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「黒い雨」 小説と映画

2021-07-27 10:57:55 | 読書
「黒い雨」敗訴の菅首相が上告断念.原告は「うれしい誤算」だそうだ.

井伏鱒二 1898-1993 の小説「黒い雨」は 1966年に単行本が刊行され,著者は野間文芸賞受賞.1970年に文庫入りしたのを読んだ.今では青空文庫でダウンロードできる.声高な原爆に対する怒りはなく,事実だけが淡々と書かれていたという印象がある.

この小説は被爆者・重松静馬の日記のリライトであることが問題になった.日本ベンクラブデジタルライブラリ「猪瀬直樹 : 『黒い雨』と井伏鱒二の深層」「文学界』(2001
年 8月号) に経緯が書かれていて,井伏に厳しい内容.この例に限らず盗作は井伏の常套手段である,みたいな書き方,
タネ本「重松日記」は 2001/5 筑摩書房から刊行されており,小説と対比させることができる.

1989年公開の映画は今村昌平監督作品で,映画館で見た.翌年第13回日本アカデミー賞で最優秀作品賞.ストーリーには「黒い雨」以外の井伏作品もエピソード的に盛り込んでいたと思う.スーちゃんこと (もとキャンディーズの) 田中好子さん 1956-2011 の髪の毛が,ごっそり抜ける入浴シーンが怖かった.
彼女の死因が原爆の後遺症だったように錯覚していた.

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