OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

怠惰に聴く

2006-12-02 18:22:51 | Weblog

任天堂の新ゲーム機をプレイしたら、肩が痛くなってきました。

全身運動にもなるという、まあ画期的なものかもしれませんが……。

ということで、午後からは怠惰にワインをがぶ飲みしつつ、こんなブツを聴きました――

Donald Byrd Au Chat Qui Peche (Jazz O.P. / Fresh Sound)

正統派ハードバップから、後年はブラックファンクまで、とにかく黒くて熱く、そしてどこから知的な演奏を得意としたトランペッターのドナルド・バードが、1958年に敢行したフランス巡業で録音された音源です。

もちろんオフィシャルなものではないでしょう。クラブでのライブセッションですから、ジャケ写のような狭いステージでは、音質はそれなりです。

ちなみに、これは以前、アナログ盤LP2枚組として発売されていたもののCD復刻なので、リマスターに期待していたのですが……。

録音は1958年10月29日、メンバーはドナルド・バード(tp)、ボビー・ジャスパー(ts,fl)、ウォルター・デイビス(b)、ダグ・ワトキンス(b)、アート・テイラー(ds) という物凄さ! 演目は以下のとおりです――

01 All The Things You Are
02 It Might As Well Be Spring
03 Parisian Thoroughfare
04 My Funny Valentine
05 Off Minor
06 Down
07 All This Time
08 Stella By Starlight
09 52nd Street Theme

さて、同時期のドナルド・バードの演奏は、既にパリでのライブ盤が残されていますが、それは若干、ヨソ行きの雰囲気がありました。つまり無難な雰囲気が濃厚だと、私は感じています。

ところがこの音源は、狭い小屋ということもありましょうが、リラックスしすぎてダレる寸前の演奏ばかりです。

初っ端の音合わせから何気なくスタートする「All The Things You Are」から、その雰囲気は満点で、ドナルド・バードのトランペットは何時もの溌剌としたものよりも、気安い仲間との会話のような、安心があります。

しかも録音がリズム隊中心に録れているので、如何にもというグルーヴが心地良く、クセになります。店内のザワメキとか会話のアレコレも妙に雰囲気があります♪

そして実は、私のお目当てはベルギー人のボビー・ジャスパーなんですが、そのズート・シムズ系のテナーサックスは、ここでも緩やかな熱気をはらんで健闘しています。ただし、どこかネジが弛んでいるというか、ぬるま湯なんですねぇ~。

まあ、こういう演奏が最後まで続きます。間違っても熱気ムンムンのライブを期待してはなりません。

ウォルター・デイビスなんか、もう、流れに逆らわない演奏に終始しているほどです。

ですから、万人にはオススメ出来ませんが、これも不思議な魅力溢れる1枚ということで、ご紹介致しました。

コメント
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