【自民党総裁選】:3候補が討論会 石破氏が巻き返しへ存在感
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党総裁選】:3候補が討論会 石破氏が巻き返しへ存在感
安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選(14日投開票)に立候補した石破茂元幹事長(63)菅義偉官房長官(71)、岸田文雄政調会長(63)が9日、公開討論会(党青年局・女性局主催)で論戦を展開した。
地方組織からの質疑に答える形で初のオンライン形式を採用し、石破氏は自らを戦国武将・明智光秀に例え、総裁選のあり方、憲法改正など鋭く切り込むなど巻き返しへ存在感を示した。
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初のオンライン討論会で存在感をアピールしたのは石破氏だった。自身を歴史上の人物に例える質問に対して石破節全開だ。「明智光秀、あるいは石田光成。次の時代は徹底的に悪役に仕立て上げるが、治めた地域では本当に慕われていた。自分はそうありたい」と意外な戦国武将を挙げた。
青年局・女性局主催の自民党総裁選公開討論会に臨む石破元幹事長(撮影・小沢裕)
1993年の宮沢内閣の不信任決議に与党でありながら賛成票を投じ、その後も党運営を批判して役職停止処分となり、自民党を離党。97年に復党し、12年には総裁選で安倍晋三首相に敗れたが幹事長に大抜てきされたが、現在はアンチ安倍と、反骨の生きざまがクロスオーバーする。
青年局・女性局主催の自民党総裁選公開討論会に臨む菅官房長官(撮影・小沢裕)
菅氏は「豊臣秀吉か、弟の秀長か」、岸田氏が「我慢強くも辛抱強く取り組んでいく徳川家康」としたのとは好対照だった。
青年局・女性局主催の自民党総裁選公開討論会に臨む岸田政調会長(撮影・小沢裕)
今回の総裁選は党員・党友投票を含めた通常選挙で行った場合「準備に2カ月かかる」という執行部に押し切られ、両院議員総会の方式が選択された。地方組織からは党員管理のデジタル化を含めて問う声が上がった。菅氏と岸田氏はデジタル化、データ化の必要性に言及したが、石破氏は「なんで47都道県のほとんどで予備選挙ができないのか、まったく分かりません」と断言した上で「なぜ2カ月かかるのか」と語気鋭く、4度も繰り返した。
憲法改正についても石破氏は「まず国民投票法で制定させましょう。金がある政党や団体が金にあかせてテレビCMを打って憲法改正することが、いいと思わない」と、自らの党を切り捨てた。国会議員票394のうち8割近くが菅支持とされる。「菅1強」の劣勢の中、地方組織の支持が根強い石破氏がオンライン討論会で水を得た。地方票141の動向が注目される。【大上悟】
3候補が、これまで支えられてきた夫人に感謝の思いを口にした。石破氏は「選挙区にほとんど入れません。選挙カーに乗ってくれるのは同い年の彼女です。もう乗らなくてもいいと伝えると『あなたが選挙区に帰れないんだったら、私がお願いするしかない』と、すごくしかられました。恥ずかしいと思いました」と明かした。菅氏は「38歳で横浜市議に出た当時は3人の息子は6歳、3歳、6カ月でした。よく子育てをしてくれた」と振り返った。岸田氏は「結婚して35年。地元を守って来てくれたことを感謝しています。最近、妻がインタビューで『記念日にプレゼントはないけれど、心はある人です』(笑い)と言っていた」となどと語った。
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・自民党総裁選】 2020年09月10日 01:28:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。