路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:海洋プラの削減 小さな一歩を育てたい

2019-06-21 06:05:25 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【社説①】:海洋プラの削減 小さな一歩を育てたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:海洋プラの削減 小さな一歩を育てたい 

 20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合が、海のプラスチックごみ(廃プラ)対策で初の国際的な枠組みの構築に合意した。

 各国が自主的に取り組みを進めるとともに、検証のため、定期的な情報共有の仕組みをつくる。

 共同声明に「海洋流出の抑制へ速やかに取り組む」との文言が盛り込まれたことは前進だ。

 一方、数値目標は見送られ、削減への道筋も示さなかった。合意を優先した結果だが、このままでは実効性が疑われる。

 議長国として、共同声明を足がかりに、さらに一歩踏み込むよう働きかける責務がある。

 日本は1人当たりの排出量、輸出量で世界第2位だ。各国に対策を呼びかけるには、国内の取り組みも加速しなければならない。

 不十分な回収や保管で海に流れ出た廃プラは、紫外線などで砕けて生態系に影響を与える。

 流出量は少なくとも年間800万トンに上り、その半分近くを排出するG20の合意は意義がある。

 この間、欧州を中心に各地で使い捨てプラ製品の使用を制限する動きが広がった。一方、新興国などでは利用増も見込まれる。

 新たな枠組みを、まずは利害の異なる国や地域が広く参加できるものにしたのはやむを得まい。

 重要なのは、これを出発点に削減を確実に進めることだ。各国が数値目標を掲げ、達成状況を確認し合う仕組みが欠かせない。

 そのためには、途上国も基礎的なデータの収集やリサイクル体制の整備を進める必要がある。日本が貢献できる分野だろう。

 海洋プラごみの流出実態を解明し、流出を防ぐことは重要だが、使い捨てプラ製品の使用や製造の抑制も避けては通れない。

 日本の廃プラ処理は焼却中心で温暖化防止の観点から問題だ。年間約100万トンを輸出してきた「使い捨て大国」でもある。

 政治主導で取り組む各国に比べ対応が大幅に遅れている。

 ルワンダは2008年にレジ袋の製造、輸入、使用を禁止した。カナダは21年にも、プラ包装の商品を扱う企業などに、再利用の責任を負わせる方針だ。

 日本もG20を前に、使い捨てプラ容器の排出量を30年までに25%減らすなどの「プラスチック資源循環戦略」をまとめたが、実現に向けた行動計画が求められる。

 政府はレジ袋を早期に有料化する考えだ。廃プラのごく一部にすぎないとしても、消費者の意識を変える契機にする必要がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月19日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:道政執行方針 早急に施策の肉付けを

2019-06-21 05:05:55 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【社説①】:道政執行方針 早急に施策の肉付けを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:道政執行方針 早急に施策の肉付けを 

  鈴木直道知事は定例道議会で、初めて道政執行方針を説明した。

 「新たな時代に躍動する北海道」の実現に向け、基本姿勢に「ピンチをチャンスに変える」「新たな発想で攻める」「地域と共に考え行動する」の3点を掲げた。

 人口減と高齢化が全国よりも速いペースで進む北海道で、持続可能な地域を築くことができれば、同じような課題に悩む日本各地の希望になるという意気込みは、それなりに伝わった。

 だが、その危機をはね返す方策となると、まだ具体性に乏しく、物足りない。

 25日からの代表質問と一般質問で掘り下げた議論を交わし、輪郭を明確に示してほしい。

 知事の言うピンチの最大の要因は人口減だろう。

 対策の一つに、都市部に住みながら地域イベントなどに継続的に参加する「関係人口」の拡大を盛り込んだ。

 ただ、これ以外は多子世帯の保育料の負担軽減や共働き世帯の子育て支援強化など、道内の市町村の多くが既に実施している事業を列挙した印象が否めない。

 広域自治体である道のトップは、こうした市町村の取り組みを有機的に結び付け、地域全体で人口減を抑制する構想を打ち出してもらいたい。

 北海道ゆかりの経済人から資金を集める目玉政策「ほっかいどう応援団会議」も、道と道内市町村のプロジェクトを発信し、支援を仰ぐ以上の説明はなかった。

 資金をどう調達し、地域活性化に生かすのか。具体的な方法を早急に詰めなければならない。

 JR北海道の赤字路線問題に関しては「公共交通全体を俯瞰(ふかん)した中で鉄道が果たす役割を考えていくことが必要」と訴えたが、深入りを避けた。

 解決策を地域に丸投げせずに、道が主導して道路や空路を含む道内交通網の将来像を探るべきだ。

 カジノを含む統合型リゾート施設の誘致についても「道民の目線を大切に判断する」と、知事選での訴えを繰り返した。

 ギャンブル依存症拡大への不安などから道民に反対論が根強くあり、是非をゼロから議論する必要がある。

 道議会の全5会派は、質疑応答を一字一句すり合わせる答弁調整の見直しで合意し、代表質問から導入される運びだ。

 その効果を十分に発揮し、北海道の将来像を肉付けしていく真剣な論戦を求めたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月21日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:新潟・山形地震 津波対策はすぐ高台へ

2019-06-21 05:05:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説②】:新潟・山形地震 津波対策はすぐ高台へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:新潟・山形地震 津波対策はすぐ高台へ 

 山形県沖を震源とするマグニチュード6・7の地震が起き、新潟県を震度6強の揺れが襲った。

 山形、新潟、石川の3県の沿岸部には、津波注意報が出され、多数の住民が避難した。2011年の東日本大震災を思い出した人も多いのではないか。

 気象庁によると、今後1週間ほどは震度6強程度の地震が発生する恐れがある。

 16年の熊本地震でも2回目の大きな地震が震度7の本震だったことは記憶に新しい。引き続き警戒を怠らないでほしい。

 建物の倒壊や斜面崩壊、液状化による道路の陥没・隆起も起きている。政府や自治体など関係機関は、住民の安全を最優先に、復旧作業を急いでもらいたい。

 昨年6月の大阪府北部地震や9月の胆振東部地震など全国各地で地震が頻発している。防災態勢に不備はないか、いま一度再点検しなければならない。

 今回の地震でもブロック塀の倒壊が各地で相次いだ。大阪府北部地震では女児がブロック塀の下敷きになって死亡しており、対策は急務である。

 新潟市では10センチの津波が観測されたが、幸い被害はなかった。

 海沿いを走るJR羽越線では列車2本が緊急停車し、乗務員の判断で50人以上の乗客を高台に避難させた。

 東日本大震災を受け、JR東日本は乗務員に津波対策の訓練を徹底し、緊急時には社の判断を仰がず、適切な対応を取るよう指示している。教訓が生かされた好例として参考にしたい。

 今回の震源は北海道沖から新潟県沖へと南北に延びる「日本海東縁部」にある。プレートがぶつかり合っており、ひずみがたまって地震が起きやすい。

 道内でも1993年の北海道南西沖地震で檜山管内奥尻町などが津波で甚大な被害に見舞われた。

 日本海側の地震は、震源が沿岸部に近く、津波の到達時間が短くなる傾向にあるという。

 道の予測では、日本海側は地震発生から最短1分で到達する地域もあり、最大26・9メートルの津波が押し寄せる。太平洋側は最大34・6メートルと予測されている。

 津波対策の基本は、すぐに高台に逃げることに尽きる。そのためにも日頃から避難先と避難経路を確認し、訓練を重ね、危機意識を高めておく必要がある。

 今回のような夜間を含め、あらゆるケースを想定した避難計画の不断の見直しが不可欠だ。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月21日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:党首討論 年金不安 首相は直視を

2019-06-21 05:05:40 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説①】:党首討論 年金不安 首相は直視を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:党首討論 年金不安 首相は直視を 

 国会はきのう、1年ぶりの党首討論を開催した。

 野党側は全員、老後の蓄えが2千万円必要だとした金融審議会報告書の受け取りを麻生太郎金融担当相が拒否した問題で、国民の将来不安に向き合おうとしていないなどと安倍晋三首相を追及した。

 年金制度の持続可能性にも疑問を投げかける指摘が出た。

 首相は、給付額の伸びを物価や賃金の伸びより抑えるマクロ経済スライドを導入した2004年の制度改革により、当時掲げた「100年安心」は保たれていると強調したが、綿密な検証が必要だ。

 報告書問題を機に、暮らしに直結する年金制度への関心が高まっている。安倍政権には野党の指摘にも耳を傾けながら、国民の疑問に答えていく責務がある。

 45分間の党首討論で議論が十分なはずがなく、予算委員会の開催が必須である。通常国会の会期は残り1週間となったが、与党がその気になれば可能なはずだ。

 立憲民主党の枝野幸男代表は報告書の受け取り拒否に関し、森友・加計(かけ)問題を挙げながら「見たくない事実はなかったことにして、ごまかす姿勢だ」と批判した。

 「不都合な真実」に向き合わないばかりか、真実を隠そうとするかのような姿勢は確かに森友・加計を想起させる。「大きな誤解が生じた」から受け取らないという首相の説明では納得できない。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は厚生労働省による5年に1度の公的年金の財政検証に関し、前回14年の検証結果の前提が崩れていると主張し、今年の検証結果を早期に示すよう求めた。

 首相は「政局と関わらずしっかりと検証、報告してもらいたい」と、人ごとのように述べた。

 14年の検証が出たのは6月3日だった。ここでも、参院選前に不都合な数値を国民に見せたくない政権の思惑があるのではないかと疑わざるを得ない。政局と絡めているのは首相の方ではないか。

 共産党の志位和夫委員長は、給付水準維持のためにマクロ経済スライドを中止すべきだと求め、財源として「高額所得者優遇の保険料の在り方を正す」と提案した。

 枝野氏は低所得世帯の医療費や介護費の負担を抑える総合合算制度の導入を提唱した。民主党政権が消費税増税と同時に決めたが、自公政権下で軽減税率を導入したことに伴い見送られた制度だ。

 各党は参院選を前に、こうした将来不安解消の手だてについて活発に議論してもらいたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:札幌市議会 松浦氏除名は重すぎる

2019-06-21 05:05:35 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【社説②】:札幌市議会 松浦氏除名は重すぎる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:札幌市議会 松浦氏除名は重すぎる 

 市民が選んだ議員の身分を剥奪(はくだつ)する重みを認識しているのだろうか。疑問を禁じ得ない。

 札幌市議会懲罰特別委員会が、5月の臨時市議会を長時間空転させたとして、松浦忠氏の除名を妥当と決めた。21日にも本会議で正式決定する見通しだ。

 臨時議長の立場で一方的に立候補による議長選を宣言し、異議や動議を無視して議長席を占拠した松浦氏に非があるのは言うまでもない。

 しかし、懲罰で最も重い除名になれば、松浦氏に1票を託した1万人を超える有権者の信任を覆すことになる。

 それだけに判断は慎重でなければならないが、懲罰委の議論は実質3回のみで、審議を尽くしたとは言い難い。

 行き過ぎとの批判が出るのも仕方あるまい。

 懲罰委では自民党、民主市民連合、公明党が除名を求め、陳謝が妥当とした共産党と市民ネットワーク北海道を押し切った。

 横浜市議会が2002年に、議場への日の丸掲揚に反発し、議長席を占拠した一部議員を除名した事例を参考にしたという。

 横浜の場合は人に危害を与える恐れがあったことが問題視され、それでも重すぎるとの指摘があった。地方自治法に基づいて臨時議長に就任した松浦氏と同列に扱うのは無理がある。

 互選が慣例になっている議長選を立候補で行うという松浦氏の主張そのものは理解できる。

 議長の選考過程を市民に分かりやすくするために、所信表明による事実上の立候補制を採用する地方議会が増えており、札幌市議会も検討していい内容だ。

 問題は、松浦氏が本会議場で唐突に立候補制導入を提案し、反対意見を封じた点だ。意見を戦わせる議会にふさわしくない。

 松浦氏はこれまでも、本会議場で議長に怒声を発して懲罰委員長から注意されたり、副市長に暴行して辞職勧告決議を受けたりと、トラブルを繰り返してきた。

 こうした松浦氏の行動に嫌悪感を抱く議員も多い。除名の判断にも影響したとみられるが、懲罰の対象は、あくまで今回の行為であって、過去の経緯とは切り離して考えるのが筋だろう。

 除名を求めた3会派は秋元克広市長の与党で、定数68の8割を超す56議席を占める。

 結果として、数の力で「異分子」を排除したという印象は否めず、自制が求められる。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:官民ファンド 整理縮小が避けられぬ

2019-06-21 05:05:20 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説②】:官民ファンド 整理縮小が避けられぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:官民ファンド 整理縮小が避けられぬ 

 もはや存在意義を疑わざるを得ない。国と民間が共同出資する官民ファンドのことだ。

 農林水産省が所管する農林漁業成長産業化支援機構(A―FIVE)の累積赤字が昨年度末時点で92億円に膨らむ見通しとなった。

 経済産業省所管のINCJ(旧産業革新機構)が巨額投資をしたジャパンディスプレイ(JDI)は中国と台湾の企業連合傘下で経営再建を図る方向だったが、台湾企業が離脱し混迷を深めている。

 14ある官民ファンドのうち、2017年度末時点で累積赤字を抱えているのは9ファンドに上る。

 原資は国民の資産だ。投資失敗で損失が出れば国民に跳ね返る。

 官主導でリスクが大きい成長産業を支えつつ利益も確保するという発想に無理がないか。政府は傷口を広げる前に官民ファンドを整理する方向で対応を急ぐべきだ。

 A―FIVEは農林水産業の振興を目指して13年に設立した。農産物の海外販路開拓を狙って出資した企業が昨秋に破綻するなど、累積赤字が膨らんでいる。

 にもかかわらず今後8年間で計700億円を投資する計画だ。解散期限の32年度までの黒字化に向け、従来より大型の案件を掘り起こすのだという。

 無謀な投資と言うほかない。投資を拡大するより、うまくいっていない理由を分析するのが先だ。

 官民ファンドは第2次安倍政権の成長戦略の下で相次ぎ設立された。民間資金が集まりにくい分野に資金を供給し、産業育成や地方企業の後押しで経済を底上げするのが本来の目的である。

 だが経営難の大企業を救済する「国策」の色濃い投資も目立つ。

 「日の丸液晶」を守ろうと政府主導で日立製作所、東芝、ソニーの事業を統合したJDIは最たる例だ。官製再編は頓挫し、海外資本への実質的な身売りを招いたが、責任の所在もはっきりしない。

 官民ファンドは一般予算とは別建ての各省庁の「財布」として便利に使われ、天下りの受け皿となっているのが実態ではないのか。

 そもそも有望な分野なら民間が積極的に投資するはずだ。民間が単独で手を出さない案件で成果を出そうとすれば、投資のプロが欠かせない。だが公的機関の報酬水準では人材確保もままならない。

 財務省はファンド管理を強化する方針だが、対症療法にすぎない。

 政府は官主導で強引に成長産業を創出しようとする手法の限界を認め、赤字ファンドを速やかに清算すべきだ。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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