Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

銀河鉄道の父

2019-05-10 09:21:23 | 読書
門井 慶喜,講談社 (2017/9).
おととし,第158回直木賞受賞.図書館本.

Amazon の内容紹介*****
明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。*****

宮沢賢治とその父との葛藤はそれなりに有名なことらしい.16トンの場合,父は学生時代になくなり,息子もいないので,小説を読んでも,そうかなと思うだけ.でも日蓮宗 (息子) 対 浄土真宗 (父) の論争などごめん被りたいと思う.16トンの父親もそうだろう.
賢治の思想・言動は高尚なものという先入観があったが,父親からの観察を下世話に書くとこうなるか ! と思った...けなすつもりはない.直木賞らしい作品.

☆☆☆
この本を読んでから Wikipedia の「宮沢賢治」の項を読んだら,門井本が取り上げなかった,面白おかしいエピソードが多々載っていた.執筆に際しては著者なりの取捨選択があったのだな.

賢治は5人兄弟だったが,そのうち賢治を含め2人が若くして亡くなっている.戦前の日本ではこれが当たり前だったと思う.われわれはそれなりに進歩しているのだろうか ?
コメント
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