Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ハナモゲラ和歌の誘惑

2017-07-04 09:00:46 | 読書
笹 公人,小学館 (2017/4).

Amazon の内容紹介の引用*****
ハナモゲラの面白さ、素晴らしさ

みじかびの きゃぷりきとれば すぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ(大橋巨泉)

ハナモゲラとは「初めて日本語を聞いた外国人の耳に聞こえる日本語の物真似」が元祖となる言葉遊びのことで、タレントのタモリが使い始めたとも言われています。1970年代半ばから1980年代初めのサブカルチャー文化の中で、ジャズピアニストの山下洋輔などが中心となり人気を博したハナモゲラが、昨年の大橋巨泉氏の逝去に伴い、再び注目を集めています。本書は、第一歌集『念力家族』で、寺山修司の再来と呼ばれた歌人・笹公人氏が、ハナモゲラを万葉集から現代までさまざまな和歌と照らし合わせて音の響きで分析し、興味深い見解を加えていきます。*****

面白そうだが,失礼ながら,金を出してまで買いたくないと思っていたところ,図書館で発見 !

目次*****
其ノ1 誘われてハナモゲラ
其ノ2 短歌をめぐる冒険
其ノ3 笹公人の短歌的生活
山下洋輔×笹公人スペシャル・ハナモゲラ対談*****

「其ノ1」は力作.母音で読み解くハナモゲラ,コンピュータによる未来和歌,連続駅名57577...あたりがおもしろい.

歌人 岡井隆による「みじかびの...」の解釈が引用されていた.
 みじかびの -> 短い
 きゃぷりきとれば -> キャップをとれば
 すぎちょびれすぎかきすらの -> オマノトベ,すぐ書く,過ぎる,ちょび筆
 はっぱふみふみ -> 手紙
かって教室で高校古文であてられちときの,苦し紛れの古典和歌解釈を思い出した.
断片的に聞いたような語句を拾い出して,強引に意味を繋げる作業は AI のやることみたいでもある.

「其ノ2」の後半「其ノ3」はあちこちに書いた文章の再録.特に「其ノ2」の後半は,チョンボな印象.
「其ノ3」では俵万智「サラダ記念日」とその便乗本「男たちのサラダ記念日」を比較し,二つの違いには後者の作者はわかっているのだろうか と書いているあたりはなかなか辛口.
ハナモゲラ対談では女性のハナモゲラ短歌の詠み手がいないことが話題になっている.
 笹「矢野顕子さんは?」
 山下「あの人は,本人がもうハナモゲラだから.ふふ~~んと歌いながらピアノ弾くしね」

☆☆☆★
コメント
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