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呆然とするヒョンウ。
しかし、夢じゃありません。
目の前には、先日銅像を建てたその人、チン・ヤンチョルがいます。
そして、ヒョンウが使えて来たオーナー一族が若き日の姿で並んでいます。
ヒョンウは、チン・ヤンチョルの自伝を暗記するほど読み返していました。
一族の家系図も机の前に貼ってありました。
だから、目の前で繰り広げられるシーンは、全て自伝に書かれていた事だと理解出来ました。
ヤンチョルの還暦を祝う会が開かれました。
ヒョンウは三男のユンギの次男ドジュンとして両親と兄と一緒に屋敷に行きました。
ここからは、ややこしいのでドジュンと呼びます。
ユンギは、女優と結婚したことで勘当されてしまい、屋敷を訪ねるのは10年ぶりのことでした。
ドジュンは、静かに辺りを観察していました。
母であるへインが伯母たちから嫌味を言われているのも見ました。
ヤンチョルが長男ヨンギと話す様子も見ました。後継者としてヨンギに満足していないことも見て取ったんじゃないかな。
そして、ヤンチョルがいまだにユンギを許していない事も知りました。
自分たちは、ヤンチョルにとって家族ではないということを。
全て自伝で読んだ通りだと思いました。
その時、思いだしました。
自分が見た家系図に“チン・ドジュン”がいなかったことを。
何故だと、思いました。
ヨンギの息子ソンジュンが、ある部屋に入って行くのが目に留まりました。
その部屋には、たくさんの宝物が飾られていました。
ソンジュンが一つ摘まみ上げ、そっとポケットに忍ばせるのを目撃。
意気揚々と部屋から出ようとしたとき、そこにドジュンが立っている事に気が付いたソンジュンは、驚いて思わずよろけてしまい、飾ってあった白い壺を割ってしまったのです。
ドジュンは気づきました。
その人物が、先日後継者になりたくないと父に反抗した副社長だということに。
ソンジュンは、ドジュンの仕業にしようとしました。
駆け付けたヤンチョルの妻でドジュンの祖母にあたるピルオクやヨンギ夫婦、ドンギ、ユンギ夫婦と兄のヒョンジュンは、その話を信じかけました。
しかし、ドジュンはキッパリと言いました。
ソンジュンが祖父のモノを盗もうとしたところを僕に見られたんだ・・・と。そしてソンジュンのポケットから盗もうとしたモノを出して見せました。
怒ったソンジュンが、ドジュンを殴りつけた時、ヤンチョルが現れました。
この瞬間、ドジュンは・・・正確にはヒョンウは思いだしました。
このエピソードも自伝に書かれていて、つい先日、ソンジュンに思い出させるように話したばかりでした。それによって、ソンジュンは落ち着きを取り戻し、後継者としての役割を果たしたのです。
ヤンチョルは、自伝に書いてあった通りにソンジュンを咎めず、後継者としてのあるべき姿を話して聞かせたのです。
これで確信しました。
今、自分の周りで起こっていることは、全て自分が知っている事だと。
既成の過去のまま、1987年に来ているんだと。
だとしたら・・・とドジュンは駆け出しました。
行先は、ヒョンウの実家。1987年時点で、母もまだ生きている実家です。
ヒョンウの実家は、食堂を営んでいました。
母は生きていました。幼い弟のヒョンミンがいました。
そして、父も・・・。
ドジュンは涙がこぼれました。
意を決して店に入りました。クッパを注文しました。
母は、クッパを見ながら泣き出した少年を見て、不審に思いました。
その時、ドジュン母へインが迎えに来ました。
2人の母が目の前にいました。
へインに連れられて帰ろうとしたとき、ヒョンウが帰宅して来ました。
1987年のヒョンウは、ちゃんといるのです。
だとしたら、自分はドジュンに憑依したのか、タイムスリップしたのか、生まれ変わりなのか・・・と、ドジュンは悩みました。
スニャングループに危機が訪れようとしていました。
海外で安く半導体の製造を始めるというニュースが伝わったのです。
これまでかなりの額を投資して進めていた仕事が、立ち行かなくなると思われました。
ヨンギとドンギは、この際、さっさと手を引いた方が良いのでは?とヤンチョルに言いました。
ドジュンが、昨日の事をヤンチョルに直接謝りたいと屋敷にやって来ました。
ヤンチョルはヨンギやドンギと会ってる最中ということで、ドジュンはしばし待つことに。
この待っている間に、ドジュンは新聞で事態を知り、ヨンギ、ドンギ、そして長女ファヨンの考えを知ることになりました。
彼らは、半導体の一件だけじゃなく、政局をも見極めようとしていました。
つまり、次期大統領になるのは誰か、そして誰に投資すればスニャンは優位に立てるのか・・・です。
部屋の外にいるドジュンまで聞こえてきたのでしょうね。
ヤンチョルは、ドジュンが来たと聞いても、そんな孫はいないと追い払おうとしました。
すると、ドジュンがヤンチョルに聞こえるように言ったのです。
「昨日割った壺の弁償に来ました。」
子供のドジュンが高価な壺を弁償?と、ドンギは笑いました。
いったいいくらだと思ってるんだ?とね。
ドジュンが、手を広げ、“5”を示しました。
5千W?と、ドンギは揶揄いました。
すると、ドンジュが言ったのです。
「50億W。それ以上はしないと思います。選挙資金なら、それくらい必要では?」
僕なら、選挙資金をノ・テウに渡すと、おじいさんに伝えてください。ノ・テウが大統領になるから・・・と。
ついさっき兄弟たちが話していたのとは違う候補です。
皆、あっけにとられたのと同時に、なんて生意気な奴だとムカつきました。相手が子供だと言う事も忘れて。
この話を部屋の中で聞いていたヤンチョル。
思わず聞き耳を立ててしまいました。
ドジュンが玄関に向かった時、ニュースが入りました。
ドジュンが指摘した展開になろうとしていました。
ヤンチョルは、すぐさま、ドジュンを呼び戻しました。
ヤンチョルは、ドジュンに、聞きました。どうしてこうなると分かったんだ?と。
ドジュンはその理由を明解に説明しました。
投資すべき相手、そして投資すべきタイミングまで説明しました。
ヤンチョル、嬉しそうでした。
やっと、お眼鏡にかなう子孫が現れたとでも思ったようです。
ヤンチョルは思いついたように、もう一つ答えろと言いました。
「上位が争う間に3番が勝つ漁夫の利もあるが、クジラの喧嘩で海老がとばっちりを食う事もある。海老がクジラに勝つ方法はあるか?」
流石にすぐには答えられなかったドジュン。
やっぱり、普通の子だ・・・とヤンチョルは呟きました。
ヤンチョルは、労働力で戦う時代は終わったと考えていました。これからは、技術力だと。
だからこそ、半導体にスニャンの未来がかかっているんだと。
なのに、ヨンギやドンギは捨てろと言います。
何も分かっていないと、情けなく思うヤンチョルでした。
そう愚痴った最側近のイ秘書室長ですら、ヤンチョルの考えを理解出来ないでいるくらいですからね。
数日後、ドジュンは、ヤンチョルの質問の意味が分かりました。
そしてその答えも。
すぐにでも知らせようとしたのですが、生憎その時ヤンチョルは海外出張中。
帰国する日程を聞いた時、ドジュンはまた一つ過去の記憶が浮かびました。
ヤンチョルが乗ろうとしている飛行機の便が、墜落すると言う大事件です。
なんとしても、搭乗を阻止しなくてはいけないと焦るドジュン。
航空会社に爆弾テロがあると電話しても、いたずらだと思われて取り合ってもらえません。
当たり前ですよね、誰もこんなこと信じる筈ありません。
ドジュンは、ヤンチョルの屋敷に駆けて行き、祖母に頼み込みました。
なんとしても伝えたいことがあるからと。
しかし、ヤンチョルは会議中で電話には出られないと言われました。
電話に出たのは、現代でヒョンウの上司となっていたキム・ジュリョン企画本部長。この時点では、まだ若手社員に過ぎません。
ドジュンは、伝言を頼みました。
ところが、それを書いたメモがヤンチョルに渡らなかったのです。
キム・ジュリョンが失くしてしまったからです。
おいっ
ドジュンの記憶通りの事故が起こりました。
搭乗者名簿には、ヤンチョルの名前がありました。
家族全員が集まり、その悲報を聞いて、パニックになりました。
そこに、ヤンチョルがイ秘書室長と共に帰って来たのです。
ヤンチョル、事故を起こした便に乗っていました。
しかし、機内でドジュンからの伝言メモを見つけたのです。
メモは、たくさんの資料に挟まれていました。
それを読んだヤンチョルは、経由地で飛行機を乗り換え、帰国したのです。
ヤンチョルはドジュンの“答え”に満足し、背中を押され、海老がクジラに勝つ方法を採ったのです。
そこまで、ドジュンの“答え”は完璧でした。
後日、大統領選においても、ドジュンの指摘した通りの結果になりました。
当たり前ですよね、未来を知っているのですから。
ヤンチョルはドジュンと2人きりでじっくりと話をしました。イ秘書室長を同席させないのは異例の事でした。
「未来を知っているんじゃないか?」
と、ヤンチョルが言いました。
知っていました・・・とドジュン。
え言っちゃうのと思ったら。
「知っていました。未来ではなく、おじい様の気持ちを。クジラに海老が勝つなんて、あり得ません。でも無謀な挑戦のために、藁にも縋る思いで僕にクイズを出した。正解ではなく、誰かの後押しが欲しくて。僕が知っていたのは、おじい様のその気持ちです。」
初めて自分の気持ちを見透かされたとヤンチョルは思ったでしょうね。
正解したから、賞金を出そうとヤンチョルが言いました。
しかし、ドジュンはお金は要らないと言いました。
僕が大人に成るころには、貨幣価値が下がるから・・・と。
相変わらずの話しに、ヤンチョルは呆れたかもしれません。
「土地をください。」
と、ドンジュは言い、その当時は使い物になりそうにない土地を貰う事にしました。
きっと、そこは、後に莫大な価値を有する場所になるんでしょうね。
そして、もう一つ欲しいモノがとドジュンは言いました。取引をしてくださいと。
ヤンチョルは面白そうに言いました。
「私が持っていないモノをお前が持っていてこそ取引が出来るんだ。」
ドジュンは言いました。お金では買えないモノですと。
「スニャンで誰一人持っていないモノをあげます。ソウル大学法学部の合格証書です。」
驚かされる事ばかりだと、ヤンチョルは思ったでしょう。
でも、その驚きは決して不愉快なモノではなく、心躍らされるモノでした。
何が欲しい?とヤンチョルに聞かれ、ドジュンはなんて答えたのでしょう。
ヤンチョルは家族に宣言しました。
今週末の家族の会食から、ドジュンたちの分も用意するようにと。
全員が驚き、言葉も出ませんでした。
祖母だけが嬉しそうでした。
ドジュンが取引してでも欲しかったもの、それは、家族になるということでしょうかね。
家族全員を見回しながら、ドジュンは思いました。
この中に僕を殺した人間がいる・・・と。
そして、約束通り、ドジュンはソウル大学に首席合格したのです。
予想以上に面白い
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