河出書房新社(2013/12).
著者の兄・吉田健介氏と,著者の従兄弟にして,我が周辺では悪名高き麻生太郎氏への興味から,古書市で購入.
兄はしばしば登場するが,麻生家は著者の視野に入ってはいないようだ.
酒豪として知られる「父」だが,客があるとき以外家で飲むことはなかった,とか,時間表に従うように規則正しい日常とか,自律的なひとだったらしい.
父が境の襖を開けて書斎で仕事をしていて,畳何枚か離れた縁側で(子どもだった)私(=著者)が何かしながら歌を歌っていると「悪いけどもう少し遠くで歌ってくれない?」と声が掛かった...というくだりなど,いいではないか.
でも,ハレの日には料亭から懇意な料理人を呼んで調理させるなど,やはりわれわれとは階級が違う...
知的で尊敬できる父を持つことの幸福が感じられる.
「父と私は,結局は偶々ということだろうが,表面はまことにうまくいった親子だった」という記述があるかと思うと,
「母にも兄にも優しい想いはあり,精一杯肯定的な気持ちで付き合いきったとと思うが,父に対する私の想いと比べると,忘れられるなら忘れてもいい,と言う他ない」という記述もある.
吉田健一の本は 2-3 冊読んだことがあるだけだが,著者と文章が似ているように思った.
世代は下がるが「父 麻生太郎」という本が出現したらどうだろう.この本よりは売れそう.でもおもしろいかどうかは,著者次第だな.
著者の兄・吉田健介氏と,著者の従兄弟にして,我が周辺では悪名高き麻生太郎氏への興味から,古書市で購入.
兄はしばしば登場するが,麻生家は著者の視野に入ってはいないようだ.
酒豪として知られる「父」だが,客があるとき以外家で飲むことはなかった,とか,時間表に従うように規則正しい日常とか,自律的なひとだったらしい.
父が境の襖を開けて書斎で仕事をしていて,畳何枚か離れた縁側で(子どもだった)私(=著者)が何かしながら歌を歌っていると「悪いけどもう少し遠くで歌ってくれない?」と声が掛かった...というくだりなど,いいではないか.
でも,ハレの日には料亭から懇意な料理人を呼んで調理させるなど,やはりわれわれとは階級が違う...
知的で尊敬できる父を持つことの幸福が感じられる.
「父と私は,結局は偶々ということだろうが,表面はまことにうまくいった親子だった」という記述があるかと思うと,
「母にも兄にも優しい想いはあり,精一杯肯定的な気持ちで付き合いきったとと思うが,父に対する私の想いと比べると,忘れられるなら忘れてもいい,と言う他ない」という記述もある.
吉田健一の本は 2-3 冊読んだことがあるだけだが,著者と文章が似ているように思った.
世代は下がるが「父 麻生太郎」という本が出現したらどうだろう.この本よりは売れそう.でもおもしろいかどうかは,著者次第だな.
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