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タク・ドンギョン=パク・ボヨンさんは、出版社でウェブ小説の編集チームの主任を務めています。
ある日、医者であり作家であるチョン・スンジュンのところに、仕事のスケジュールを報告に行きました。
その時体調が悪いのでついでに検査をしてもらった結果、思いもよらない病気を告げられてしまうのです。
多発性の腫瘍だと。
組織検査には1週間はかかると言われました。
でも、そんなに有給がありません。無理だとドンギョンは言いました。
チョン医師は、呆れたように休暇の問題じゃないでしょうと言いました。
だって、手術をしても1年、しなければ、3~4か月しか余命は無い状況なのですから。
1年の間に、片麻痺や言語や認知の障害が現れると言いました。
ドンギョンは、あっけらかんとチョン医師の診察室を出ました。まるで小説のストーリーを聞いたように。
実際、ドンギョンにはまだ現実の事として受け取れなかったのかもしれません。
余命3~4か月だなんて。
ソ・イングクssiは世の中のあらゆる事象を滅ぼすために存在する『滅亡』。
一方で、“滅び”をコントロールすることもできるようです。
ある時、通り魔事件が起こりました。犯人は多数の人を傷つけ、死に追いやった挙句、自殺を図りました。
しかし、『滅亡』は、死ぬことを許しませんでした。
「お前の滅亡を一時回収する。」
そう言って、傷口を修復し、命を救ったのです。
時が来たら、返すよ・・・と。死ぬより怖いのは、生きる事だと告げました。
その病院には、少女の姿をした神がいました。心臓を患っている患者の格好をしています。
滅亡は少女神の世界において、人間と神の間をつなぐ存在でした。少女神の命令に従うしか無いのです。
永遠に・・・。
少女神は滅亡に言いました。
「誕生日の今日は、誰かの希望になりなさい。そうなれる唯一の日よ。人間のために。」
ドンギョンは一人になってやっと病気の事が現実味を帯びて感じられるようになっていました。
そんな時、追い打ちをかけるような出来事が。
なんと、恋人のデハンが既婚者だと言う事が分かったのです。
夫の浮気を知ったデハンの妻が、ドンギョンを呼び出し、顔に水をぶっかけました。
全てを察したドンギョンは、あっさりと全てを認め、自分も今デハンが妻帯者だと知ったと言いました。
悪いのは、騙したデハンで、自分は悪くないと反論。
ドンギョンが席を立って行こうとしたとき、妻が急に倒れてしまいました。
見捨てて行くことが出来ず、ドンギョンは病院まで付き添う羽目に。
妻は、ドンギョンも被害者だと言う事を、この一件で気づきました。
悪い女に騙されたと考えて、幸せに暮らしてくれというドンギョン。
どうせ、私は3か月後には死ぬから・・・と。
この話を誰に最初に話す事になるか気になっていましたが、まさか、不倫相手の妻に言う事態となるとは、思ってもみませんでした。
妻は、もう恨み言など言う気にはなれませんでした。
この一件がSNSに流れ、会社の代表に知られる事態となってしまいました。
ドンギョンはいたたまれず、早退。
すると、今度は地下鉄車内で盗撮されるし。
帰宅中、急な雨に降られてしまいました。傘を持ってないドンギョンは濡れながら帰宅しました。
そんな時、弟からお金を無心する電話がかかってきました。
両親の命日だと言うのに、泣きたくなるような散々な一日です。
ドンギョンは泣くことが出来ません。
10才の時、突然両親を失いました。
気がついたら、弟の手を握って祭壇の前に座っていました。
2人の世話を押し付け合う親戚の話が聞こえていました。
涙を呑む方法を覚えたのです。
飲み込んだ涙はどこに行ったんだろうかと思う時がありました。
今は分かる気がしていました。
流せなかった大きな涙の塊は、自分の頭の中に居座ったと。
法事のために用意したお酒を一人で飲んだドンギョン。
夜空をたくさんの流れ星が流れていました。
「世界なんて滅びろ!滅びてしまえ!全部滅亡させて」
ドンギョンが夜空に向かって叫びました。
その声を滅亡が聞きました。
深夜、ドンギョンの元を滅亡が訪ねて来ました。
ずかずかと土足で部屋に入り込みました。
ドギョンは見覚えがありました。病院ですれ違った人でした。
自分の事を何でも知ってる滅亡。ドンギョンはあっけにとられるばかり。
滅亡はカレンダーの3月2日を赤丸で囲みました。丁度100日。つまり、ドギョンの命の尽きる日です。
俺の誕生日は貴重だから、早く希望を言えと滅亡。
しかし、ドンギョンには滅亡の言動全てが理解不能です。幻覚だと思いました。
「俺が滅亡だ。」
ますます理解不能になるドンギョン。
世の中を滅亡させたいなら、俺に言え、滅亡させてやる、なんて言われても・・・ねぇ。
曖昧なまま、夢から目覚めたドンギョン。夢だと思いました。
でも、部屋の中には土足の痕もあるし、ケーキも食べ残されてる欠片があるし・・・。
夢と現実とがごっちゃごちゃになってしまいました。それ以来、滅亡は至る所に現れ、希望を聞き出そうとします。
「痛みを消してやる。死ぬまで一度も痛みを感じない。どうだ?」
ドンギョンは無視しました。
ふっと心に浮かんだ“満員電車の人がいなくなればいい”という願いを一瞬叶えてくれたりするのですが、現実とは思えないので、自分の頭の中の腫瘍のなせる業だと考えることにしました。
横断歩道を渡ろうとしたとき、向こう側に滅亡が立っている事に気が付きました。
歩き出したドンギョンが、横断歩道の真ん中あたりに差し掛かった時、突然強烈な頭痛に襲われました。
思わず倒れ込んでしまったドンギョン。
そこに、トラックが
運転手は携帯で通話中で、ドンギョンに気づきません。
死ぬと思った瞬間、全てが止まりました。
寸前でトラックが止まっています。
動けるのは滅亡とドンギョンだけ。
「選べ。ここで死ぬか俺の手を取るか。」
滅亡が差し出した手を、ドンギョンはとりました。
“Dー99”
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