メアリー・スチュアート, 木村浩美 訳,論創社 論創海外ミステリ(2017/9).
Amazon の内容紹介
*****ファッションモデルのジアネッタは休暇でスカイ島を訪れ、同じホテルには投宿する山好きな男性グラントと親しくなった。二週間前に島内の岩山で地元の娘が惨殺された事を知り戦慄するジアネッタだが、娘の死後も山での惨劇は続き、次々と登山者が殺されていく。やがて、姿なき殺人鬼の魔手はジアネッタの周辺にものび始める……。*****
1956年の作品.エリザベス女王の戴冠とか,エベレスト登頂とかが背景になっていて,懐かしかった.
解説 (真田啓介) によれば,作者は「意識的に古典的探偵小説のパターンに沿ってみたが,人物よりプロットに重点を置く作風は自分には合わないようだ」と述べている.会話の端々から人物像を描くあたりは見事だが,プロットはわかりにくい.山岳場面・岩場場面がミソだが,その描写も,目に見えるようだとは言えない.地名がやたらに出てくるが,簡単な略図があるだけ.もっと詳しい地図が欲しい.日本人の読者としては,登場人物が多すぎて,当然のことだがみなカタカナの名前なのも困る.
もう一度読めばすっきりと全部わかりそうだが,もう一度読みたいとは思わない...という程度の作品.
謎解きよりも,ヒロインが一人称で語る,殺人鬼と体験するスリリングな体験の方が印象に残る.最後は読むほうが恥ずかしくなるようなハッピーエンド.いかにも女流作家の作品という感じ.
図書館で借りて一気読みした.
☆☆☆
Amazon の内容紹介
*****ファッションモデルのジアネッタは休暇でスカイ島を訪れ、同じホテルには投宿する山好きな男性グラントと親しくなった。二週間前に島内の岩山で地元の娘が惨殺された事を知り戦慄するジアネッタだが、娘の死後も山での惨劇は続き、次々と登山者が殺されていく。やがて、姿なき殺人鬼の魔手はジアネッタの周辺にものび始める……。*****
1956年の作品.エリザベス女王の戴冠とか,エベレスト登頂とかが背景になっていて,懐かしかった.
解説 (真田啓介) によれば,作者は「意識的に古典的探偵小説のパターンに沿ってみたが,人物よりプロットに重点を置く作風は自分には合わないようだ」と述べている.会話の端々から人物像を描くあたりは見事だが,プロットはわかりにくい.山岳場面・岩場場面がミソだが,その描写も,目に見えるようだとは言えない.地名がやたらに出てくるが,簡単な略図があるだけ.もっと詳しい地図が欲しい.日本人の読者としては,登場人物が多すぎて,当然のことだがみなカタカナの名前なのも困る.
もう一度読めばすっきりと全部わかりそうだが,もう一度読みたいとは思わない...という程度の作品.
謎解きよりも,ヒロインが一人称で語る,殺人鬼と体験するスリリングな体験の方が印象に残る.最後は読むほうが恥ずかしくなるようなハッピーエンド.いかにも女流作家の作品という感じ.
図書館で借りて一気読みした.
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