Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「あの日,ぼくたちは」

2021-07-28 09:03:06 | 読書
飯島敏宏,角川文庫(2021/7)

KADOKAWA HP の紹介*****
東京大空襲の夜、炎の中を走り抜けた親友は戻らなかった――

『ウルトラQ』『ウルトラマン』『泣いてたまるか』の監督・飯島敏宏が自らの戦争体験をもとに、「少国民」と呼ばれた子どもたちの姿を鮮烈に描きだす、初の自伝的小説。

東京・本郷で生まれ育った弘は、悪ガキ仲間と毎日を謳歌していた。だが、戦争により日常は変わっていく。不気味な特高警察、姿を消した外国人の友人、代用品になったお菓子、軍国主義一辺倒の先生。そんな中でも、弘たちは未来を見ていた。しかし、1945年3月、中学受験のため疎開先から戻った彼らを襲ったのは、想像を絶する大空襲だった――。終戦後の混乱の中、自分たちの道を探そうともがく子どもたちの姿を描く、著者渾身の書き下ろし中篇「心に花を持って」も収録!
*****

著者は1932生で,16とんの9歳年上.
長編「ギブミー・チョコレート」+中編「心に花を持って」の二本立てだが,上記紹介は「ギブミー」に対するもの.舞台の東京・本郷ばかりでなく,戦時疎開学園があったにも土地勘があった.那須には戦前からの高校の寮があり,太鼓がぶら下がっていた.
小中学校は,現在以上,いや 過去の16とんの時代以上に学校生活がすべてだったんだな.担任がつぎつぎに変わる : 絵を描くリペラルな先生,ヒットラー・ユーゲントを実践する先生,ガダルカナル (餓島) の生き残りの頭がおかしくなった先生.要所要所に美女先生が現れるところが映画的.教育ママも登場する.

空襲場面にデジャヴュ いや,実体験だったのに忘れているのかも.

汲み取り便所,肥たご担ぎで転んで頭からかぶるなど,水洗便所しか知らないこどもたちに読ませたい.
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