ちくま文庫 (2018/5).
「山岳迷宮」の仁木短編から,もうちょっとこの作者を読みたくなった.
Wikipedia によれば*****著者は幼児時に胸椎カリエスを発病し,歩行不能になる.1957年に推理小説『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞を受賞,戦後女流推理作家の先駆けとなった.1981年には「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞した.*****
その後の「日常の謎」ジャンルと違って,たいてい ちゃんと!?殺人が起こる.しかし題材は陰惨でも童話のように読ませてしまうあたりは,A・A・ミルン (くまのプーさんの原作者) の「赤い館の秘密」みたい.どれも少々筋の運びが強引なところはあるが,気持ちよく読めた.
第一部6編.第二部は「赤い猫」という単行本には収録されなかった3編.
第一部のタイトルが最初は「赤い猫」「白い部屋」「青い香炉」...とそろっている.その後 色名ルールは崩れるが,最後は力作「乳色の朝」.
一作ずつそれぞれに,仁木長編の探偵たちが登場する.中では浅田悦子さんがあまりに行動的で,しょうしょうお節介がすぎるが,それもご愛嬌だろう.車椅子作家である悦子さんの憧れかもしれない.
安楽椅子探偵ものでは,どこかで安楽椅子探偵が実世界と接触するのが特色.
第二部は意外に佳作が揃っていた.「小さい矢」では車椅子の若い主婦が探偵役.幻影城に掲載された「最も高級なゲーム」はタイトルどおりゲーム感覚に溢れていた.
図書館で借用.☆☆☆★
「山岳迷宮」の仁木短編から,もうちょっとこの作者を読みたくなった.
Wikipedia によれば*****著者は幼児時に胸椎カリエスを発病し,歩行不能になる.1957年に推理小説『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞を受賞,戦後女流推理作家の先駆けとなった.1981年には「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞した.*****
その後の「日常の謎」ジャンルと違って,たいてい ちゃんと!?殺人が起こる.しかし題材は陰惨でも童話のように読ませてしまうあたりは,A・A・ミルン (くまのプーさんの原作者) の「赤い館の秘密」みたい.どれも少々筋の運びが強引なところはあるが,気持ちよく読めた.
第一部6編.第二部は「赤い猫」という単行本には収録されなかった3編.
第一部のタイトルが最初は「赤い猫」「白い部屋」「青い香炉」...とそろっている.その後 色名ルールは崩れるが,最後は力作「乳色の朝」.
一作ずつそれぞれに,仁木長編の探偵たちが登場する.中では浅田悦子さんがあまりに行動的で,しょうしょうお節介がすぎるが,それもご愛嬌だろう.車椅子作家である悦子さんの憧れかもしれない.
安楽椅子探偵ものでは,どこかで安楽椅子探偵が実世界と接触するのが特色.
第二部は意外に佳作が揃っていた.「小さい矢」では車椅子の若い主婦が探偵役.幻影城に掲載された「最も高級なゲーム」はタイトルどおりゲーム感覚に溢れていた.
図書館で借用.☆☆☆★