朝はどんよりとした曇り空だったんですが、直ぐに天候が回復して、青空が広がりました。
気温も、一気に上昇して、暑かったです。
今夜はエアコンを入れないとダメかなと感じていますが、まだエアコンを入れるには早いのかなとも感じています、どうなりますか。
推理小説って、結構はまりますよね。
私も、若い頃に推理小説にはまってしまって、相当色々な本を読みあさりました。
最初の頃は、アガサ・クリスティーのポアロシリーズ、その後は映画化された国産推理小説をキッカケに、日本の推理小説へ移行しました。
古典的な推理小説と言うと、コナン・ドイルが生み出したヒーロー、シャーロック・ホームズが思い浮かぶ人も多いのではないかと思います。
もちろんシャーロック・ホームズも読みあさりました、最後は一冊にまとめた全集を購入したように記憶しています。
外国産の推理小説を読む場合、その国の時代背景とか社会情勢が知識として分かっていないと、どうもしっくりと来ない面も感じます。
もちろん、シャーロック・ホームズも、その範疇に入ります。
自分の国で書かれた推理小説は、時代が古くても、自分が生まれ育った国なので、バックボーンが分かるんですよね。
先日、ブックオフの新書コーナー(古本屋で新書と言うのも変な表現ではありますが)でを漁っていたら、「シャーロックの履歴書(河村幹夫著)講談社現代新書」と言う本を見つけました。
パラパラとページをめくったのですが、シャーロック・ホームズという表題に引かれて、とりあえず購入しておきました。
先日、この本を読み始めたら、数日で終わりまで一気に読み終えました。
著者は、仕事でロンドンへ赴任して、シャーロキアンの本拠地と言われる、「ロンドン・シャーロック協会」の会員になった方です。当時、日本人の会員は、一人だけだったと本人が書いています。
最初は、シャーロキアンの書いた本だから、シャーロック・ホームズについてウンチクを傾けた本かなと思っていました。
読んでみると予想に反して、シャーロック・ホームズを読むための、知識が書かれていました。
シャーロック・ホームズが書かれた時代について、その時の社会情勢に付いて、人びとの暮らしについて、などバックボーンが書かれています。
かつて、シャーロック・ホームズを読んだ時、どうしてもイメージがわかなかった、イギリスの時代背景が分かると、なるほどと思わされました。
シャーロック・ホームズが活躍した時代は、産業革命をトリガーとして、世界の工場として君臨したヴィクトリア時代のイギリスが舞台です。
例えれば、1990年前後の日本のようなものですね。
本を読んで、面白いと思っことが3点ほど。
著者は、ヴィクトリア時代は、イギリスの絶頂期であったが、貧富の差も激しくて、富めるものはますます富み、貧乏人は依然貧乏人のままであったと述べています。
普通だったら、暴動が起きて、革命が勃発しても不思議ではありません。
著者の意見では、伝統的な階級制度が厳しく守られていたこと(一種の諦めですね)、キリスト教的道徳感情をシッカリ身につけていたためであると結論づけています。
なんだか、どこかの国が思い浮かびました、ただし亡国で何故革命が勃発しないかの理由は、分かりませんが。
著者のコナン・ドイルは、「サー」の称号を貰っています。
私は、てっきり国民的ヒーローである、シャーロック・ホームズを誕生させた功績に対して、与えられたのだと思っていました。
そうではなくて、当時各地に介入していたイギリスの国家的行動を雄弁に弁護した功績だったのだそうです。
よく考えて見れば、階級制度がやかましいイギリスで、私立探偵を主人公とした小説家に対して、サーの称号など与えるなど、あり得ない話だったのです。
コナン・ドイルが目指したのは、歴史小説での成功だったそうです。
どうも、生活費のためにシャーロック・ホームズを書いていたけど、最後は嫌になって主人公ホームズを「殺害」して、シリーズを完了させてしまいました。
でも、結局は世間が納得せず、シャーロック・ホームズを復活さえざるを得なかったようです。
こんな、裏話がたくさん書かれています。
次に実家に帰省したら、昔購入したシャーロック・ホームズ全集を見つけてこようかと考えています。