わたしは、日本、中国、朝鮮の北東アジアにしか自生しないギボウシが、これほどまでに欧米において熱狂的に交配、増殖し栽培されている現実に、国民性、文化の違いもさることながら驚きを隠せずにいました。
 せっかくだから、この日本の古典草花であるギボウシ、(ホスタ)をランドスケープデザインの世界でもっと生かせないものか。
 ここでは、ギボウシの分類・系統を明らかにするために亜属・節・種を整理して原種ごとの特性を浮き彫りにし、栽培、鑑賞(利用)、配植方法を検討したものです。手探りで進めてきたこの品種群の区分けも、わたしが初めてのようでぜひとも皆さんの批評をいただきたいところです そして、ランドスケープアーキテクトの立場から、またギボウシの供給、生産者として、わたし自身の勉強を兼ねていました。(参考させていただいたのは、以前、【ギボウシの参考資料、Webサイトほか】としてグログにUPした内容になります)。
 引き続き、情報を私有化せず、今後も実作者としての知見、ノウハウを踏まえて公表していく予定です。

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