OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

転石音盤史の更新完了

2008-02-19 17:03:36 | Weblog

ということで、やっぱり私はストーンズが好きです。

という愛の告白♪

http://www12.ocn.ne.jp/~nacky/stones/stones32.html

これを観て、泣きました。

60年代ロック、万歳です。

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日活モードの名曲「New Delhi」♪

2008-02-18 16:36:12 | Jazz

関係者の通夜に列席のため喪服を出したら、ポケットから五千円札を発見♪ もちろんこれは私の物に違いないけれど、なんか他人の葬儀のおかげでラッキーな気分になるのは不条理か……!?

まあ、それはそれとして、本日は――

A Double Dose Of Soul / James Clay (Riverside)

ジェームス・クレイはダラス生まれの黒人サックス奏者ということで、その演奏スタイルは所謂テキサステナー♪ しかし1950年代に活動していた所が西海岸ということで、必ずしもコテコテ派ではありません。むしろ正統派ハードバップの中にスッキリした味わいが魅力です。

そのあたりは超幻の名盤とされた「テナーマン(Jazz West)」での快演で証明済みですから、凄い共演者に囲まれたこの作品でも変わらないはずですが……。

結論から言うと、やや物足りません。

ところが前述したように、共演者の魅力が、そのまんま、このアルバムのウリになっていますし、1曲だけ、私的には大好きな名演が入っているのです。

録音は1960年10月11日、メンバーはジェームス・クレイ(ts.fl) 以下、ビクター・フェルドマン(vib)、ジーン・ハリス(p)、サム・ジョーンズ(b)、ルイス・ヘイズ(ds) という強力な面々で、さらに曲によってナット・アダレー(cor) が加わっています――

A-1 New Delhi
 ビクター・フェルドマンが書いた哀愁モードたっぷりの隠れ名曲♪ ジェームス・クレイはフルートでじっくりとテーマメロディを吹奏した後、ジンワリとアドリブに入っていきますが、その雰囲気は最高で、ちょっと日活ニューアクションか大野雄二あたりがやりそうな、せつなく甘いハードボイルド味がたまりません。
 続くビクター・フェルドマンのヴァイブラフォンもクールな歌心を存分に聞かせてくれますし、リバーサイドでは珍しいジーン・ハリスの参加も、ブルーノートでのセッション同様にリラックスした黒っぽさを発散しています♪
 またルイス・ヘイズのブラシがハードバップしていますし、サム・ジョーンズの硬派なベースワークも演奏全体をしっかりとコントロールしていると思います。
 あぁ、何度聞いても、実に味わい深い演奏です。

A-2 I Remember You
 アップテンポで演じられる有名スタンダード曲という趣向で、ジェームス・クレイはフルートで熱演ですが、やや個性が稀薄です。というよりも、フルートという楽器は個性が出しにくいのかもしれませんねぇ。
 しかし、ここでは共演陣が素晴らしいかぎりで、気持ちの良いブラシのルイス・ヘイズ、唯我独尊の4ビートに撤するサム・ジョーンズ、スピード感満点のビクター・フェルドマン、スインギーなジーン・ハリス! ですから主役のジェームス・クレイもなかなか熱くなっているのですが……。

A-3 Come Rain Or Come Shine
 今度はテナーサックスでスタンダード曲を吹奏するジェームス・クレイという、ハードバップ王道路線が楽しめますが、アドリブパートで初っ端からハッスルしすぎるナット・アダレーが、些か笑えます。なんか、せつかく良い雰囲気だったテーマの演奏が……。それゆえジェームス・クレイも、ちょいとペースを掴みそこなった感じが濃厚です。
 しかしリズム隊は素晴らしい存在感で、熱血のジーン・ハリス、グイノリのドラムス&ベースはゴスペル味まで醸し出す熱演です。

B-1 Pockets
 サム・ジョーンズの強靭なベースが終始、演奏全体をリードするクールで熱いバードバップ! ナット・アダレーはミュートでマイルス風味を漂わせれば、ジェームス・クレイはブルースを新鮮な解釈で聞かせようと奮闘しています。
 しかしここでも目立つのは素晴らしいリズム隊の存在感で、ミディアムテンポのグルーヴィな雰囲気に加えて、1960年代らしいドライなスイング感が絶妙だと思います。
 そしてジーン・ハリスが、やっぱり最高なのでした。

B-2 Pavanne
 これまたビクター・フェルドマンが書いた味わい深い名曲で、ジェームス・クレイがフルートでリリカルなテーマを吹いてくれるだけで満足の演奏なんですが、アドリブパートに入るとリズム隊が突如として力強いグルーヴを送り出してきますから、たまりません。
 ジェームス・クレイは渾身のフレーズを積み重ね、ちょっとハスキーな音色の妙技と息遣いも冴え渡りの名演です。
 さらにビクター・フェルドマンの奥深い歌心、ジーン・ハリスの熱い伴奏、クールに構えたベース&ドラムスの潔さと、まさに隠れ名演の条件が揃っていますねぇ。本当に、グッときます♪

B-3 Linda Serkene
 短いながも温か味のあるモダンジャズの、これも隠れ名曲かもしれません。ジェームス・クレイのテナーサックスも味わい深く、控えめなリズム隊とのコラボレーションも良い感じです。
 またナット・アダレーがアート・ファーマーっぽいアプローチから、十八番の力一杯モードに入るあたりも憎めませんし、もちろんジーン・ハリスは熱血です。

B-4 Lost Tears
 オーラスは、ちょっと思わせぶりなスロー曲で、如何にも新時代に相応しい展開かもしれませんが、肝心のジェームス・クレイが煮えきりません。なんかウェイン・ショーターに成り損ねたような……。う~ん、ちょっと残念……。

ということで、個人的には圧倒的にA面ド頭の「New Delhi」にシビレまくっているアルバムです。ちなみにCDには別テイクが入っているので、それを聞きたくて紙ジャケ仕様のCDまでゲットしたほどです。まあ、私有のアナログLPは盤質がイマイチなんで、納得もしておりますが……。

そしてジェームス・クレイは、このアルバム録音からほどなくしてレイ・チャールズ楽団に入り、ジャズから足を洗っているそうです。しかしこの「New Delhi」を残してくれた事で、私は感謝しているのでした。

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本日の言い訳

2008-02-17 16:58:16 | Weblog

PCの具合が最悪になってきました。

長い文章が打てないのよねぇ~~。

で、次世代規格がブルーレイに本決まりになったこともあって、東芝のダイナブックを狙っていたら、なんか買えなくなって……。

多分、これまでの製品は大幅に値下げになりそうですけどねぇ。

ということで、本日はギブアップです。

 

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ブリブリのライブ!

2008-02-16 18:25:01 | Jazz

寒波の所為か、葬式が増えているような気がします。

そして自分自身も、些か疲れ気味……。

ということで、エネルギー満タンのアルバムを出してみました――

Charles Mingus At Antibes (Atlantic)

ジャズ界で最も武闘派といえば、おそらくはチャールス・ミンガス親分が率いるバンドかもしれません。その歴代メンバーは、いずれも硬派でイケイケの面々ばかりですが、特に脂っこい集団だったのがエリック・ドルフィーが在団していた時期だと思います。

というか、エリック・ドルフィーという超絶の個性派が居たおかけで、ミンガス親分も引くに引けない状態だったのかもしれません。

で、このアルバムは、そんな時期のステージを発掘したライブ盤で、録音は1960年7月13日、フランスはアンチーヴジャズ祭でのステージから、メンバーはテッド・カーソン(tp)、エリック・ドルフィー(as,bcl)、ブッカー・アーヴィン(ts)、チャールス・ミンガス(b,p)、ダニー・リッチモンド(ds) というレギュラーメンバーに、1曲だけですが、バド・パウエル(p) が客演♪ ちなみに発売されたのは1976年頃だったと記憶しています――

A-1 Wednesday Night Prayer Meeting / 水曜の夜の祈りの集会
 タイトルどおり、ゴスペル味が濃厚な曲ですが、それにしてもバンドが一丸となったイケイケの姿勢は強烈無比! 蠢くようなチャールス・ミンガスのベースに導かれ、ザワザワしたテーマからテッド・カーソンがツッコミ鋭いアドリブソロを聞かせれば、続くブッカー・アーヴィンはバックのホーンリフを潜り抜けながら脂ぎった存在感を示します。
 しかし圧巻はエリック・ドルフィーの熱血アルトサックスです! ミンガス親分か、誰かの掛声も関係なく、ひたすらに突進しては舞い上がって地獄に急降下する恐ろしさ! 手拍子をバックに無伴奏で吹きまくったり、あるいはダニー・リッチモンドの怒りのドランミングと烈しく対峙しながら、人生最良の一瞬を謳歌するような歓喜悶絶のアドリブには、観客からも思わず拍手が沸きあがるのでした。

A-2 Player For Passive Resistance
 これまたゴスペルとブルースがゴッタ煮となった熱い演奏で、主役はブッカー・アーヴィンながら、随所に凝った音楽的な彩りが添えられて飽きません。
 グイノリのベースとドラムスも気持ち良く、もちろんミンガス親分のベースが勝手にリズム&ビートを変化させ、バンドメンバーが必死に追いかける仕掛けもブッカー・アーヴィンには通用せず、圧倒的に思い込んで吹きまくる潔さが全てかもしれません。

B-1 What Love ?
 このライブの約7ヶ月後に吹き込まれたセッションから「ミンガス・ブレゼンツ・ミンガス(Candid)」というアルバムに収録された演奏が、歴史的名演とされる曲の、これが多分、初演バージョンになるのでしょうか?
 前述のセッションではミンガス親分とエリック・ドルフィーが楽器で会話したという伝説が名演と呼ばれる所以でしたが、ほんまにそうかいな!? なんでもバンドを辞めたいエリック・ドルフィーを親分が慰留する話だそうですが……。私にはさっぱり分かりませんでした。
 で、ここでの演奏は、かなり哀愁が入ったスローな展開で、個人的にはあまり好きではありません。各メンバーのアドリブも中途半端なフリースタイルですし……。ただし、けっこう計算された山場が用意されているのですねぇ。テッド・カーソンが良い味を出しています。
 そしてミンガス親分のベースソロからエリック・ドルフィーのバスクラが暗く咆哮して、例のキャンディド盤の前触れのような展開になるのですが、やはりライブとあって、聴衆を蔑ろにしていない分だけ、好感が持てるのでした。

C-1 I'll Remember April
 ジャズでは定番の有名曲の演奏で、バド・パウエルがゲスト参加♪ それゆえに和みと緊張感が並立した仕上がりです。アグレッシブなアレンジが効果的なテーマ部分からして、実に良い雰囲気です。
 そして一番手として登場するバド・パウエルが、この時期としては快調なアドリブを聞かせてくれます。実はこの演奏だけが映像として残されており、それはエリック・ドルィーの映像発掘DVDで近年出回っておりますが、全く鍵盤を見ないで虚空を仰ぎつつピアノを弾きまくる姿には、圧倒されましたですね。
 また同じ映像を観て仰天したのが、ブッカー・アーヴィンがほとんど動かないでテナーサックスを吹いている姿でした。

D-1 Folk Forms 1
 これまた熱い演奏で、ミンガス親分の豪放で我侭なベースが存分に楽しめます。そしてバンドメンバーが、それを土台として縦横無尽に暴れるという素晴らしさ! ほとんど集団即興演奏というテーマからの展開はスリリングで、限りなくフリーに近く、それでいて分かり易いんですねぇ♪
 いかにもモダンジャズ、硬派なジャズの面目が保たれた仕上がりだと思いますが、ちゃ~んと聞かせる音楽になってますよ。

D-2 Better Git Hit In Your Soul
 これもブルースとゴスペルがゴッタ煮のチャンコ味! テーマ演奏の通俗性が宗教色と対極にあっての馴染方が最高ですし、アドリブパートのスピード感、合の手と掛声、ホーンの蠢きとリフのコール&レスポンスが熱気満点です。
 アドリブソロではテッド・カーソンが熱に浮かされたような素晴らしさ♪ ダニー・リッチモンドのドラミングも恐く、手拍子足拍子からブッカー・アーヴィンの火の出るようなテナーサックス、さらにエキセントリックでウネリまくりのエリック・ドルフィーは、あぁ、これじゃ若死にも……。烈しいです!

ということで、一部はリアルタイムでも出ていた音源らしいのですが、こうして纏めて聴ける幸せは、圧倒的なステージの記録としても貴重です。前述したように映像も残されているようですから、いずれはその全てが公開されることを願っています。

とにかくド頭の「Wednesday Night Prayer Meeting」から圧巻のライブを、ぜひっ! ただし発狂注意です。

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バリトンライブ

2008-02-15 17:58:33 | Jazz

自分の信義を踏みにじられたような日でした。

まさか法律の解釈を運・不運で論じられるとは……。

ということで、本日はスカッとしたいので――

10 To 4 At The 5 Spot / Pepper Adams (Riverside)

モダンジャズのバリトンサックス奏者といえば、まずジェリー・マリガンが第一人者かもしれませんが、確かに流麗で歌心満点のスタイルは魅力的です。しかしバリトンサックス本来の持ち味である重低音を活かした演奏とくれば、同じ白人ながら対極にあるペッパー・アダムスという名手が忘れられません。

もちろんそれはハードバップがド真ん中! アタックが強くてゴリゴリと吹きまくるペッパー・アダムスこそ、真っ向勝負の潔さで人気ナンバーワンかもしれません。

さて、このアルバムは、当時コンビを組んでいたドナルド・バードとの双頭リーダーバンドによるのライブ盤♪ 徹頭徹尾、熱い演奏が楽しめます。

録音は1958年4月15日、ジャズ者には御馴染みというファイブスポットでのライブセッションで、メンバーはドナルド・バード(tp)、ペッパー・アダムス(bs)、ボビー・ティモンズ(p)、ダグ・ワトキンス(b)、エルビン・ジョーンズ(ds) という強烈至極な面々です――

A-1 'Tis (Theme)
 指パッチンからエルビン・ジョーンズの凄まじいドラミングがイントロとなって、調子の良いテーマを経てペッパー・アダムスが快調のアドリブを聞かせてくれます。
 またドナルド・バードに続いて登場するボビー・ティモンズがメチャ熱いです! 得意のブロックコード弾きをキメに使いながら、テキパキとしたフレーズを積み重ねで山場を作るのですから、たまりません。
 ちなみに私有盤はステレオ仕様で、左にトランペット、ドラムス、ピアノ、右にベースとバリトンサックスという定位ですが、観客のザワメキは左右に広がっていますし、バリトンサックスとドラムスが真ん中へ移動したりするミックスになっています。
 そしてリズム隊だけのパートになると、この3人ですから強靭なウネリは“お約束”! いや、それ以上でしょう! 伴奏をやっている時でさえ、熱血しているのでした。エルビン・ジョーンズが暴れています。

A-2 You're My Thrill
 シブイ雰囲気のスタンダード曲をスローで演じながら、アレンジは幻想的であり、しかもハードバップになっているという味わい深い演奏です。
 まずペッパー・アダムスのテーマ吹奏が思わせぶり♪ モタレて粘っこいリズム隊では、我慢できずに暴発寸前のエルビン・ジョーンズが憎めません。
 もちろんペッパー・アダムスは重低音の魅力を中心に、精一杯歌心を発揮しようと頑張るのですが……。

A-3 The Long Two / Four
 エルビン・ジョーンズのマーチングドラムに導かれ、ドナルド・バードが書いた有名なテーマメロディが流れてきます。あれっ、これって!?
 という煮え切らなさはさておき、ド迫力のリズム隊に煽られて豪快なブローに撤するペッパー・アダムスは痛快です。またリズムのキメを巧みに活かして十八番のフレーズを吹きまくるドナルド・バード、スピード感満点のボビー・ティモンズも楽しい限りで、これぞハードバッブという世界が展開されています。
 そしてダク・ワトキンスのアルコ弾きアドリブの背後で暴れるエルビン・ジョーンズのハッスルぶりが、微笑ましいと思います。もう、敲きたくて辛抱たまらん状態なんでしょう。続くドラムソロは、ヤケクソ気味にドスンバスンのギッタギタ! 文字通りの大車輪! 最高です。

B-1 Hastings Street Bounce
 これぞ、このアルバムのハイライト♪
 ブギウギ超のリズムが真っ黒に粘り、楽しいテーマからキメが連発されるアドリブパートの充実度! ハードバップ、ここにありです。
 とにかくペッパー・アダムスの分かり易いフレーズの積み重ねから余裕のグルーヴが生み出され、観客のザワメキも良い感じ♪ もちろんドナルド・バードもリラックスした好演ですが、またまたリズム隊が凄すぎます! こんな緩やかで強靭なグルーヴは驚異的でしょう。ボビー・ティモンズの伴奏&アドリブパートのユルユルな雰囲気をビシッと締めるダグ・ワトキンスのウォーキング、おぉ、誰かがグラスを落として割ったのか!? なんていう臨場感は最高級なんですねぇ。

B-2 Yourna
 オーラスはドナルド・バードが書いたジェントルなバラード曲ながら、もちろんハードバップの力強さが表現されています。あぁ、この曖昧な哀愁が、そこはかとなく素敵です。
 アドリブパートでのペッパー・アダムスも力強く歌いますし、ドナルド・バードが素晴らしい構成力を発揮♪ これはちょっと出来すぎ!?
 しかし続くボビー・ティモンズは自然体というか、些か手癖が目立ちますが、ダグ・ワトキンスの野太いベースソロやエルビン・ジョーンズの高圧的なブラシが、たまらなく感度良好なのでした。
 ちなみに、このトラックだけがモノラルバージョンになっています。

ということで、荒っぽさもほどほどという、なかなかの好盤だと思います。臨場感満点の録音は、Ray Fowler というエンジニアが担当しているそうですが、この人は要注意かもしれません。

モノラル盤も欲しいですが、けっこうステレオ盤でも満足の1枚です。

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強烈な金縛り!

2008-02-14 17:04:07 | Weblog
昨夜というか、本未明でしょうけど、強烈な金縛りに襲われました。

なにか体の上に重いモノが圧し掛かってくる感じから、身体全部が動かなくなり、ちょうどキオツケの姿勢で奈落の底に引きこまれるような……。

その後、そのまんまの体勢で暗黒の中を浮遊しつつ、手足も首も全く動かず……。

もちろん目も開きません。

そして、ぐうぅぅぅぅぅ~と唸っていたら、目が覚めましたが、寝汗をびっしょりと……。

う~ん、いったい、どうしたぁ~~~。

なんとか起きて仕事へ行きましたが、昼間は普通でした。しかし何も聴く気力も無くなり、バレンタインの義理チョコ食って、今に至っています。

ということで、本日の1枚は休載いたしますので悪しからず、お願い致します。
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これもブラウニーの真髄♪

2008-02-13 17:32:26 | Jazz

今日は1日、仕事でもベタな展開が多くて……。頭を下げるのはやぶさかでは無いし、むしろ当然と思っている事が多い私ですが、う~ん……。

ということで、本日はひたすらに和みたいので――

Clifford Brown With Strings (EmArcy)

アドリブがなければジャズでは無い!

確かにそれは、ある一面の真理を突いています。しかしアドリブなんて姑息な手段に頼らなくとも、充分にジャズをやってしまったのがクリフォード・ブラウンという天才トランペッターの、このアルバムです。

それはタイトルどおり、ストリングスと共演して有名スタンダード曲を素直に吹いているだけの作品なんですが、これが素晴らしい! 素晴らしい、なんていう言葉では表現しえない、深遠で暖かい世界が楽しめるのです。

録音は1955年1月18~20日、メンバーはクリフォード・ブラウン(tp) 以下、リッチー・パウエル(p)、バリー・ガルブレイス(g)、ジョージ・モロウ(b)、マックス・ローチ(ds) というリズム隊に加えて、ニール・ヘフティ編曲指揮のストリングスグループがついています――

A-1 Yesterdays
A-2 Laura
A-3 What's New
A-4 Blue Moon
A-5 Can't Help Lovin' Dat Man
A-6 Embraceable You
B-1 Willow Weep For Me
B-2 Memories Of You
B-3 Smoke Gets In Yout Eyes
B-4 Portrait Of Jenny
B-5 When Or When
B-6 Stardust

――どうです、魅惑の選曲でしょう♪

気になるアレンジは、それなりに凝っていますが、ストリンググループは、せいぜいが7~8人の少人数ですから、なかなかビートの強いリズム隊は存在感がありますし、主役のクリフォード・ブラウンは素直にテーマメロディを歌い上げつつも絶妙のフェイクを交え、美しいトランペットの音色を聞かせてくれます。

もちろん全曲が完璧な仕上がりですが、個人的には「Laura」が大好き♪ それとゴージャスでジャズっぽい「Can't Help Lovin' Dat Man」とか、胸キュンの「Smoke Gets In Yout Eyes」、それに心の底からジンワリくる「Portrait Of Jenny」も実に良い雰囲気です♪

またオーラスの「Stardust」は言わずもがなの桃源郷♪ とても豊かな表現力には絶句して歓喜悶絶の名演だと思います。

ということで、大人が集るクラブの雰囲気というか、ジェントルなムードにたっぷりと浸れるアルバムです。

ガチガチのジャズファンからは駄盤扱いされていた時期もあったようですが、実はクリフォード・ブラウンの最高傑作とする動きも確かにあるのですね。近年ますます、その傾向が強まった感もありますが、まずは虚心坦懐に聴いてみましょうね。

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ダンスは上手く踊れない

2008-02-12 17:40:18 | Jazz

恥ずかしながら、18年ほど前、必要に迫られて社交ダンスを習ったことがあります。

そして今、再び、ある事情からシャル・ウイ・ダンス♪ ということで、密かにステップの練習をやっているのですが、なんかそれに合ったレコードは無いかいな?

とラックを漁っていたら、ありました――

All Smiles / The Keknny Clarke Fancy Boland Big Band (MPS)

クラーク=ボランのビックバンドといえば、欧州をメインに活動していたオールスタアの楽団として幾枚かの人気アルバムを残していますが、そのいずれもが何からのテーマがしっかりと据えられたものでした。

で、このアルバムは良く知られたスタンダード曲ばかりをダンサブルなアレンジで聞かせた人気盤♪

録音は1968年5月13&14日、メンバーはケニー・クラーク(ds)、フランシス・ボラン(p,arr) 以下、ベニー・ベイリー(tp)、アイドリース・シュリーマン(tp)、ジミー・デューカー(tp)、ソニー・グレイ(tp)、オキ・ペルソン(tb)、ナット・ペック(tb)、エリック・ヴァン・リエール(tb)、デレク・ハンブル(as)、ジョニー・グリフィン(ts)、ロニー・スコット(ts)、トニー・コー(ts)、サヒブ・シハブ(bs,fl)、デイヴ・パイク(vib)、ジミー・ウーディ(b)、ケニー・クレア(ds) という凄腕集団! 常連メンバー中にあって、デイヴ・パイクの参加が珍しいところです♪

ちなみにアルバムをプロデュースしたのは、イタリア人興行師のジジ・カンピで、実はこの人がバンド結成の仕掛け人だったと言われています――

A-1 Let's Face The Music And Dance
A-2 I'm All Smiles
A-3 You Stepped Out Of A Dream
A-4 I'm Glad There Is You
A-5 Get Out Of Town
B-1 By Strauss
B-2 When Your Lover Has Gone
B-3 Gloria's Theme
B-4 Sweet And Lovely
B-5 High School Cadets

――という演目は、ほとんどが3~4分程度の演奏ばかりですが、密度が濃くて強力にスイングしまくっています。

まずA面ド頭の「Let's Face The Music And Dance」はフレッド・アステアの映画で使われていたはずですが、あの優雅なステップが思い浮かぶようなテーマの合奏から一転、アドリブパートではデイヴ・パイクの強烈なヴァイブラフォンがハードバップそのまんま! リズム隊とバンドアンサンブルも豪快にうねりますから、う~ん、これじゃ、踊れない……。

しかし続く「I'm All Smiles」になると、またまたデイヴ・パイクのヴァイブラフォンが主役ではありますが、今度は優美なワルツタイム♪ ダブルドラムスの威力というか、メリハリの効いたビートが素敵です。

さらにゴージャスな「You Stepped Out Of A Dream」や「Sweet And Lovely」で気分は完全にダンスホール♪ またチークタイムみたいな「I'm Glad There Is You」には和みますし、ロニー・スコットの熱血テナーサックスが咽び泣くハードボイルドなバラードの「Gloria's Theme」は、心にずっしりと響きます。

ただしバンドの基本は、あくまでもモダンジャズということで、如何にもアメリカンなコブシが効いた「When Your Lover Has Gone」とか、重厚なアレンジが素晴らしい「Get Out Of Town」、変則ワルツの「By Strauss」にはジャズ者の血が騒ぎますねぇ。

またオーラスに置かれた“マーチの王様”スーザが書いた「High School Cadets」は、最高に景気の良い演奏で、スカッとしますよ。

メンバー各人のアドリブも流石に煮詰められた良さがありますし、フランシー・ボランのアレンジはシンプルでいてジャズのキモを掴んだものだと思います。

それとジャケットの魅力は言わずもがな♪

ということで、全然、ステップの練習なんか出来やしないです。尤も全く絵にならない私ではありますが……。

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淡い桃源郷

2008-02-11 17:16:12 | Jazz

昨日は年甲斐も無くスノーボードなんかやったもんで、本日は腰が……。イテテテテ……。

ということで、本日は――

Bill Evans Alone (Verve)

1970年代のジャズ界にはソロピアノのブームがあって、それを出せないピアニストは二流という風潮までありました。そして我国のジャズ喫茶でも、ソロピアノのアルバムが鳴りまくっていた時期が確かにあったのです。

今となっては、はっきり言って、つまらない仕上がりというか、独り善がりの演奏もありましたですね。特にキース・ジャレット、チック・コリア、マッコイ・タイナー、ハービー・ハンコックという人気者の作品なんか、リクエストが絶えないほどでしたが、そこには天国と地獄の両方が存在していたような……。

しかし誰もがノー文句でシビレる演奏だったのが、本日の1枚です。

主役のビル・エバンスは説明不要ながら、白人らしいスマートで奥深いハーモニー感覚の素晴らしさ、メロディを大切にしながらも独特のピート感がたまらない魅力という偉大なジャズピアニストで、ベースとドラムスを従えたピアノトリオの概念さえ変えてしまった天才!

そのビル・エバンスが、この初めての本格的ソロピアノのアルバムを作ったのは、未だブームが到来する前だった1969年12月の録音だったのですから、流石です――

A-1 Here's That Rainy Day
A-2 Time For Love
A-3 Midnight Mood
A-4 On A Clear Day (You Can See Forever)
B-1 Never Let Me Go

――という演目も最高でしょう♪ いずれの曲も素敵なメロディですから、そこにビル・エバンスの豊かなハーモニーと深遠なジャズ魂が加われば、もう桃源郷は“お約束”♪

それはゆったりとテーマメロディを歌わせながら、やがて秘められた情熱からジャズっぽいタッチに変化していくという展開が中心で、いましもベースとドラムスが入ってきそうな瞬間がスリリング! もちろんそんな事は「ありえない」というオチは分かっていて、それでもゾクゾクさせられるのがジャズ者の歓喜だと思います。

「Here's That Rainy Day」のアドリブは力強く、典型的なエバンス節しかしか出ない「Time For Love」、ジョー・ザビヌルが書いた名曲「Midnight Mood」の潔さ、また軽やかに躍動する「On A Clear Day」というA面は、ジャズ喫茶の定番として飽きない名演ばかりです。

また逆にB面は「Never Let Me Go」の1曲だけという長尺演奏ですが、魅惑のテーマメロディを静謐に弾きながら、独自の世界へとイマジネーションを広げていく展開は最高♪ それは官能的でもあります。

ということで、消え入りそうに淡いジャケットデザインにピッタリの演奏集だと思います。そしてソロピアノでありながら、決して眠くなるようなつまらなさは皆無! もし眠くなるとしたら、それはビル・エバンスが心から歌うメロディの魔法に酔わされた所為だと思います。

前述したブームの最中、ジャズ喫茶では流行のソロピアノが鳴り出すと席を立つお客さんも少なからず存在していたのですが、流石にこのアルバムだけは、皆が頭をたれて聴き入ったものでした。

それも懐かしい伝説かもしれません。

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威風堂々

2008-02-10 17:19:29 | Jazz

なんだか東海~関西は積雪があったらしいですね。

雪国も当然、雪なんですが、本日はちょっとスキー場へ行ってきました。なにしろ家族もそれが目当てで、こっちに来ているし、南方から来た外人のお客さんが、どうしてもスノボをやりたいとか我侭たれるんで……。

それでも少しは暖かかったんで、雪も湿り気味でしたが、楽しいといえば楽しい1日だったようです。

ということで、本日は――

Black Peales / John Coltrane (Prestige)

プレスティッジお得意のオールスタアセッション物のひとつで、しかも長らく寝かせておいた後に発表されたアルバムです。

その録音は1958年5月23日、メンバーはドナルド・バード(tp)、ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds) という定番の五人組! しかし発売されたのは1964年頃だったと言われています――

A-1 Black Peales
 ジョン・コルトレーンのオリジナル曲で、陽気でありながら、ちょっと不気味な違和感が漂うテーマ合奏が、なんとも魅力です。安定感抜群のリズム隊は、何時もながらに快適なグルーヴを提供していますが、ジョン・コルトレーンはアドリブの初っ端から強烈な音符の羅列で、ひとり異次元を彷徨っていくんですねぇ。
 それでも絶対に崩れないリズム隊の存在ゆえに、これは当時入っていたマイルス・デイビスのバンドでもやっていた事なんでしょうが、ここではますます確固たる自信を掴みかけていたジョン・コルトレーンの姿勢だったと思います。いや、そう思いたいほどにジコチュウなんです。
 しかし続くドナルド・バードは、あくまでもハードバップの範疇で大熱演! ですからリズム隊も、ますます安心感が強いプレイとなって、ツッコミと合の手が冴えまくり♪ アート・テイラーが十八番の釘打ちリムショットが良い感じです。
 そしてレッド・ガーランドが和みのスイングで、歌心のあるフレーズばっかりですから、如何にジョン・コルトレーンが浮いているか、はっきりと確認出来るのでした。
 まあ、このあたりは同じメンツで膨大に残されているレッド・ガーランドのリーダーセッション盤と似て非なる世界で、良く解釈すればジョン・コルトレーンの世界が表現されていると言えますが、なんとも最高なレッド・ガーランドのブロックコード弾きからポール・チェンバースの素晴らしいベースソロが披露されれば、“元の木阿弥”という感じですね。

A-2 Lover Come Back To Me
 猛烈なテンポで演奏されるスタンダード曲で、ドナルド・バードが絶好調のテーマ吹奏から白熱のアドリブに入っていきます。バックのリズム隊が作り出すキメも鮮やかですが、こんな全力疾走が普通に出来ていることに驚嘆させられます。
 もちろんこれはジョン・コルトレーンの望むところでしょうが、何故か最初はモタツキがあって、逆に安心出来ます。そして中盤からは本領発揮の強烈な音符過多症候群! ついつい乱れそうになるリズム隊が必死の追走も熱いところです。
 しかしレッド・ガーランドのアドリブパートは苦しく、あぁ、これがオスカー・ピーターソンだったらなぁ、と失礼な感想まで……。と思っていると、アート・テイラーのパワー満点というドラムソロがっ♪
 
B-1 Sweet Sapphire Blues
 結論から言うとアドリブばっかりでテーマが無いブルースです。
 それは快調なリズム隊、レッド・ガーランドのイントロ拡大アドリブパートでスタートしますが、この部分だけでゴキゲン♪ もちろんジョン・コルトレーンが登場する“露払い”なんですが、これもハードバップの魅力でしょう。けっこう早いテンポで、これだけのグルーヴが出せるのは名人トリオの底力だと思います。
 こうして気を持たせた後に登場するジョン・コルトレーンは、なかなか新しいアプローチを聞かせてくれるんですねぇ。それはもちろん独特のスピード感でリズム隊から浮遊しながら大量の音符を撒き散らすという、所謂シーツ・オブ・サウンドです。
 う~ん、既に述べたように、このアルバムは1960年代中頃に発売されているわけですが、それでも完全に時代にジャストミートしていたアドリブじゃないでしょうか!? 当時のジョン・コルトレーンはフリーに入り込んでいたにしろ、このアドリブだって古びていないと…。
 そしてドナルド・バードが正調ハードバップからジョン・コルトレーンに刺激を受けたような音符羅列のフレーズまで吹きまくるのも楽しいところで、レッド・ガーランドが様々に仕掛けてくる伴奏のキメも実に良い雰囲気です♪
 演奏はこの後、ベース&ドラムスのソロがあって終焉を迎えますが、スタジオでの即興演奏とはいえ、各人が手慣れた中にも緊張感に満ちたアドリブに撤していますから、長尺なトラックもダレないで聴けるはずです。

ということで、一応リーダーだったジョン・コルトレーンだけが浮きまくりという仕上がりなんですが、それゆえに痛快なアルバムです。

なによりもジャケットに写るジョン・コルトレーンの威風堂々とした姿が眩しく、このアルバムの魅力の一部だと思うのでした。

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