Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

山岳迷宮

2018-11-27 09:17:06 | 読書
迷宮に「ラビリンス」の文字.副題「山のミステリー傑作選」.山前 譲 編.光文社文庫(2016/7).

著者は,梓林太郎,樋口明雄,七河迦南,角田喜久雄,仁木悦子,加藤薫,長井彬,森村誠一.

好きなジャンルだが,つまらないだろうと思いながら,図書館で借りて読んでみて,やっぱりつまらなかった.

ただひとりの女性作家,仁木の作品を除き,どれも後味が悪い.後味が悪くないとエンタメとして評価されないのだろうか?
その仁木作品も,取り上げている題材は結構ドロドロしている.子供づれが登場すると雰囲気が和らぐのだろう.ミステリとしての評価もこの中では及第点だが,「山のミステリー」か?といわれると,そうではない.

ミステリーらしいのは七河作品,長井作品と森村作品.しかしどれも途中ですじが読めてしまった.山のミステリーとなると,どれも似たようなものになるらしい.
山登りの経験者には長井作品の地図はヒントとして親切すぎると思うが,普通の読者にはどうなんだろう.でも地図がないと説明的ないかもしれない.

樋口作品はミステリーというより怪談だが,ラビリンス的.でもタイトル「モーレン小屋」には,北八ツ・オーレン小屋から苦情が来そう.

編者による解説は,山のミステリの優れたレビュー.角田作品での違和感は,戦前の作品だったためか,と納得できた.
コメント
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