Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

皆川博子「辺境図書館」

2017-07-09 08:52:26 | 読書
講談社 (2017/4/19).

目次*****
『夜のみだらな鳥』とホセ・ドノソ
『穴掘り公爵』とミック・ジャクソン
『肉桂色の店』とブルーノ・シュルツ
『作者を探がす六人の登場人物』とルイジ・ピランデルロ
「建築家とアツシリアの皇帝」「迷路」とフェルナンド・アラバール
『無力な天使たち』とアントワーヌ・ヴォロディーヌ
「黄金仮面の王」とマルセル・シュオップ
『アサイラム・ピース』『氷』とアンナ・カヴァン
「曼珠沙華の」と野溝七生子
『夷狄を待ちながら』とジョン・マックスウェル・クッツェー
ほか*****

ぜいたくな造本ゆえに,予備知識なしで図書館で借りた.装幀 柳川喜代,装画 伊予田晃一.われらが東広島市立辺境図書館は充実しているのだ.

てっきり『夜のみだらな鳥』というタイトルが小説の始まりと思って読みかけて,読書案内と悟った.目次をみると,かろうじて聞いたことはあっても,読んだことがある本は皆無.自分では辺境の図書が好きな方と思っている.しかし中心は一点でも,辺境は無限に広いのだ.
「インポケット」連載の単行本化.
最後の「水族図書館」がオリジナル.

「黄金仮面の王」のところで著者は,*****(偏愛する作についていくら書いたところで) いつも,これでは本当の魅力は伝わらない.魅力は,筋立てよりむしろ,文書のひとつひとつと,その構成にあると思ってはいる*****と書いている.
でも,読む側は,このすぐれた!?読書案内で,原作を読んだ気になりそう.

索引が無用に充実して楽しい.

☆☆☆☆
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reading

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