路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:GoTo拡大 感染増なら見直し必要

2020-09-23 05:05:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説①】:GoTo拡大 感染増なら見直し必要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:GoTo拡大 感染増なら見直し必要 

 政府は新型コロナウイルス対策の観光支援事業「Go To トラベル」の対象に、来月から東京発着分を追加する。

 秋の行楽期に、東京への旅行や約1400万人の都民を除外したままでは、事業の効果が十分に発揮されないとの理由だ。

 すでに該当する旅行商品の販売が始まった。春から苦境にあえぐ観光業界の期待は大きい。

 だが、東京では先週200人超の新規感染者が出る日があった。追加されれば、地方の感染リスクが高まることは避けられまい。

 緊急事態宣言の解除で人の移動が広がる中、7月の連休前に事業を前倒しで始めたことが、後の感染再拡大の一因になったとの見方がある。

 政府は今月下旬の感染状況を確認した上で最終判断する。慎重に検討し、状況次第では東京追加の見直しも躊躇(ちゅうちょ)してはならない。

 政府は追加の理由として、東京の新規感染者数が減少傾向にあることなどを挙げている。

 だが、政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は「(東京の感染状況は)完全に落ち着いたとは言えず、再燃の可能性はまだある」と注意を促している。

 政府の前のめりの姿勢には危うさを感じざるを得ない。

 国民が安心して旅行できる環境を整えるためにも、感染状況に応じて対象地域を臨機応変に見直すルールが必要ではないか。

 分科会は感染状況が2番目に深刻な「ステージ3」以上の都道府県を除外するよう提言した。政府は専門家の知見を尊重し、分かりやすい基準を示すべきだ。

 事業の効果と感染への影響を絶えず検証することも欠かせない。

 政府は自治体や医師会などと協力して、十分な検査と科学的なデータの収集に努め、国民に説明してもらいたい。

 これまでの利用が、割引額が大きくなる大手の高額な宿泊施設に偏っているとの指摘がある。

 政府は中小向けの予算枠を確保する方針という。事業を継続していくのなら、迅速に実行することが肝要である。

 東京から道内を訪れる観光客も増加が予想される。道内の宿泊施設などは、レストランや浴場の人数制限、検温などの感染防止策を緩めないよう心がけたい。

 道内から東京へ出かける人も増えるだろう。人の移動が増えれば感染のリスクも高まる。手洗いの励行や少人数での旅行など、基本的な対策を守ってほしい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年09月23日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:男性の育休 安心して取れる環境を

2020-09-23 05:05:20 | 【少子化問題・異次元対策・生殖医療・不妊治療・無痛分娩・少母化・婚姻の激減・

【社説②】:男性の育休 安心して取れる環境を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:男性の育休 安心して取れる環境を 

 女性の育休取得率(2019年度)は83%なのに、男性はわずか7%だ。政府は男性の取得率を25年に30%に引き上げる目標を掲げているが、実現は厳しい。

 男性に育休取得を促すには、制度の改善に加え、安心して休める環境を整えることが肝心だ。

 厚生労働省は、妻の出産直後に男性が育休を取りやすくする制度をつくる方向で検討を始めた。早ければ来年の通常国会に関連法改正案を提出する。

 妻の産後4週間を対象に、現在は休業前手取り賃金の実質80%を保証している「育休給付金」を実質100%にする案や、申請手続きの簡略化、分割取得制度の拡充などがたたき台に挙がる。

 収入減が育休取得を妨げる一因になっており、給付金の増額は妥当と言えよう。

 ただ、女性は取得率が高いため、据え置きにするという。不公平感が否めず違和感を覚える。男女とも実質100%にすべきだ。

 非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」がまとめた「お母さんにやさしい国ランキング」で世界一になったのはノルウェーだ。育休給付金は100%、男性の取得率は約90%に上る。

 かつてノルウェーも男性の育休取得率は低かった。1993年、育児休業の一定期間を父親に割り当てる「パパ・クオータ制」を導入し取得率が向上した。

 大切なのは、育休取得がキャリアに影響を及ぼさないよう企業が従業員に安心感を与えることだ。

 ノルウェーでも育休を取得した同僚らが不利益を受けなかった姿を見て、取得拡大につながった。上司が取得した場合の影響は同僚の2・5倍に上るという。

 男性の育休取得率100%を達成した大手生保会社では、子どもが生まれた男性従業員に対し、上司が育休を取得するよう積極的に声掛けをしている。

 やはり100%の社会福祉法人は、育休中の従業員に定期的に職場に来てもらい、情報交換を行うことで、職場復帰しやすい環境づくりに取り組む。

 育休を取りやすい職場は人材確保につながり、企業の好感度もアップするだろう。

 中央省庁でも育休の取り組み状況を上司の人事評価に反映させる対策を始め、今年4~6月に子どもが生まれた男性職員のほぼ100%が育休取得計画を作った。

 こうした実効性のある対策を官から民へと広め、男女とも安心して育児ができる環境を整えたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年09月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:出来秋の仕込み

2020-09-23 05:05:10 | 【大学「国公立・私学・大学院・医学系・工学部系」、大学ファンド=優秀な研究成果】

【卓上四季】:出来秋の仕込み

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:出来秋の仕込み

 島崎藤村の詩集「若菜集」の巻頭に「序の歌」がある。「心無き歌のしらべは 一房(ひとふさ)の葡萄(ぶどう)のごとし なさけある手にも摘(つ)まれて あたゝかき酒となるらむ」▼めいとの関係を取り上げた小説「新生」で「葡萄酒」を隠語として用い、男女のむつみ合いを暗示させた藤村のこと。詩の葡萄が何を指すかはさておき、果実酒のできばえが、摘み手の力量に負う面が大きいことは、うなずける方も多いのではないか▼人生に例えるならば、高校や大学はさしずめ、貯蔵までを担うワイナリーだろうか。収穫、除梗、発酵の工程が、社会に出てからの熟成を左右する。「摘み手」たる教師や教授陣の手腕が問われよう▼その機会も随分と制約を受けたコロナ禍の半年だった。とりわけ大学は、多くがオンラインでの授業を強いられた。情報通信環境の優劣の差の影響もあっただろう▼人気も絶えていた秋のキャンパスに、にぎわいが戻って来そうだ。文科省によると、全国の大学、高等専門学校計1060校のうち、9月以降の授業を対面で実施するところは2割。オンラインとの併用を含めると8割に達する。学びの場の充実を喜びたい▼気がかりなのは、学校などで感染者が出た時の世間の反応だ。いくら費用を投じたとしても感染をゼロにすることは難しい。大学側も懸命に対策を講じているはずだ。ここは一つ心静かに出来秋の仕込みを見守りたい。2020・9・23

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2020年09月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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