Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

誰でもない彼の秘密

2019-05-27 08:20:39 | 読書
マイケラ・マッコール, 小林 浩子 訳,東京創元社 (2015/4).

Amazon の内容紹介*****
1845年、アメリカの小さな町。15歳のエミリーは洒落た身なりの美青年と出会う。名のるほどの者ではないと言った、謎めいた彼に惹かれたエミリーは町を案内する約束を交わす。ところが数日後、家の敷地内で男性の死体が発見される。それは先日出会ったばかりの彼だった。彼――ミスター・ノーバディが何者なのか、何が起こったのかを突きとめたい。その一心でエミリーは慣れない調査をはじめる。瑞々しい感性と抜群の観察眼を持つ、偉大な詩人エミリー・ディキンソンの少女時代を描いた鮮やかな力作!*****

エミリー・ディキンソン (1830-1886) の詩集は岩波文庫から出ている.この本は少女時代のエミリーが探偵役をつとめるミステリー.時代設定はドイルのシャーロック・ホームズ登場の40-50年前だが,堂々の探偵ぶりである.少女探偵ならではの危なっかしさで はらはらさせるが,それもまた楽しい.
各章はエミリーの詩 (の抜粋) から始まる.
エミリーの妹・美少女ヴィニーも協力して事件にあたる.ふたりの母親を含め,おとなたちの描き方はステレオタイプだが,思春期の少女から見る親の世代とは,そういうものかもしれない.
ヤング・アダルト小説の趣もある.
図書館から借用.
☆☆☆★



エミリーの 16 あるいは 17 歳時の写真が Wikipedia にあったが,いかにも探偵ごっこを始めそうな雰囲気がある.

著者は有名な女流文学者が少女時代に探偵役をつとめるミステリをシリーズ化していて,ブロンテ姉妹,ルイザ・メイ・オルコットが登場する作品もあるそうだ.
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