路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①・01.14】:再審の法制度 欠陥直視し速やかに改正を

2025-01-14 16:00:50 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【社説①・01.14:再審の法制度 欠陥直視し速やかに改正を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.14】:再審の法制度 欠陥直視し速やかに改正を

 司法の公正と人権を損なっている制度の欠陥は明らかである。速やかに改めるべきだ。

 刑事裁判をやり直す再審制度の見直しを、法務省が今春にも法制審議会に諮問するという。

 近年相次いだ再審無罪判決は、刑事司法と再審制度に放置できない問題があることをあらためて浮き彫りにした。

 捜査機関が証拠をほぼ独占し、開示手続きの定めがないことや、再審開始決定が出ても検察の不服申し立てにより、やり直し裁判まで極めて長期に及ぶことなどである。

 確定判決の誤りを正すことを妨げ、えん罪救済を遠のかせる重大な問題にほかならない。

 静岡県一家4人殺害事件で死刑判決を受けた袴田巌さんは2014年に再審開始決定が出たにもかかわらず、検察の抗告で再審までに9年を要し、昨年10月の再審無罪の確定までに58年を費やした。

 1986年の福井市中3女子生徒殺害事件は、検察の証拠開示で有罪立証の誤りが発覚し、再審開始が決まった。

 高まる批判の世論に押されて再検討する姿勢を見せたといえよう。

 一方で、えん罪問題に取り組んできた弁護士や当事者、家族などからは法務省の動きへの疑念の声が上がっている。

 超党派の国会議員でつくる「再審法改正を早期に実現する議員連盟」による法案提出との関係からだ。

 議員連盟は昨年3月に設立され、昨年11月の総選挙を経て現在は過半数を超える361人の与野党議員が参加している。

 法務省の方針転換には議連から法改正の主導権を奪う狙いがあるのではないか。

 そう指摘されているのは、これまでかたくなに後ろ向きの対応だったからだ。

 1980年代に免田、財田川、松山、島田の4事件で死刑判決を受けた人たちが相次いで再審無罪となって以来、法改正の機運が度々高まった。しかし、法務省が主導した協議は中途半端な形で放置されたままになっている。

 2022年には刑事司法の在り方を検討する協議会を設けたものの、初の会合は設置から1年以上が経過してからで、計3回しか開かれていない。

 その同省が委員の人選も含めて主導する審議会が、証拠開示の制度化や検察官による不服申し立ての制限などに正面から切り込めるのか。骨抜きにならないか。法務省は十分に情報を公開し、説明責任を果たさねばならない。

 この審議会は法改正の必要性から議論するため、先送りや結論をまとめるまでに時間を要する懸念も拭えない。

 えん罪の防止は喫緊の課題である。議員立法と並行して議論を加速させ、法の不備を正す必要がある。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月14日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・01.13】:「成人」のあなたに SNS情報、ひと呼吸置いて

2025-01-14 16:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説①・01.13:「成人」のあなたに SNS情報、ひと呼吸置いて

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.13】:「成人」のあなたに SNS情報、ひと呼吸置いて

 ♪信じれる何かが欲しい 解(ほど)けない絆が欲しい そうすればきっと僕らは 呆(あき)れないで居られる―

 3人組の人気ロックバンド「Mrs. GREEN APPLE」(ミセス・グリーン・アップル)が昨年11月の音楽イベントで、18歳の若者たち千人と一緒に歌うため作ったオリジナル曲です。聴いた人も多いでしょう。

 きょうは「成人の日」。18歳以上を「成人」とする改正民法の施行から3年となり、全国で109万人を数えます。少子化で、過去2番目の少なさだそうです。式典を開く市町村の大半は20歳が対象で、京都府は約2万6600人、滋賀県は約1万4800人といいます。

 皆さんの節目、社会を担う大人としての門出を歓迎します。

 多感な時期を新型コロナウイルス禍に直面し、社会や人とのつながりが阻まれる中で育ってきましたね。上の世代より、コミュニケーションツールで交流サイト(SNS)を多彩に使いこなすでしょう。

 昨年の衆院選や東京都、兵庫県の両知事選では、政党や候補者がライブ配信するなど、SNSの活用に若い世代も加わり、投票行動につながったとの指摘があります。自らの1票で従来の政治を変えられると、実感した人もいたのでは。

 本来、政治は身近なものなのです。

 世界最速の高齢化で社会保障費が膨らみ、現役世代の負担が増しています。国や自治体は少子化対策に力を入れます。

 でも一番大事なのは、皆さんが結婚、出産したいと思える社会かどうかではないですか。

 2016年に選挙権年齢が18歳に下げられましたが、10代、20代の投票率は3割台と低いです。今夏は参院選が行われ、京滋でも首長選を控える市町があります。ぜひ1票を投じ、思いを社会に伝えましょう。

 ただ、SNSで真偽不明な情報や誹謗(ひぼう)中傷が激しく飛び交っているのは、知っての通りです。自分でネット情報を探したつもりでも、根拠は信頼できるものなのか、ひと呼吸置いて考えてみましょう。

 身近な人と直接言葉を交わしたり、この新聞を役立ててもらったりしてはどうでしょうか。

 深刻化する「闇バイト」の問題も同じ。SNSやネットの掲示板で「ホワイト案件」「高額報酬」とうたい、応募すると個人情報を知られ、犯罪の実行役として加担してしまいます。

 気になるのは、SNSでたくさんの人とつながっていても、孤独を感じる若者が多いことです。10代、20代で自ら命を絶つ人も少なくありません。

 一人で悩まず、声を上げてください。大人の一員として、誰もが将来に不安を抱えないような社会づくりを考えていきませんか。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月13日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・01.12】:懲役の廃止 立ち直り支援の場に変革を

2025-01-14 16:00:30 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【社説①・01.12:懲役の廃止 立ち直り支援の場に変革を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.12】:懲役の廃止 立ち直り支援の場に変革を 

 日本の刑罰のかたちが今年、大きな転換を迎える。

 懲役と禁錮刑を廃止し、「拘禁刑」とする刑法改正が6月1日から施行される。

 明治時代からの懲役刑では刑務作業は罰であり、働くことは苦痛として科された。今回から創設される拘禁刑は、自由の制限にとどまり、刑務作業はあくまで受刑者が立ち直る「改善更生」の手段の一つである。

 収容者を呼び捨てにせず「さん」付けで呼ぶことや、刑務官を「先生」と呼ばせないなど、法務省は拘禁刑導入に先立ち、秩序維持を重視して人権意識が希薄だった組織風土の改善に乗り出している。

 受刑者が自分のことを語り、刑務官と対等に向き合う一般改善指導も導入された。人間関係を築き直すことこそ、社会復帰の一歩になるだろう。

 それには刑務官が、これまでの規律や管理の仕事を脱し、社会復帰への支援者であるとの意識改革を進めることは不可欠だ。さらに広く社会全体が、応報的な罪と罰についての固定観念を見つめ直し、罪を犯した人の立ち直りに心を寄せる必要があろう。

 改正法による刑務作業と改善指導の位置付けを巡っては、条文の解釈次第で人権侵害につながり、かえって重罰化になる危うさがあると刑法学者らが懸念している。

 刑務所長らの権限で、嫌がる人に懲罰を科すような運用をすれば、懲役と実態として変わらない。本人の主体性や意欲を重視し、刑務官との関わりの中に人間関係の温かさを感じられる処遇への転換こそが問われている。

 刑務作業は、働くことのやりがいに気付く体験を基本とすべきだ。就労につながる技能習得になるよう、今まで以上に工夫してほしい。

 矯正施設の実態に照らすと、制度上の課題は山積している。受刑者の高齢化率は上がり、認知症の受刑者も増えている。医療や福祉との連係は一層充実させる必要がある。立ち直りと更生を目的とする以上、認知症の人を拘禁し続けるのか、改めて議論する時期ではないか。

 懲役が廃止されるが、無期刑は存続する。併せて仮保釈の制度設計も検討すべきだろう。

 2021年に京都で開かれた「第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)」で採択された京都宣言では、再犯防止施策の充実も盛り込まれた。

 立ち直りの支援を「保護司」として、ボランティアが担う日本独特の制度についても、大津市の殺人事件を踏まえ、見直しの議論が進んでいる。

 日本の再犯率は47%と高止まりしている。元受刑者の立ち直りを阻む社会の壁を少しでもなくすよう、さまざまな職種や団体、市民社会が継続的に関わっていくことが求められる。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月12日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・01.14》:阪神大震災30年 悲しみ繰り返さぬために

2025-01-14 09:31:55 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

《社説①・01.14》:阪神大震災30年 悲しみ繰り返さぬために

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.04》:阪神大震災30年 悲しみ繰り返さぬために 

 神戸市中央区の「人と防災未来センター」は、市民や行政から寄せられた約20万点に上る阪神大震災の資料を所蔵、展示する。今年最初の開館日だった今月4日、子ども連れが目についた。

 線路の上をたくさんの人が黙々と歩く震災直後の写真を指さして、父親が娘に話しかけていた。「パパが10歳の時、みんなああして歩いたんやで」

 「電車、通ってなかったん?」と聞き返す娘に、父親が答える。「大きな地震で止まってしもた。ふつうに電車が走ってるって、とってもありがたいことなんや」

 この日、館内で同じような光景をいくつか見かけた。

 17日で、あの日から30年がたつ。観測史上初の震度7を150万人都市の神戸などで記録。死者6434人、行方不明者3人を数え、25万棟近くが全半壊した。

 その後、震度7の地震は、昨年の能登半島地震まで6回も起きた。その度に大きな被害が伝わり、備えの大切さが繰り返される。阪神大震災の教訓は生かされているのだろうか。

■思い込みの果て

 当時、被災した人たちは異口同音に「関西は大地震がないと思っていた」と言った。根拠のない思い込みが備えをおろそかにし対策の失敗を招いたと、兵庫県立大大学院教授の阪本真由美さんは、著書「阪神・淡路大震災から私たちは何を学んだか」で指摘する。

 災害対応の主体となる自治体は職員が被災し、機能不全に陥った。消防力は足りず、他地域からの応援隊もホースの規格と消火栓が合わなくて活動ができない。倒壊した家屋からの救出は居合わせた住民に頼るしかなかった。

 避難所も足りず、自治体の指定場所だけでなく公園や空き地で多くの人が身を寄せ合う。避難所の運営は、住民や教職員の自発的な取り組みに任された。

 避難生活は過酷だった。体育館で雑魚寝。食料も水も不足し、断水でトイレが使えない。感染症も流行した。生活環境の悪化で疲労やストレスがたまり、多くの災害関連死につながった。

 仮設住宅に移行しても問題が起きる。生活が困難な人の入居を優先させたために、地域の絆が断たれた。誰にも気づかれずに自ら命を絶ったり病気で亡くなったりする「孤独死」が相次ぐ。復興住宅に移っても、高齢化が進んで孤立が深まった。

 被災地の30年を追うと、現場任せでしのいできた日本の災害対応のありようが浮かぶ。

■関連死をなくせ

 その後、初動の人命救助は連携が進んだ。全国の消防や警察が広域で緊急援助隊を組み、活動できるよう体制が整備された。医療関係者による災害派遣医療チーム(DMAT)も生まれた。

 今も課題なのは助かった命を守る支援のあり方だ。

 30年間で自治体が認定した災害関連死は少なくとも5456人に上る。熊本地震や能登半島地震では直接死を上回った。

 避難所の環境改善が進まず、自宅や車中に避難する人に必要な支援が行き届いていない証しだ。避難所の運営や、民間ボランティアを生かす仕組みづくりの負担が、今も地元に重くのしかかる。

 政府はようやく、自治体に向けた避難所運営の指針に、被災者の権利保護を提唱し最低限の設備を定めた国際基準を反映させるよう動き出した。「防災庁」の設置を視野に態勢強化も図る。

 ただ、国に権限が集中して指示が一方的になり、現場が混乱したり人権が抑え込まれたりすることがあってはならない。

 自治体と協力して支援の仕組みを素早く構築し、物資や人材、財政面でしっかりと支えることが求められる。そのための意思疎通や人材育成にも、日頃から積極的に関わっていくべきだろう。

■日常に取り込む

 時間の経過とともに懸念されるのが、防災意識の低下だ。

 兵庫県が1年前に実施した県民モニターアンケートでも、8割が震災を経験していながら、家具の固定や携帯トイレの備蓄をしている人は、いずれも4割台だった。

 備えの大切さは分かっていても、お金や時間の余裕がなかったり、すぐに手をつける必要性を感じなかったりする人は多い。

 そこで注目されるのが「フェーズフリー」という考え方だ。特別な備えを用意するのではなく普段から使うものやサービスを非常時にも役立てるように変える。そんな発想で、計量容器にも使える目盛りがついた紙コップなどが開発されている。

 近所とのあいさつも、万が一の助け合いになると考えればフェーズフリーだろう。そんな目で暮らしや社会を見直せば、日常でもできる防災の気づきにつながる。信州でも取り組みを広げたい。

 温暖化で豪雨など自然災害が多発し、南海トラフ巨大地震が懸念される時だ。悲しみを繰り返さないために、阪神大震災から学ぶことは重みを増している。

 
 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月14日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【北朝鮮】:「捕虜になるなら自決や自爆」強要か…ロシア派兵で死傷者多数、情報漏れを警戒か

2025-01-14 06:49:30 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【北朝鮮】:「捕虜になるなら自決や自爆」強要か…ロシア派兵で死傷者多数、情報漏れを警戒か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【北朝鮮】:「捕虜になるなら自決や自爆」強要か…ロシア派兵で死傷者多数、情報漏れを警戒か 

 【ソウル=小池和樹】ウクライナが越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州に派遣された北朝鮮兵の実態が明らかになってきた。捕虜の証言や韓国の情報機関の分析によると、北朝鮮当局は詳細を知らせないまま兵士をロシアに送り、捕虜になるなら自決や自爆をするよう強要している模様だ。一方、ウクライナは捕虜の証言などを公開し、北朝鮮やロシアを揺さぶる狙いがあるとみられる。

 ◆捕虜交換

 「ロシアが捕らえたウクライナ軍兵士との交換ができるなら(北朝鮮兵士を) 金正恩キムジョンウン (朝鮮労働党総書記)に引き渡す用意がある」

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は12日、SNSへの投稿で、前日公表した北朝鮮兵捕虜についてウクライナ軍兵士との交換に応じる意向を示した。通訳を介した尋問の動画では、捕虜の1人が北朝鮮への帰国を望んだものの、もう1人はウクライナに滞在する意向を示したことも明らかにされた。

 ゼレンスキー氏は、報道機関による北朝鮮兵捕虜への取材を認める方針を示している。兵士を取り巻く厳しい内情を国際社会や北朝鮮国内にも拡散することで、ロシアとの連携を強化する金正恩体制への打撃を狙っているとみられる。

 ◆当局のメモ

 韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は13日の国会報告で、北朝鮮兵の死者が300人以上、負傷者は2700人を超えるとの見方を示した。韓国やウクライナは北朝鮮兵約1万1000人がクルスク州に派遣されたとみており、全体の3割弱が死傷したことになる。死傷者数に対して捕虜は極めて少ないと言えそうだ。

 これに関し、国情院は負傷して捕虜になりそうな場合には自爆や自決をするよう強要する北朝鮮当局のメモを、死亡した北朝鮮兵が所持していたと指摘した。出席した国会議員が記者団に明らかにした。

 捕虜になりかけた北朝鮮兵が「金正恩将軍」と叫び、手投げ弾で自爆を試み、ウクライナ軍に射殺されたケースもあったという。北朝鮮は派兵を正式に認めていない。北朝鮮の派兵に関する情報が漏れることを警戒し、生け捕りにはならないよう命じている可能性がある。

 ◆かん口令

 国情院は多数の死傷者が出た要因として、無人機攻撃への対応力の低さを挙げた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが11日報じた北朝鮮兵の日記には、北朝鮮兵が3人1組で無人機攻撃に対処する方針が記されていた。1人が「おとり」となって無人機に狙わせる「捨て身」の戦術だ。国情院は、後方支援がない「突撃戦術」も死傷者増加の一因とみている。

 北朝鮮国内では国民の動揺を抑えるため、かん口令が敷かれているが、派遣された兵士の情報が拡散している模様だ。国情院によれば、当局は兵士を英雄視し、家族らに食糧や生活必需品を提供しているが、兵士の家族からは「大砲の餌食だ」と心配する声が上がっているという。

 ■ウクライナ侵略、最新ニュースと分析

 ■「反抗の象徴」は今 衛星画像で見るマリウポリ

 ■国際ニュースを英語で読む

 元稿:読売新聞社 主要ニュース 国際 【アジア・北朝鮮・ロシア・ウクライナ侵攻】  2025年01月14日  06:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・01.14】:失政の証明(下)|町民が知らない「大任町しじみセンター」の惨状

2025-01-14 05:15:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER・01.14】:失政の証明(下)|町民が知らない「大任町しじみセンター」の惨状

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・01.14】:失政の証明(下)|町民が知らない「大任町しじみセンター」の惨状 

 「しじみの大ちゃん」は福岡県大任町のシンボルキャラクターである。町内のあちこちに掲げられている看板には「しじみの大ちゃん」(*下の写真)、道の駅「おおとう 桜街道」の特産売り場にいる「しじみの大ちゃん」のセリフは『おおとう名物 しじみのパワーで毎日元気』となっている(*下の写真)。

 これだけ宣伝されれば、誰もが“しじみ”は大任町の特産物だと思うはずだ。しかし、陳列商品に使われているしじみに大任町産は1個もなく、裏ラベルに記載された確認可能なしじみの産地が、「中国」「インド」(*下の写真)だったことは報じてきた通りである。(⇒ 既報1既報2

 一体、町は何を根拠に“しじみ”を名産品として位置付けてきたのか――。調べてみたところ、永原譲二町長が進めてきた施策の一環として、しじみの養殖場「大任町しじみセンター」が2014年(平成26年)頃に稼働していたことが分かった。10年以上も前からしじみの養殖に取り組みながら、いまだに出荷量はゼロ。明らかにおかしい。しじみの養殖場に行き現状を確認した。

 ■養殖失敗

 結論から述べる。しじみの養殖は失敗しており、その結果が「出荷量ゼロ」なのだ。養殖場に行ってみればわかるが、荒れ放題に等しく、まともに稼働しているとは思えない。明らかな「失政」だが、おそらく永原町長は、町民に真実を告げようとはしないだろう。

 都合の悪い話になると、はぐらかしたり議論のすり替えを行ったたりで逃げを打つのが永原流。いつものように「しじみの養殖場では、ちゃんと研究を進めている」などとごまかす可能性が高い。しかし、現状を見れば、いかなる言い訳も通用しないことが分かる。下は昨年12月中旬にハンターの記者が撮影した養殖場の様子。養殖プールの中は“藻”で緑色になっている。

 これは、まだいい方で、昨年10月の初めに同町の次谷隆澄、宮地篤両町議会議員が緊急視察した際はもっと酷い状態だった。下が次谷議員提供の現地画像だが、藻の緑は現状よりかなり濃い。

 両議員の視察を受けて「これはまずい」と藻を除去したものの、12月になって再び緑のプールに戻ったといったところだろう。

 最悪なのは、昨年10月の初めに次谷議員らが視察した時の一部のプールの状態(*下の写真)。なんと“草茫々”という惨状だった。水がない以上、しじみは育たない。

 養殖プールは草茫々か、あるいは“藻”だらけ。こうした状態を何年間も続けてきたというのだから開いた口が塞がらない。“失政隠しのための事業継続”という構図が浮かび上がる。

 ■「しじみは順調に育っています」は嘘だった?

 「失政ではない」と強弁するため、永原流の様々な言い訳が出てきそうだ。しかし永原氏には、しじみ養殖に関しては「嘘」を重ねてきた疑いさえある。覚えている町民がどれほどいるのか分からないが、参考までに紹介しておきたい。町が発行している「広報 おおとう」の2014年(平成26年)4月号(NO.273)の記載内容である(*広報にある赤い囲みはハンター編集部)。

 自慢げに両手を広げて自身の施策をアピールする永原町長は、“しじみの養殖”について次のように述べていた。

 残念ながら、しじみが“順調”に育っていないかったことは、ハンターが大任町に行ったしじみの出荷量に関する情報公開請求の結果――「実績はありません」――が明確に示している。

 養殖が失敗したことを町民に知られないよう、永原氏は養殖場を閉じるという選択をしていない。当然、養殖場の維持費が毎年出ていく。下は、次谷町議の調べで判明した年度ごとのしじみ養殖場への公費支出額。10年間で2,000万円を超えている。これとは別に養殖場の建設費がかかっていたはずだが、かかった費用の開示請求に対し、町は「保存期間の経過により廃棄」として不開示を通知してきている。

 業者との契約書を廃棄するわけがないし、決算書類から契約額を割り出すのも簡単。町はハンターの抗議に対し「調べ直す」としているが、“建設費を知られるとまずい”という思惑が透けて見える展開となっている。

 しじみに関する失政を隠すために永原氏が考えそうなことは、道路整備にかこつけて養殖場を廃止し、存在そのものをなかったことにすることぐらいかもしれない。いずれにせよ永原氏は、養殖失敗の事実を町民に知らせ、謝罪するべきではないのか。公費を使って5万円と米5キロで町民の関心をかっても、失政の責任を回避することはできない。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治体・福岡県田川郡大任町・シンボルキャラクター「しじみの大ちゃん」が町内のあちこちに掲げられている福岡県大任町・大任町のしじみ出荷量は過去から現在まで「ゼロ」の実態】  2025年01月14日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・01.10】:失政の証明(中)|衝撃! 大任名物「しじみ」じつは出荷量ゼロ

2025-01-14 05:15:20 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER・01.10】:失政の証明(中)|衝撃! 大任名物「しじみ」じつは出荷量ゼロ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・01.06】:失政の証明(中)|衝撃! 大任名物「しじみ」じつは出荷量ゼロ 

 シンボルキャラクター「しじみの大ちゃん」が町内のあちこちに掲げられている福岡県大任町。道の駅「おおとう 桜街道」の特産売り場にも「しじみ」入りの商品が並ぶ。しかし、商品の裏ラベルに記載された確認可能なしじみの産地は「中国」「インド」。大任町産のしじみは出てこない。

 しじみの大ちゃんの生まれはどこかーー?興味を持ったハンターの記者が大任町に情報公開請求したところ、驚くべき失政の現状が明らかとなった。大任町のしじみ出荷量は過去から現在まで「ゼロ」。大任町産のしじみは、どこにもいない。

 ■「大任町名物」と謳っているが・・・

 大任町にしじみ関連で開示請求したのは、次の3項目だ。

・大任町がしじみの養殖場を整備した際の整備費、設計業者と設計費用、建設業者と建設費用、入札結果がわかる文書。

・大任町が「おおとう大ちゃん納豆」の生産で使用している「しじみエキス」または「しじみ」の購入先と購入金額がわかる文書(過去分を含む)。

・大任町が町内の養殖場で養殖したしじみの年度ごとの出荷量と出荷額(過去分含みすべて)。

 これに対し、同町が開示を決めたのが「しじみエキス」または「しじみ」の購入先と購入金額がわかる文書だけ。養殖場の整備に関する文書は保存期間の5年が過ぎたため廃棄して不存在。最も重要なしじみの出荷量についての回答が、下の決定通知である。

 「実績はありません」――つまり出荷量「ゼロ」ということだ。大任町にしじみの養殖場ができて10年あまり経っているというが、実はこの間、大任町産のしじみは一個も出荷されていない。しじみの養殖に失敗したのは明らかだが、永原町政はその「失政」について一切公表していない。

 問題は、町内産のしじみがないにもかかわらず、町の特産品として「しじみ」を使った商品を売っている大任町の姿勢だ。前稿で述べた通り、道の駅「おおとう 夢街道」には「大任町名物 しじみのパワーで毎日元気」と謳って、様々なしじみ関連食品が陳列されている。

 ちなみに、田川地域を流れる彦山川でしじみが採れたというが、それは昔の話。現在は見かけることさえないらしく、存在しない個体を大任町が製品化している「おおとう 大ちゃん納豆」などに使用するのは不可能だ。ある福岡県民は、しじみに関する大任町の姿勢について憤りを隠そうともせずこう話す。

 「大任町に来ると、“花としじみの里”という文句にしじみのキャラクターが描かれた看板がいたるところに立っているじゃないですか。道の駅には“しじみ”の商品が置いてあって、そこに名物と謳ってあれば、当然大任町でしじみが採れていると思いますよ。納豆のタレに入っているしじみエキスは、大任町のしじみのエキスだとばかり思っていました。それが違うなんて……。しじみ商品が使っているしじみの産地は中国とかインドとあるのが分かったから産地偽装とは言えないんでしょうが、なんだか詐欺的な商売みたいで気分が悪いですね。しかし行政機関がこんなマネしていいんですかね?」

 確かに、「おおとう しじみの大ちゃん納豆」を製造しているのは大任町(*下の写真。赤い囲みと矢印はハンター編集部)。「花としじみの里」を大々的に宣伝してきた同町のトップとして、しじみの出荷量がゼロだという現実を永原町長はどう説明するのだろうか。

 ところで、大任町のホームページで「しじみ」についての取り組みを調べたところ、「養殖場」を整備するという記述が見つかった。しじみの養殖場「大任町しじみセンター」がどこにあるのか地元の人に聞いて現地を訪れたところ、そこで見たのは、まさに「失政」を証明する惨憺たる状況だった。(以下、次稿)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治体・福岡県田川郡大任町・シンボルキャラクター「しじみの大ちゃん」が町内のあちこちに掲げられている福岡県大任町・大任町のしじみ出荷量は過去から現在まで「ゼロ」の実態】  2025年01月10日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・01.06】:失政の証明(上)|“大任町産しじみ”は何処(いずこ)

2025-01-14 05:15:10 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER・01.06】:失政の証明(上)|“大任町産しじみ”は何処(いずこ)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・01.06】:失政の証明(上)|“大任町産しじみ”は何処(いずこ)  

 暴力団の企業舎弟から地域の大実力者にのし上がった大任町の永原譲二町長が昨年12月、町議会定例会の冒頭で、赤ん坊からお年寄りまですべての町民に現金5万円と米5㎏、さらには大任町名産の「おおとう 大ちゃん納豆」やにんにくドレッシングまで付けて支給することを公表した。支給開始は今年2月3日。翌3月の町長選挙をにらんだ露骨な“ばら撒き”である。町民は「くれるものなら貰っておこう」と考えるはずで、実際、町内から批判の声は聞こえてこない。しかし、過大なばら撒きの背景に「失政隠し」があるとすれば話は別。町の将来のためには、5万円と米を前に、歪んだ現実と向き合うことも必要だ。

 ■町の各所に「しじみの大ちゃん」

 大任町内のいたることころに掲示さえているのが「しじみの大ちゃん」。大任町のシンボルキャラクターだ(下の写真)。

 田川地域の8市町村が整備を進めてきたごみ処理施設の建屋にも、存在を誇示するためか、ひときわ大きく「しじみの大ちゃん」が描かれている(下の写真)。

 ■“貝殻付きのしじみ”はどこに?

 道の駅「おおとう夢街道」の売り場には、しじみ関連商品がズラリと並ぶ。

 いずれの商品にも確かに「しじみ」が入っており、中でも町が現金5万円とともに支給を決めた「おおとう 大ちゃん納豆」(下の写真)は人気だという。

 大任町がシンボルキャラにしているだけに、大ちゃん納豆をはじめいずれの名産品にも「しじみ」のエキスが入っている。しじみそのものの佃煮もある。だが、道の駅の売り場のどこを探しても、貝殻の寝床で眠る「しじみ」の現物は、ない。地域の名産品として「しじみ」を売り出している以上、貝殻付きがあるはずだが、見当たらない。

 例えば、しじみの産地として有名な宍道湖がある島根県内の土産屋には、必ず貝殻付きのしじみが置いてある。下は昨年12月、全国で唯一県庁所在地にある島根原子力発電所2号機の再稼働を取材した折に買ってきたもの。貝殻付きのしじみである。

 道の駅「おおとう桜街道」には、こうした貝殻付きのしじみがない。だが、しじみを名産品として扱っている以上、佃煮やエキスは大任産に違いない。そう思って商品を手にしてみたところ……。

 なんと、原材料名として記されているしじみの産地は「インド」や「中国」。他も確認したが、大任町産のしじみを使った商品は一つもない。これは一体どうしたことか?まさか、「しじみの大ちゃん」はインドや中国生まれということなのか?そういえば、取材のため大任町に通うようになってもいうじき4年になるが、町内で貝殻付きしじみの現物を見たことがない。町のシンボルにまでなっている「しじみ」はどこにいるのか、調べてみることにした。

(次稿につづく)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治体・福岡県田川郡大任町・暴力団の企業舎弟から地域の大実力者にのし上がった大任町の永原譲二町長を巡る数多くの疑惑】  2025年01月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・01.14】:シリア新体制 暴力と決別し国民融和を図れ

2025-01-14 05:00:55 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説①・01.14】:シリア新体制 暴力と決別し国民融和を図れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.14】:シリア新体制 暴力と決別し国民融和を図れ

 半世紀にわたる恐怖政治からは解放されたものの、独裁と内戦で深まった社会の分断を克服するのは容易ではない。

 暫定政権はまずは暴力と決別し、国民の融和を図らなければならない。

 シリアでアサド政権が崩壊してから1か月が過ぎた。政権を倒した武装勢力は暫定政権を組織し、閣僚を任命するなど新体制作りを本格化させている。

 しかし、内戦は終結したとはいえ、北東部では米軍と連携するクルド人勢力と、トルコが支援する勢力の戦闘が続く。国全体の暴力停止と統合はなお見通せない。

 国民の間に残る相互不信が、統合を阻む要因となっている。

 シリア国民の多くはイスラム教徒のアラブ人だが、クルド人やキリスト教を信仰するアルメニア人もいる。国造りや新たな憲法制定にあたっては、民族、宗教などを理由とする差別禁止や、女性の権利尊重を基本に置くべきだ。

 政権崩壊後、かつて処刑された政治犯の集団埋葬地が各地で発見されるなど、独裁体制下の暗部が明らかになった。2011年からの内戦で行方不明になった人は約15万人という。アサド政権の非道ぶりに改めて 慄然 りつぜん とする。

 弾圧の責任追及を求める国民の声を踏まえ、暫定政権は「特別法廷」の設置を決めた。恐怖政治の蛮行を明らかにし、公正な裁きを下すことで、法の支配を確立することが求められる。

 内戦で荒廃した国土の復興には、国際社会の支援が不可欠である。だが、暫定政権の主体は、自爆攻撃や拉致を繰り返したイスラム過激派が源流の「シャーム解放機構(HTS)」で、米国などはテロ組織に指定している。

 米欧などはアサド政権に対し、テロ支援を理由に経済制裁を科してきた。国際社会は、HTSを主体とする暫定政権が平和的に統治を進められるかを慎重に見極めながら、制裁やテロ組織指定の解除を検討すべきだ。

 シリアの体制転換で、中東の力学は一変した。アサド政権を支えてきたロシアとイランの影響力が弱まり、両国からの穀物やエネルギーの供給も停止したという。このため、国民生活の困窮が懸念される状況にある。

 暫定政権の外相はサウジアラビアなどのアラブ諸国を訪ね、支援を要請している。平和を取り戻しつつあるシリアが生活不安などから混乱に逆戻りしないよう、関係国は、本格的な制裁解除とは別に緊急支援を始めるべきだろう。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月14日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・01.14】:住宅火災の多発 電気器具や配線周りの点検を

2025-01-14 05:00:50 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【社説②・01.14】:住宅火災の多発 電気器具や配線周りの点検を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・01.14】:住宅火災の多発 電気器具や配線周りの点検を

 太平洋側を中心に、住宅火災が相次いでいる。空気が乾燥しているため火の回りが早く、死者も多い。各家庭で火元になりそうな場所を点検し、防火対策に努めたい。 

 東京消防庁によると、都内で昨年起きた住宅火災の死者は計82人で、11、12月だけで30人に上る。11月下旬に自民党国会議員の自宅マンションが全焼して2人が死亡し、大みそかには住宅10棟が焼ける火事で2人が亡くなった。

 今年も新年早々、北海道内で同じ日に3件の住宅火災が相次ぎ、3人の死亡が確認された。

 今冬は日本海側が大雪に見舞われる一方、太平洋側は雨が少ない状況が続いている。例年、4月頃までは火災の件数が多い。当面は厳重な警戒が必要だ。

 近年は全国的に電気器具からの出火が増加し、原因の第1位になっている。電源コンセントやプラグの周辺にほこりや湿気がたまり、異常発熱が起きて発火に至るケースが目立っている。

 このほか、スマートフォンの充電に使うバッテリーを暖房器具のそばに置いてしまい、内部に熱がこもって発火することもある。

 たばこやガスコンロ、石油ストーブなど、直接火を使う際に気をつけるのはもちろん、こうした電気器具や配線周りなどにも十分に留意してもらいたい。

 住宅火災の死者には、高齢者が多いという事実も見逃せない。全国で年間約1000人に上る死者のうち、65歳以上が7割を占めている。病気があったり、身体が不自由だったりして逃げ遅れる人が少なくないようだ。

 消防法では、煙や熱を感知し、火災の発生をいち早く音声で知らせる「住宅用火災警報器」の設置が義務づけられている。

 この警報器が取り付けられている住宅は、未設置の住宅に比べ、死者数や焼失面積が大幅に少ないことが分かっている。素早い消火や避難につながるためだ。

 しかし、高齢者が以前から暮らしている古い家には、こうした警報器が設置されていないこともある。自治体によっては、購入費用を補助する制度を設けているところもある。様々な形で設置を進めていくことが大切だろう。

 最近は、近隣住宅の警報器を無線でつなぎ、延焼防止を目指す取り組みが進んでいる。AI(人工知能)搭載のカメラで火災発生を24時間監視する地域もある。

 逃げ遅れは夜間だけでなく、日中にも起きている。普段から避難経路を確認しておきたい。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月14日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・01.13】:日銀政策検証 効果と限界を見極めて教訓に

2025-01-14 05:00:45 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説①・01.13】:日銀政策検証 効果と限界を見極めて教訓に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.13】:日銀政策検証 効果と限界を見極めて教訓に

 日本は、先進国で例がない長期のデフレや経済の低迷に苦しんできた。日本銀行が取り組んできた金融緩和策の効果と限界を検証した結果を、政策運営に生かすことが大切だ。

 日銀は過去25年間の金融政策の効果を検証する「多角的レビュー」を公表した。2023年4月に就任した植田和男総裁が作成を指示し、外部の有識者を含め、幅広い意見を聞きながらまとめた。

 日本経済は、金融機関の不良債権問題が深刻化した1990年代後半に、物価が持続的に下落するデフレに陥った。日銀は99年にゼロ金利政策、2001年には量的緩和策と、相次いで異例の政策を導入し、景気を支えた。

 主要先進国の中では特異な経験を重ねてきただけに、政策の評価を整理しておく意義は大きい。

 注目されたのは、黒田東彦前総裁が、2年程度で2%の物価安定目標を達成するとして、13年春に導入した「異次元」の金融緩和策への評価である。

 レビューは国債市場の機能不全を招いたことなどの副作用を指摘した。その上で、経済や物価を一定程度押し上げ、デフレではない状態となることに貢献したとし、全体としてみれば「プラスの影響をもたらした」と総括した。

 ただし、「導入当初に想定したほどの効果は発揮しなかった」と政策の限界も認めた。おおむね妥当な評価であろう。

 レビューで物足りないのは、金融政策と為替市場の関係が十分に掘り下げられていないことだ。

 金融政策は、物価の安定を図ることを目的とし、為替への対応は直接の政策目的にしていない。

 しかし、実際には政策金利の動向は、為替市場に大きな影響を与える。コロナ禍前までは、過度な円高が輸出競争力をそぐ問題が日本経済に重くのしかかり、日銀も配慮をしてきたはずだ。

 それが、現在は、デジタルやエネルギー分野で海外への支払いが膨らみ、巨額の貿易赤字や過度な円安、物価高を招いている。

 植田総裁が金融政策の正常化を進める上では、こうした課題への分析も深めていく必要がある。

 また、日銀が大規模に国債を買い入れ、長期金利を抑え込んだ結果、政府の財政規律の緩みを招いたとの批判も根強い。だが、この点も踏み込んだ評価を避けた。

 日銀にとって財政政策は管轄外との考え方はあるのだろう。それならば、政府側なども交えた別の枠組みの下で検証していくことも、有用になるのではないか。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月13日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・01.13】:成人の日 非効率な遠回りも楽しみたい

2025-01-14 05:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説②・01.13】:成人の日 非効率な遠回りも楽しみたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・01.13】:成人の日 非効率な遠回りも楽しみたい

 変化のスピードが速く効率が重視される時代に大切なものは何なのか。これからの日本を支える若い世代が思い巡らせる一日になってほしい。 

 きょうは「成人の日」である。2006年生まれの18歳、109万人が晴れて新成人となった。

 18歳は大学受験を控えた人も多く、大半の自治体は、主催する成人式の参加対象者を従来の20歳としている。18歳を対象に式典を開いてきた三重県伊賀市や大分県国東市も市民らの要望を受け、今後は20歳を対象に戻すという。

 このため18歳は大人の仲間入りだとの実感を持ちにくいかもしれないが、様々な契約を結ぶことが可能となり、クレジットカードも作れるようになる。

 その分、多重債務などのトラブルに巻き込まれるリスクが高まる点にも注意が必要となる。

 高額な報酬を誘い文句に若者を犯罪に加担させる「闇バイト」が横行している。手っ取り早くお金を稼げる話などない。遠回りに見えても、地道な努力を積み重ねることが将来につながるはずだ。

 最近は若者を中心に、費やした時間に対する効果を重視する「タイムパフォーマンス」という価値観が広がり、「タイパ」という言葉が定着している。

 情報を瞬時に分析する生成AI(人工知能)の発達が、効率重視の風潮に拍車をかけたとされる。映画を倍速で視聴する若者の姿を紹介した新書も話題となった。

 こうした若者の行動の背景には情報過多の社会で友達との話題に乗り遅れたくないための処世術や、余計な時間を使うことを過度に嫌う気質もあるようだ。

 時間を有効に使いたいという考え方自体は否定すべきものではない。日本の国力が低下し、希望の持ちづらい社会で、効率的に目的を達成するための行動が広がるのは、ある意味では必然だろう。

 だが、タイパ主義が行き過ぎると、回り道をすることが「無駄」や「失敗」とみなされ、挑戦する心が失われないだろうか。

 科学や産業の歴史を見ても、革新的な発見や発明は、無数の失敗や、一見無駄に見えるような遠回りの過程で生まれることが多い。教育現場では読解力向上のため、1冊の本を長期間かけて読む「精読」を取り入れる学校もある。

 今の若い世代は、真面目でボランティア精神なども旺盛だと言われる。そうした美点を生かしつつ、未知の世界に飛び込む気概や回り道を楽しむ心の余裕も持ってみてはどうだろうか。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月13日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・01.12】:実家じまい 親子で事前に話し合いたい

2025-01-14 05:00:35 | 【超高齢化・過疎・孤立・終活・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅性自治体】

【社説①・01.12】:実家じまい 親子で事前に話し合いたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.12】:実家じまい 親子で事前に話し合いたい

 離れて住む両親が亡くなった後、実家をどうすべきか、途方に暮れる人は少なくない。親子で家の処分や活用の方法を、あらかじめ話し合っておくようにしたい。 

 親が死去したり、施設に入所したりした後、家族が残った家を整理する作業は「実家じまい」と呼ばれる。最大の問題は、家屋と土地の取り扱いではないか。

 東京の不動産会社が実家を売却した人を対象に、処分にかかった期間を調査したところ、6か月未満が7割を占めた。その際の苦労や後悔を尋ねると、「思うような価格で売れなかった」という回答が4割に上ったという。

 実家をどうするのか考えていない状況で親が亡くなり、相続税の納付期限を念頭に、急いで売却する人が多いのだろう。相続の際、権利関係を巡って親族間でトラブルになることもある。

 実家から離れて暮らす人は、実家じまいにかかる手間や費用の負担が特に大きい。全国の空き家は900万戸に上り、30年前から倍増した。このうち、385万戸は、用途が決まらないまま放置されている可能性があるとされる。

 家は構造や築年数のほか、立地が都市か地方かによって資産価値に幅がある。賃貸に出したり、セカンドハウスとして活用したりする選択肢もあろう。事前に親の意向も確認し、きょうだい間で共有しておくことが重要だ。

 とはいえ、不動産の知識のない人が家や土地の処分や活用の方法を検討するのは難しい。多くの自治体が、司法書士や税理士らによる無料相談会を開いている。まずは専門家に相談し、どのような方法があるかを知っておきたい。

 実家じまいの際には、家具や衣類、食器のほか、車や農機具などをどうするかも悩みのタネだ。実際に片付ける段になると、どこから手を付けたらいいか分からないという人もいるに違いない。

 処分の方法を決める際には、親の意見に耳を傾けることも大事だ。実家にある品々は、親の生きた証しであり、家族の思い出も詰まっている。「本当に必要なの?」などと詰問すれば、親の心をむやみに傷つけかねない。

 話し合いの結果、手元に置いて残すものと、廃棄するものを書き留め、少しずつ段ボールに仕分けしておくことも一案である。

 年末年始に帰省した人もいるだろう。自分が生まれ育ち、今も親が暮らす実家の処分となると、決断も容易ではないはずだ。新しい年に時間をかけて考えたい。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・01.12】:首相アジア訪問 重層的協力で地域の発展図れ

2025-01-14 05:00:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説②・01.12】:首相アジア訪問 重層的協力で地域の発展図れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・01.12】:首相アジア訪問 重層的協力で地域の発展図れ

 国際情勢が流動化する中、日本がアジアの安定と繁栄に尽力する姿勢を示せたとすれば、意義は大きい。今後も重層的な協力を深めたい。 

 石破首相がマレーシアとインドネシアを訪問した。

 マレーシアは今年、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国を務める。インドネシアはASEAN最大の人口と経済規模を誇り、今後の成長が期待されている。

 首相は年明けに訪韓する予定だったが、韓国政界の混乱で断念した。突然の訪問先の変更だったが、アジアを選んだのは妥当だ。

 首相はインドネシアのプラボウォ大統領との会談で、行政官の育成を支援すると表明した。延べ約7200人が対象で、日本の企業や自治体などで受け入れる。

 インドネシアは民主的な統治が進んでいるが、いまだに汚職など腐敗が後を絶たないとされる。

 日本が行政官の育成に携わり、政治や経済システムの健全化に協力していくのは大事なことだ。こうした取り組みは知日派を増やすことにもつながり、望ましい。

 首相とプラボウォ氏はまた、外務・防衛閣僚会合(2プラス2)を年内に開くことや、艦艇の共同開発に向けて防衛当局間で協議を進めていく方針を確認した。

 インドネシアは、中国との関係を深めながらも、南シナ海の権益を巡っては対立している。日本とインドネシアで防衛協力を深めていくことは重要だ。

 また、首相はマレーシアのアンワル首相との会談で、岸田前政権が提唱した、アジアの脱炭素化の構想を進めることで合意した。

 この構想に基づいて既にマレーシアでは、日本企業が参画して、二酸化炭素を排出せずに水素を生産するプラントの建設計画が始まっている。日本が持つ優れた知見や技術をASEANの温暖化対策に生かしていきたい。

 近年、中国はASEANを経済面で支援し、影響力を強めている。ASEANの多くの国は、中国の覇権的な活動を批判しているが、決定的な対立は避けたいというのが本音だろう。

 日本が大上段に構えて法の支配の重要性など普遍的価値を唱えても、各国のそうしたスタンスを変えるのは容易ではあるまい。

 日本は長年、政府開発援助(ODA)を通じてASEAN各国を支援してきたが、近年は人材の供給源としてASEANを頼るようになった。日ASEANが対等な立場で協力を積み重ね、信頼を一層醸成していくことが大切だ。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・01.14】:札幌の運動施設 整備のあり方広く議論を

2025-01-14 04:05:55 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【社説①・01.14】:札幌の運動施設 整備のあり方広く議論を 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.14】:札幌の運動施設 整備のあり方広く議論を 

 札幌市が冬季五輪の競技会場として検討したスポーツ施設整備について、ほぼ計画通りに進める方針を示している。施設は老朽化し更新が必要だという。

 市民の健康づくりをはじめ、選手の育成、観光の面からもスポーツ振興は大事だ。
 
 ただ五輪招致は実現せず、国からの補助金は見込めなくなった。資材高騰や人手不足で整備費はかさむ。環境保全の課題も浮上した。
 事業を進める前提条件が大きく変わったと言える。ここはいったん立ち止まるべきだ。
 スポーツ施設整備のあり方を巡り、市議会はもちろん、広範な市民論議の場が必要だ。
 秋元克広市長は昨年11月の記者会見で大倉山ジャンプ競技場(ラージヒル)にノーマルヒルを併設する「デュアル化」を計画通り進める考えを表明した。
 デュアル化は世界の趨勢(すうせい)だ。競技団体も望む。ただ整備には約1万平方メートルの人工林伐採が必要で、招致計画では90億円だった整備費の上振れも必至だ。
 秋元市長は現在のリフトをゴンドラに替え、観光施設としても活用する考えを示したが、競技者からは手軽に移動できるリフトが便利との声もある。
 費用を負担するのは市民であり、丁寧な合意形成が必要だ。整備費の新たな積算や人工林伐採に伴う環境への影響などのデータや情報を分かりやすく提示し、市民や競技団体、観光関係者らから大倉山の将来像について幅広く意見を聞くべきだ。
 デュアル化すれば宮の森競技場(ノーマルヒル)は廃止となる。1972年札幌五輪で日本勢が表彰台を独占した記憶を何らかの形で継承したい。
 市は72年大会でアイスホッケー会場だった月寒体育館を大和ハウスプレミストドーム(札幌ドーム)の敷地内に移転し、アイスリンクに加え、多目的アリーナを新設する方針だ。
 バスケットボールのレバンガ北海道は本拠地の道立総合体育センター「北海きたえーる」の改修費2億円を全額負担し、Bリーグ・プレミアの参入条件を満たした。市は、よりグレードが高いアリーナを将来の本拠地としてもらう計画だ。
 
 ただ市議会には過剰な整備だと見る向きもある。市は民間資金を活用する方針で2社から提案を受けた。採算性など納得のいく説明が求められる。
 
 五輪招致を巡っては、ドームに隣接する国有地を取得した上で、月寒体育館を移転し、将来的に周辺をスポーツパークとする構想があった。構想を生かすのか否かの議論も欠かせない。 
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月14日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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