OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

休載のお詫び

2006-12-21 17:05:37 | Weblog

急に仕事がっ!

不測の事態とはいえ、あまりに酷い……。

緊急事態というか、想定外というか……。

本日も休載、ご容赦願います。

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訃報の二重奏

2006-12-20 17:10:15 | Weblog

新車が入って、ルンルンルン♪

カーオーディを調整したり、今日ばっかりは私にも、つっかえ棒がいるほど浮かれてしまいました。

ところがカーラジオから、青島幸男、岸田今日子……。

両氏の訃報が流れるにおよんで、仰天です……!

お二人とも、まだ70代……。う~ん、絶句です。

よって本日の1枚は休載、衷心より御冥福を祈念致します。合掌。

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モダンジャズ6人衆

2006-12-19 17:14:18 | Weblog

明日は、いよいよ新車が入る予定です♪

ワクワクするなぁ~♪ 初めてのデート前日の気分です。

ということで、本日はモロにジャズな1枚を――

The Modern Jazz Sextet (Norgran / Verve)

ジャズ界で一番有名なグループは、おそらくモダンジャズ・カルテット、通称MJQでしょう。

で、そのメンバーの内の2人が参加したのが、このモダンジャズ・セクステットですが、レギュラーのバンドでは無く、ヴァーヴお得意のジャムセッションから作りあげたアルバムを発売する際に、リアルタイムで人気絶頂だったMJQにあやかろうとした、シャレではないでしょうか? 憎めません。

録音は1956年1月12日、メンバーはディジー・ガレスピー(tp)、ソニー・ステット(as)、ジョン・ルイス(p)、スキーター・ベスト(g)、パーシー・ヒース(b)、チャーリー・パーシップ(ds) という、実は全員が過去に、ディジー・ガレスピーのバンドに雇われていた者ばかりという因縁も楽しいところです――

A-1 Tour De Force
 ディジー・ガレスピーの代表的なオリジナル曲で、「はなれ技」という意味がからして、急速テンポで演じられることもありますが、ここでは1956年というハードバップ期に相応しいネバリのあるテンポとファンキーなムードが横溢しています。
 まずテーマ部分からメリハリのあるユニゾン演奏が素晴らしく、リズム隊はグルーヴィ!
 そしてアドリブに入っては、ソニー・ステットが最初っから大ハッスルの倍テンポ、タメを効かせたキメのフレーズ、さらにツッコミの鋭さで熱気を放ってば、続くディジー・ガレスピーも緩急自在! これぞビバップというエキセントリックな部分を押さえつつ、和み優先のソロが逆に強烈ですし、ここぞっ、で爆発するハイノートとエグイ音選びが最高です♪
 またジョン・ルイスは自分のバンドであるMJQと何ら変わらないマイペースで押し切り、スキーター・ベストは正統派ジャズギターの奥義を聴かせてくれます。う~ん、このセンの細さが、逆にクセになりますねぇ~♪ チャーリー・パーシップのブラシも、良い感じです。
 
A-2 Dizzy Meets Sonny
 タイトルどおり、初っ端からエキセントリックなリフの応酬あってアドリブパートに突入して行く、アップテンポの激烈ハードバップです。
 しかもソニー・ステットが、本性を現したと言うか、何時も以上にチャーリー・パーカー(as) のフレーズとノリを多用しています! なにしろ相手は天才で、ソニー・ステットもその系列にあると断定されることから、普段は意識的にパーカーフレーズを避けようとするのが、ソニー・ステットの個性と良さだったんですが、実はここまでチャーリー・パーカーをやってくれると、逆に凄み満点! 嬉しくなります♪
 その所為でしょうか、ディジー・ガレスピーが、これまた凄く、並外れた全力疾走は痛快です!
 しかし続くジョン・ルイスがオトボケです。多分、意図的でしょうねぇ、ここは聴いてのお楽しみ♪
 そして全体を盛り上げているのが、チャーリー・パーシップの限りなくハードバップなドラムスです。全くここでの頑張りは、セッションが成功した要因でしょう。
 またクライマックスでのディジー&ソニーの掛け合いが、もう最高です♪

B-1 Ballad Medley
 ヴァーヴと言うよりも、このレーべルのプロデューサーであるノーマン・グランツが十八番にしているバラード・メドレーは、セッション参加メンバー各々にスポット当てる好企画です。
 まず最初にソニー・ステットが「Old Folks」を情熱的に吹いてくれますから、否が応でも気分が高揚したところへ、ジョン・ルイスが淡々と「What's New」を弾き、最後にディジー・ガレスピーが「How Deep Is The Ocean」をシミジミモードで演奏するという、和みの3連発♪ 本当にたまりません♪ 特にディジー・ガレスピーはハードボイルド味が強い好演だと思います。

B-2 Mean To Me
 洒落た雰囲気のスタンダード曲が、ここではリラックスしつつもハードバップに解釈されています。まずはテーマ部分でのディジー・ガレスピーとソニー・ステットの絡みからして、ノリが素晴らし過ぎ♪
 もちろんアドリブパートでは、いきなりディジー・ガレスピーが伝家の宝刀というハイノートのツッコミ! そして和みのタメで絶好調ぶりをアピールしていますし、ソニー・ステットも負けじと烈しいソロを聴かせてくれます。あぁ、こんなに痛快なアルトサックスは、ちょっと他では聴けないですねぇ~♪ 意識的に入れてくるチャーリー・パーカー丸コピーのフレーズも、憎めません。
 またジョン・ルイスが、完全にMJQのマナーで快調ですが、実はベースのパーシー・ヒースがMJQでの同僚ですから、さもありなんの楽しさです。

B-3 Blues For Bird
 さてオーラスはタイトルどおり、バードこと、チャーリー・パーカーに捧げたハードバップのブルース大会です。
 なにしろ初っ端からディジー・ガレスピーとソニー・ステットがキメのフレーズで咆哮し、ジョン・ルイスが限りなくブルースにどっぷりなピアノでムードを設定していく展開が、たまりません♪ けっこう哀しい雰囲気です。
 続くスキーター・ベストのギターからも良いブルースのフレーズを連発されますし、ほどよい重さのドラムスとベースが流石だと思います。
 そしてディジー・ガレスピーが、黒いっ! ニューオリンズ系の味で迫れば、リズム隊が瞬間的にそれに合わせるというあたりも最高です。
 さらにソニー・ステットが、ここでも意識的にチャーリー・パーカーの役を演じてくれますから、例えそれがデッドコピーだとしても、素直に感動して、許されるでしょう。やっぱりジャズは最高です♪

ということで、単なるリラックスしたジャムセッションでは無く、これは間違い無くハードバップの名盤です。特に力強いビートを送り出すチャーリー・パーシップの頑張りは、特筆されるべきでしょう。

また、ちょっと違和感があるようなジョン・ルイスの存在が、逆に印象的ですし、地味なスキーター・ベストが意外に良いです!

もちろんソニー・ステットとディジー・ガレスピーが主役ではありますが、こういう脇役を選んで使うあたりに、プロデューサーのノーマン・グランツの手腕を感じてしまうのでした。

ジャズらしいジャズとして、絶対のオススメ盤ですよ♪

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決意表明

2006-12-18 18:23:08 | Weblog

ブログ不調のため、本日も休載です。

その代わりというか、メインサイト「サイケおやじ館」の更新作業に力いれます。

「野良猫ロック」とか日活ニューアクションは、やっぱり素敵!

自分の感性にジャストミートの世界ですし、渡哲也のヤクザ映画も、メタメタで最高!

ロマンポルノも含めて、よろしかったら遊びにきて下さいませ。

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予定通りに行かないのが世の中

2006-12-17 17:45:43 | Weblog

新車のコーティングが乾かずに、カーオーディの取り付けが明日に延期!

世の中、上手くいかないもんです。

昨夜の宴会も疲れきったので、会場ロビーで世界ファギアスケートを観ていましたが、女子は本当に素敵ですねっ♪

夢中になって観ていて、フッと気がついたら、周りに人が大勢いました。

結局、皆、宴会よりも浅田真央が好きなんですよねっ♪ はっはっはっ♪

ということで、本日はハッスルしていこうと思いつつ、仕事の急用とか、野暮用、そして夜の宴会に出なければなりません。2日続きで本日の1枚、休載させて下さい。

明日こそ、予定どおりに事が運ぶように、願うだけです……。

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はっきり言って宴会が苦痛

2006-12-16 18:01:06 | Weblog

昼から夜まで、宴会の三連発で疲れきっています。

これも仕事の内なのか、人間関係で仕事をしているわけじゃ無いと思いつつ……。

というわけで、本日の1枚は休ませて下さい。

これからの宴会では芸もやらなければならないし、酒を飲んでも酔わない自分が恨めしい……。

ウーロン茶で酔ったふりというか、気分だけはハイテンションにしないと場がシラケますからねぇ……。今日はブルース弾いて、早く帰ろう!

ビンゴ大会の商品出したんだから、許してもらえるでしょうと、甘い考えで行きます。

 

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恋は悲しきもの

2006-12-15 17:13:32 | Rock

ちょっと古い話になりましたが、先週の土曜日、エリック・クラプトンの来日公演に行ってきました。

毎回、これで最後の来日! とか呼び屋がウリにするんで、最初は今更何の食指も動かなかったんですが、何と今回のバンドメンバーにはデレク・トラックスという若手の凄腕ギタリストが入っているのを知って仰天! 速攻でチケット手配したら、どうにか追加公演の最終日をゲット出来たというわけです。

で、結論から言うと、凄かったです。

もうひとり、ギタリストが加わった、所謂トリプルギター編成で、1970年代のノリが見事に再現されていました。それはスバリ、デレク&ドミノス再現ステージ♪

なにせ演目が――

01 Tell The Truth
02 Key To The Highway
03 Got To Get BetterIn A Little While
04 Little Wing
05 Why Does Love Got To Be So Sad ?
06 Rambling On My Mind
07 Outside Woman Blues
08 Nobody Knows You When You're Down And Out
09 Running On Faith
10 Motherless Children
11 Little Queen Of Spades
12 Anyday
13 Wonderful Tonight
14 Layla
15 Cocaine
Encore - Crossroads

どうです!? 眩暈してくるでしょう♪

特に、ド頭から5曲目の「恋は悲しきもの」までは、完全にデレク&ドミノス再現ライブというか、往年のアレンジを使って、なかなか良い感じ! もちろんデュアン・オールマンの役はデレク・トラックスが務めるんですから、期待どおりでした。

ちなみにこの人は、現在でも伝統芸能路線でライブを続けているオールマン・ブラザーズ・バンドで活躍して注目された、バリバリの俊英ギタリストで、その切れ味鋭いスライドギターは、もちろんデュアン・オールマンには叶いませんが、現代最高の輝きだと思います。

また中盤はアンプラグドのコーナーで息抜き♪ 個人的には「Running On Faith」がミーハーで泣けました♪

そして後半は大ヒット曲も交えた「お約束」の展開ながら、前半で押されていたクラプトン御大が奇跡の復活というか、爆発的なギターソロを聴かせてくれて、貫禄を見せつけてくれました。

しかも、ほとんどやったことが無いと思われる「Anyday」が出たのには、仰天!

まあ、その後の「Wonderful Tonight」や「Cocaine」は耳タコなんで、勘弁して欲しかったです。それよりもブルース曲を、もっとやってよねっ! 物足りんっ!

とは言え、前半の突っ走りが痛快だったんで、許します。

きっと、近々、ブートが出るでしょうから、ライブに行けなかった皆様も、機会があれば聴いてみて下さいませ。エリック・クラプトンは、まだまだ、枯れていないようです。

ということで、最後になりましたが、このライブを懐かしんで、これを聴いています――

Layla & Other Assorted Love Songs / Derek & The Dominos (Polydor)

A-1 I Looked Away 
A-2 Bell Bottom Blues 
A-3 Keep On Growing 
A-4 Nobody Knows You When You're Down And Out 
B-1 I Am Yours 
B-2 Anyday 
B-3 Key To The Highway 
C-1 Tell The Truth 
C-2 Why Does Love Got To Be So Sad ? 
C-3 Have You Ever Loved A Woman 
D-1 Little Wing 
D-2 It's Too Late 
D-3 Layla 
D-4 Thorn Tree In The Garden

説明不要の大名盤ですねっ♪ ロックに興味のある人ならば、必聴の1枚です。

特に「Have You Ever Loved A Woman」は、親友の妻を好きになった男の苦悩という歌詞の内容が、そのまんま、当時のエリック・クラプトンとジョージ・ハリスン、その妻パティの関係をリアルに歌い上げてしまった名曲・名演で、本当に失意と苦悩が滲み出たギターソロ! それを強引に押し潰すデュアン・オールマンという、烈しくも悲しいブルースが、これでもかと展開されています!

あぁ、説明不要でしたねぇ……。

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ストーンズ最強ライブ

2006-12-14 17:02:54 | Weblog

いよいよ新車が到着♪

今、塗装のコーティング中ですが、カーオーディオの取り付けが日曜日ということで、今週末はワクワクです。

そして、高揚する気分そのまんまに、本日は私だけの愛聴盤を――

An American Affair / The Rolling Stones (Vinyl Gang)
  

01 Brown Sugar
02 Bitch
03 Rocks Off
04 Gimme Shelter
05 Happy
06 Tumbling Dice
07 Love In Vain
08 Sweet Virginia
09 You Can't Always Get What You Want
10 All Down The Line
11 Midnight Rambler
12 Band Introduction
13 Bye Bye Johnny
14 Rip This Joint
15 Jumpin' Jack Flash
16 Street Fighting Man

実は海賊盤、ブートです。

内容は1972年の北米巡業より、7月22日のショウをライン音源からCD化したものですが、はっきり言って、音はこもり気味です。しかも一部には他の日の音源も入っているという説もありますが、これが私的には最高に爽快です。

なにせステレオ録音になっていますし、右からはヘタクソだけどロック魂が満点のキース・リチャーズ、左からは流麗なミック・テイラーのギターが存分に聴かれますから♪

特にミック・テイラーが、凄いですよ! まさにストーンズのライブ最強時代を証明しています。

もちろんミック・ジャガーのボーカルは恐いもの知らずの勢いがありますし、ビル・ワイマン&チャーリ・ワッツのリズム隊も、かなり危なっかしいキース・リチャーズのリズムギターを絶妙にサポートして、ストーンズならではのポリリズムを生み出しています。轟音のようなホーンセクションも、かえって良い感じ♪

まず、ド頭「Brown Sugar」におけるミック・テイラーのリードギターは流れるような美メロばっかりを、ハイテンションに弾きまくり! チューニングから続く「Bitch」でも、イントロから完全にノリまくって、キース・リチャーズを盛り立てていきます!

そのキース・リチャーズも熱演で、自らの出番という「Happy」の歌とリズムギターは、自分流のゴリ押しが痛快です。また「Bye Bye Johnny」におけるチャック・ベリー直系のスタイルは、俺でも出来る! という人が続出の気配なんですが、いやいや、これはキース・リチャーズだけに許される専売特許でしょうねぇ~♪ 助け船を出しまくりのミック・テイラーは、やっぱり凄いです。

さらに同系統の名曲「Rip This Joint」での弾けっぷりにも、ゾクゾクさせられます。これこそR&Rです! ホビー・キースのテナーサックスも最高!

そして極みつきが「All Down The Line」の爆裂スライドギターで、まさにミック・テイラー、ここに有り! という大熱演です♪ レスポールの音丸出しなのも素敵なところですし、必死の形相というキース・リチャーズのリズムギターも、ロック魂全開でしょう。こんな生ライブを体験したら、歓喜悶絶、その場で昇天の一撃に違いありません!

おまけにストーンズ流儀のブルースロック「Midnight Rambler」の恐さと凄さは絶品で、キース・リチャーズのリズムギターが荒々しく、ミック・テイラーのリードギターはヌメヌメとした色気とスバッと切り込む潔さが素晴らしいです。ミック・ジャガーのハーモニカとのコントラストも、本当に良いですねぇ~♪

もう、この他も含めて、全部が最高なんですが、音がそれなりなんで、最近の綺麗なライン録音ばかり聴いている海賊盤初心者にはオススメ出来ません。実際、音はヨレるし、ボーカルはオフ気味だし……。

それでもクライマックスの「Jumpin' Jack Flash」なんか、キース・リチャーズのリフに対抗するミック・テイラーがいろんなフレーズを出しまくり、おまけにタガが外れたような妙なリズムギターまで演じてくれるんで、眩暈がしてきます。

ちなみに、このCD「An American Affair」は廃盤ですが、リマスターされて少し聴き易くなったのが<、同じ業者が作っている「The Royal Dragon」というブツです(右のジャケ写)。まあ、それでも初心者にはオススメできませんし、個人的には、やはりオリジナル盤の音に愛着があります。

ということで、これだからストーンズは止められない♪

という心情吐露で、今日は終りに致します。失礼しました。

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ピーターソンの日常はブルースか?

2006-12-13 17:42:53 | Weblog

最近、宴会が苦痛です。

酒に酔わないので、開き直ってウーロン茶を飲んでますし、これだと帰りの車も安心とは言いながら、気を使ったり、間が空いたりするのが恐い雰囲気で……。

疲れるなぁ……。

今日も、これから宴会に出ますけど、早くフェ~ドアウトして買ってあるDVDを観たいもんだと、願っています。

ということで、本日の1枚はリラックスして尚且つ凄い、これを――

The Sound Of The Trio / Oscar Peterson (Verve)

オスカー・ピータソンは偉大なピアニストであり、けっして手抜きをしない名人だと思います。実際、私がこれまでに行った4回のライブそれぞれが物凄い熱演で、本当に一生懸命に生真面目な人だなぁ~♪ と演奏そのものよりも、そういう巨匠のステージマナーに感激したほどです。

これは多分、スタジオでの録音セッションでもリハーサルでも、はたまた個人の練習でも、きっと、同じだと思います。

しかし、お客さんを前にすると、一層、熱が入るのは言わずもがなでしょう。ジャズは「生」が良いと言う点を除いても、オスカー・ピーターソンのライブ盤は傑作ばかりです。

中でもこのアルバムは、1961年7月に録音された、所謂黄金のトリオによる大名盤! つまりメンバーはオスカー・ピーターソン(p)、レイ・ブラウン(b)、エド・シグペン(ds) という、今では伝説のトリオによるものです――

A-1 Tricrotisn (1961年7月29日録音)
 モダンジャズ初期に活躍したベースの巨匠=オスカー・ペティフォードのオリジナル曲、ということは、その直系というスタイルのレイ・ブラウンをフィーチャーする目論見がモロですが、期待どおりの凄い演奏が展開されています。
 まずオスカー・ピーターソンのピアノとレイ・ブラウンのベースが幾何学的なテーマで絡み合い、そこに絶妙のサポートを入れるエド・シグペンのブラシが完璧です!
 そしてアドリブパートでは快適な4ビートになり、何気ないふうに凄い演奏が、至極当たり前に展開されるのですから、驚異です。ここは熱心に聴き入らずとも、本当に圧倒されてしまいますねぇ~♪ エド・シグペンのスティックによるシンバルワークも、良い感じです。
 ちなみに、このライブセッションが行われた「ロンドンハウス」という店は、ライブハウスというよりもレストランで、肉料理が看板だったとか♪ その所為か、演奏といっしょに、お客さんの食器が触合う音も同時に録音されていますが、こんな演奏が展開されていては、食事の味も分からなくなるのでは……? 否、いっそう旨くなるのでしょうか♪
 で、肝心の黄金のトリオは、レイ・ブラウンの繊細で豪胆なベースソロが、やっぱり素晴らしく、後を受けたオスカー・ピータソンが負けじとグイグイ盛り上げていく後半が、何度聴いても圧巻です。ジビジビの呻き声も憎めませんねっ♪

A-2 On Green Dolphin Street (1961年7月29日録音)
 モダンジャズでは幾多の名演が残されているスタンダード曲ですが、もちろん黄金のトリオは臆する事無く、素晴らしいバージョンを聴かせてくれます。
 それはまず、オスカー・ピーターソンがリードするクラシック風の出だしから、豪快なテーマの変奏と思わせぶりなアレンジの妙が印象的です。もちろんアドリブパートへの持って行き方は、3人の名人ならではの上手さが存分に発揮された、全く余人の真似出来る境地ではありません。無駄な音がひとつも無い感じです。
 ベースとドラムスはオスカー・ピーターソンの手の内を完全に読みきったサポートでありながら、ワザとらしいところが無く、当に黄金のトリオは、どこまでもグルーヴィにジャズの楽しさを撒き散らしていくのでした。

B-1 Thag's Dance (1961年7月29日録音)
 オスカー・ピーターソンのオリジナル曲で、ドラムスのエド・シグペンが主役となるように設定されています。
 もちろん名人ドラマーは期待を裏切ることなく、スピード感満点のブラシで至芸をたっぶりと聴かせてくれますし、何よりもオスカー・ピーターソンの強烈なピアノを逆に引張る恐ろしさ! つられてハッスルしてしまうレイ・ブラウンも最高です。
 そしてクライマックスはエド・シグペンの猛烈なドラムソロ!

B-2 Ill Wind (1961年7月29日録音)
 スローな展開でオスカー・ピーターソンの物凄さが存分に味わえるスタンダード曲です。
 それは両手をフルに使った無伴奏ピアノソロから、ベースとドラムスが入って、お馴染みのテーマが提示された瞬間、ザワザワしていた観客が思わず拍手してしまうという、これぞジャズ♪ う~ん、このオスカー・ピーターソンの和みと凄みには唸る他はありません。ほどよい黒さが、良いんですねぇ♪

B-3 Kadota's Blues (1961年7月28日録音)
 オーラスはファンキーなブルースで、なんと11分を超える熱演が展開されます。
 オスカー・ピーターソンはジンワリとアドリブを始めますが、ジビジビと呻きながら、徐々に熱いフレーズと繰り出しつつ、ブルースの奥義を求めて暗中模索する雰囲気で、ジワジワとクライマックスを築いていくのです。
 もちろん指が動いて止まらない部分と独特のネバリが融合した強烈なスイング感は神業、というよりもオスカー・ピーターソンのブルースな日常なんでしょうねぇ♪
 レイ・ブラウンとエド・シグペンも観念したかのような付き合い方なんですが、そこは名人の2人ですから、じっくり構えて余裕の技を聴かせてくれます。

ということで、数多有るオスカー・ピーターソンのアルバムの中では当たり前過ぎる出来かもしれませんが、これほど密度の濃いピアノトリオは、滅多にあるもんじゃ無いと思います。

そしてこれが日常だったのは、黄金のトリオゆえのことでしょう。

ちなみにこの時のセッシッョンからは、他に数枚のアルバムが作られていますが、カスがひとつも無いのは言わずもがな♪ 集大成的な5枚組のCDセットが出たのは嬉しいところでした。

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同郷ジャム

2006-12-12 18:11:27 | Weblog

今朝は仕事に向かう途中、車で黒猫をはねた!

と思いきや大きなヌイグルミでした。

う~ん、ホッとしたんですが、それにしても道路に紛らわしいものを置いたのは誰だっ!

ということで、本日は――

Down Home Reunion (United Artists)

大人数が参加したジャムセッション盤は、様々な味のミュージシャンが一度に楽しめる幕の内弁当のような楽しみがありますが、アルバムとして、ちゃんと纏まりをつけた作品は案外少ないと思われます。

結果的にアルバムになるのは、LPという長時間録音&再生が可能なメディアとしての利用価値が優先されたに過ぎないのではないでしょうか。

しかし、このアルバムは「Young Men From Memphis」とサブタイトルが付けられているように、最初っからきちんと企画されて作られたのでしょう。実際に参加したのは、メンフィス出身でバリバリの若手達です。

録音は1959年、メンバーはブッカー・リトル(tp)、ルイ・スミス(tp)、フランク・ストロジャー(as)、ジョージ・コールマン(ts)、フィニアス・ニューボーン(p)、カルビン・ニューボーン(g)、ジョージ・ジョイナー(b)、チャールス・クロスビー(ds) という、豪華な面々です。

ちなみにフィニアス&カルビンのニューボーン兄弟の父親は、メンフィスでは有名なR&B楽団を運営しており、彼等兄弟に加えて、ジョージ・コールマンやジョージ・ジョイナー、チャールス・クロスビーがレギュラーとして活躍していたそうですが、その面々は後に大物ブルースマン=B.B.キングのバンドメンバーに横滑りしてメンフィスを去り、モダンジャズを志してニューヨークに流れ着いたという、サイドストーリーがあるようです。

またルイ・スミスは、この当時、半ば引退していたようですが、このアルバムのプロデューサーであるトム・ウィルソンとはデビュー盤(トランジション→ブルーノート)製作時からの仲とあって、引っ張り出された格好です。

そして注目のブッカー・リトルと白人のフランク・ストロジャーは、トム・ウィルソンが大いに売り出そうとしていた新進気鋭でした――

A-1 Things Ain't What They Used To Be
 ブルースっぽくて和みのある、デューク・エリントン楽団の定番レパートリーで、モダンジャズでも多くのミュージシャンが演奏している名曲です。
 ここではミディアムテンポで雰囲気のある合奏からジョージ・ジョイナーのベースが巧みなブレイクを聴かせ、フランク・ストロジャーがリードするテーマが、ジャズのムードを否が応でも盛り上げてしまいます。
 そして、そのまんまアドリブパートに突入すれば、とても白人とは思えない黒っぽさと艶やか音色が魅力満点♪ 鋭いツッコミに絶妙の「泣き」もあって、本当に素晴らしいですねぇ~♪ バックをつけるリズム隊ではニューボーン兄弟の活躍が光ます。
 続くトランペットはブッカー・リトルで、持ち前のスピード&マイナースケールの得意技を披露! バトンを受けたジョージ・コールマンはソフトな黒っぽさで正統派の貫禄を見せつけます。
 またお目当てのルイ・スミスは、クリフォード・ブラウン直系という、相変わらずの実力者ぶりで流石です。
 リズム隊ではカルビン・ニューボーンのギターソロに編集疑惑があるものの、ジョージ・ジョイナーの強靭なベースとフィニアス・ニューボーンの恐いピアノが、シンプルな凄みを発揮しています。

A-2 Blue'N Boogie
 一転して早いテンポのハードバップで、ブルース進行でアドリブの腕を競い合う趣向になっています。
 それはまずフランク・ストロジャーが流麗なフレーズを駆使して先陣を切り、続くブッカー・リトルは垂れ流し寸前のスケール練習気味ではありますが、その独自のマイナー感覚が、ここでも冴えています。
 またジョージ・コールマンは、後に参加したマイルス・デイビスのバンド時代のようなモード感覚までも入れて熱演ですが、やや消化不良……。
 しかし続くルイ・スミスが物凄い快演で、その歌心、スピード感は爽快ですが、ソロの時間が短いのが残念無念です。
 気になるリズム隊はジョージ・ジョイナーがバックでも唯我独尊の暴れで存在感がありますし、フィニアス・ニューボーンは何時もながらの弾けっぷり♪

B-1 After Hours
 このアルバムの目玉演奏にして、モダンジャズの歴史に残る名演だと思います。
 素材はスローなブルースで、リズム隊だけの演奏ですが、本当に素晴らしいの一言! 主役はもちろんフィニアス・ニューボーンのピアノですが、ジョージ・ジョイナーの軋むベース、味のあるカルビン・ニューボーンのギターが絶妙の味をつけています。またドラムスのチャールス・クロスビーも余計な手出しをしない上手さがありますねぇ。
 ちなみにこの曲はフィニアス・ニューボーンの十八番なんでしょう、ロイ・ヘインズのリーダー盤「ウイ・スリー(Prestige)」でもピアノトリオによる名演を残していますので、聴き比べも楽しいところですが、個人的には、ギターが入っているがゆえに、こちらのバージョンが好みです。何度聴いても飽きません♪

B-2 Star Eyes
 天才アルトサックス奏者のチャーリー・パーカーが十八番にしていたスタンダート曲ということで、ここではフランク・ストロジャーとリズム隊だけのワンホーン演奏になっていますが、これも素晴らしい♪
 ラテンリズムのテーマからフランク・ストロジャーが思わせぶりの吹奏で、4ビートに転じてからも、粋なメロディフェイクでワクワクさせてくれます。
 もちろんアドリブパートも快演ですが、随所に新しい感覚と鋭いツッコミを入れて聴かせる情熱の吐露は、間違いなくマニア心を刺激されます。
 またフィニアス・ニューボーンは、派手さよりも堅実さで勝負している印象で、その綺麗なタッチが魅力絶大ですねぇ♪ それにしてもバカテクの人が、こういう落ち着いたところを聴かせると、凄みがますます強くなるんですねぇ。
 さらにジョージ・ジョイナー! お前は何故に、そんなに暴れるんだ!

ということで、派手でシブイ、クールが熱いという名盤だと思います。

特に繰り返しますがB面ド頭の「After Hours」は素晴らしすぎ♪ 一端虜になると、抜け出すのに苦労します。実際、私はCDならではのリピート機能で、延々と鳴らし続ける事も度々です。

また参加メンバー各々については、後に明暗を分けた人生模様が綴られていますが、とにかくここでは全員が熱演ですから、まさに一期一会を楽しむ機会として、リスナーは素直に聴く他はありませんですね。

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