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エドワード・ケアリー,古屋 美登里訳「呑み込まれた男」東京創元社 (2022/7).
6年前に読んだ「堆塵館」と同じ著者,はじめからそうと分かっていたら手を出さなかったかも.
イラストも (カバーイラストも) 著者による.
Amazon の紹介*****
巨きな魚の腹の中。乗っていた舟ごと呑み込まれたジュゼッペは、そこにあった朽ちかけた船で発見した航海日誌に、自分の来し方を綴っていく。彼が造った、木彫りの人形ピノッキオに命が宿ったこと。学校に行って戻ってこなかったその子の行方を捜し、小さな舟で海に乗り出したこと。そして彼の手記はさらに遡り……。絶望的な状況下、ジュゼッペ老人は何を思い、何を綴ったのか。鬼才ケアリーが描く、もうひとつのピノッキオの物語。
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「堆塵館」よりずっと読みやすかったが,それは遠い昔に読んだコッローディの「ピノッキオ」という下敷きをなんとなく覚えていたからだろう.この本ではコッローディはジュゼッぺの出身地の街の名前ということになっている.
魚の腹の中のジュゼッペの生活はロビンソン・クルーソーをもっと絶望的にした感じ...なんと言っても日光がないのだから.この状況下 ジュゼッペ老人は何を思い,何を綴ったのかを書いたらネタバレになってしまうと言いたいが,純文学的で要約し難い.最後は現実と幻想がないまぜになる.原作ではピノッキオとともに魚の腹から脱出するが,そこもあいまい.
もっともらしい「エピローグ」が楽しい.
図書館で借りた.
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