Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

伊丹十三の桃源郷 : 向島立花

2022-12-03 09:35:03 | 読書
図書館で借りた
 伊丹十三「ぼくの伯父さん 単行本未収録エッセイ集」つるとはな (2017/12)
中の,「桃源郷」初出 東京新聞 (1975/11) は立花村,現 広島県尾道市向島町立花のこと.

向島は むこうじま ではなく,むかいしま と読む.尾道対岸のこの島へはフェリーが3本あり,早朝から深夜まで随時運行している.洋ランセンターのコンサートにいったらベヒシュタインのピアノがあった.大きな島で,帰途 車で迷子になった.
立花は地図のように,尾道から見て島の反対側.

伊丹によれば,日本一の長寿村だそうだ.その秘密として彼は,食生活や環境だけではなく,人間が少ないことを挙げている.江戸時代から産児制限・計画出産を実践して人口を増やさない努力をしてきた.加えて,末子相続で兄たちは島を出る.島を出た子は親に仕送りをするのが不文律.またこの村には庄屋とか小作人とかの制度もなかった.「私はすっかり嬉しくなり,一方,多少キツネにつままれたような気持ちになりながら,この桃源郷を後にしたのであります.」

半世紀前の文章.いまでは日本中が産児制限・計画出産だ.日本中が桃源郷 ?  案外そうかもしれない.きびしかった江戸時代の生活に比べれ餓死はないのだから...
ちなみに 1975 年当時の立花村の人口は約千人だったというが,いまは 600 人くらい.
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