路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳】:国民民主は資金公開すべき/09.10

2020-09-11 09:12:40 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:国民民主は資金公開すべき/09.10

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:国民民主は資金公開すべき/09.10 

 ★国民民主党は解党前に党の資金について8月26日の会見で党代表・玉木雄一郎は「40億円台半ばだったと記憶している。現在50億円ないことは確実だ」と述べた。しかし、その2週間前のテレビ出演では「50億円くらい」と発言していて、党代表として実態を掌握できていないか、ずさんな経理体制だったのではないかと党内でもささやかれた。国民民主党の潤沢な資金は当選者が多いためではない。民主党やその後の民進党での節約のおかげ。逆にケチなぐらい支出に厳しく、100億程度の資金を有していたといわれる。

 ★それが国民民主党に渡って2年。その間に参院選挙が1度あったものの約60億を使った計算になる。立憲民主党の議員が言う。「立憲は『排除の論理』から生まれた結党の経緯があり、おカネがないのは当然だった。だから野党第1党といっても、仕事や応援、遊説といずれも事務所の自腹は当たり前。手弁当で駆けつける背に腹は代えられない暗黙のルールが議員や秘書に浸透している。幹部たちが飲むときにも割り勘が当たり前の貧乏政党」。

 ★ところが潤沢な資金を抱えた国民民主党の幹部は高級店の飲食は当たり前。幹部に付く党職員は日増しに体重が増えていったとのまことしやかな笑い話もある。今度は国民民主党の秘書が言う。「うちの党職員は各政党を吸収して巨大化していて、暇そうな職員もたくさんいる。ところが選挙になると各職員に陣中見舞いなる一時金が出るという。そのほかにもぜいたくな飲食を党職員がしているといううわさはこちらの耳にも入ってくる」。その職員たちは1度解党して合流新党に採用される人もいるようだが、退職金が支給され合流新党での給与水準は国民民主のそれを「下回るな」などと、どちらが採用する側かわからない。こういう時期だから流れてくる話かもしれないが、この資金の原資は税金が大半だということを忘れてほしくない。これでは機密費のようになる。うやむやにせず公開すべきではないか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2020年09月10日  08:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:菅の常套句「問題ない」に問題あり/09.09

2020-09-11 09:12:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政界地獄耳】:菅の常套句「問題ない」に問題あり/09.09

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:菅の常套句「問題ない」に問題あり/09.09 

 ★自民党は首相・安倍晋三が突然辞任表明したため総裁選挙を。野党はやっとひとつの塊をつくることになり合流手続きとともに代表選挙を。コロナ禍で政治空白を作ってはいけないと言いながらコロナの記事はどんどん小さい扱いだ。それどころか今度は早ければ今月中に解散総選挙だという。政治家のお口と行動は別というものの、ここまでやり放題を放置しているのも驚く。

 ★6日、共産党委員長・志位和夫はツイッターで総裁選挙の騒動を「メディアは『叩き上げ』だの何だのと愚にもつかない話でなく、きちんと聞くべきことがあるはず。赤木さんの妻・雅子さんの訴えにどう答える? 2度の消費増税が経済に与えた影響をどうみる? PCR検査の実施数が世界150位の理由はどこにある? 辺野古基地、武器爆買い、思いやり予算をどうする?」と問うた。

 ★官房長官・菅義偉の会見の常套句(じょうとうく)は「問題ない」「全く当たらない」「問題ないという報告を受けている」「指摘は当たらない」。いずれも答えているようで、問いに全く答えず、その理由の説明さえしない。答えではなく「答えない」と答え、すべてのやりとりをここで止めてしまう。この対応とたたき上げの相関図を教えてもらいたいくらいだ。丁寧に答えるとは安倍政権がよく使う言い回しだが、ここには丁寧さのかけらというより、コミュニケーションをとるという姿勢すら見受けられない。今後は安倍政権の継承と言いながら「既に終わったこと」「解決済み」「結論は出ている」を予算委員会や会見で言うのだろうか。さしずめそれを閣議決定していくことが安倍政治の継承なのだろうか。安倍外交はひとつの売り物だったが、このやり方では外交は通用しない。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2020年09月09日  08:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:政局を動かす自民党総務会長・鈴木俊一/09.08

2020-09-11 09:12:20 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:政局を動かす自民党総務会長・鈴木俊一/09.08

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:政局を動かす自民党総務会長・鈴木俊一/09.08 

 ★ご尊父の元首相・鈴木善幸は元首相・大平正芳の急死により図らずも首相に就任。元首相・中曽根康弘の手柄になっている第2次臨時行政調査会を発足させ、会長に土光敏夫に据えた。また当時の米レーガン大統領との日米首脳会談で日本の防衛政策を「ほえるライオンより、賢いハリネズミでありたい」と発言。骨太の面目躍如だった。その息子は自民党総務会長・鈴木俊一。幹事長・二階俊博が官房長官・菅義偉の後見人として立ち回り、党政調会長・岸田文雄は総裁選出馬と党3役が機能しない中、鈴木が大きく政局を動かしている。いずれも6日のテレビでの発言だ。

衆議院議員 鈴木 俊一

 ★ひとつは「新内閣ができてフレッシュで、評価が高い時に国民の信を問う。1つのタイミングだ」と早期の解散に言及した。自民党ずるい政党で、普段は「解散は首相の専権事項」としながら、次期首相が決まる前にこんなことを言い出す。だが、今、責任ある立場が鈴木しかおらず、それなりにリアリティーを持って政界で受け止められている。もう1つは来夏の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの行方について「コロナで十数カ国が参加できなくても、数の上から言えば成立するのではないか。コロナのワクチンや治療薬ができるかどうかが鍵だ」と述べた。これも前五輪相という立場以外、必然性のない発言だが、実は官房長官・菅義偉以下、五輪関係者の1つの見解となっている。

 ★関係者が言う。「一部の国や競技団体が不参加表明しても、その逆もある。来日時、出場時、帰国時の3回、PCR検査をすれば大丈夫ではないか。その代わり無観客試合となる。多少いつも通りに行われなくとも実現させることが大事だ」。何としても開催するつもりなのだ。だが選手が出場前のPCR検査で陽性になれば出場できなくなるなど問題は多い。五輪実現の可能性に世界は、国内競技団体はどう受け止めるか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2020年09月08日  08:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:6産別9候補は野党の恥だ/09.07

2020-09-11 09:12:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:6産別9候補は野党の恥だ/09.07

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:6産別9候補は野党の恥だ/09.07

 ★立憲民主党と国民民主党がまもなく合流する。もともとは一緒にいた面々だが、都知事・小池百合子の野党分断工作にまんまと乗っかり、その後両党は迷走する。その間、連合は何とか再合流を仕掛けたが、こちらは国民民主党代表・玉木雄一郎の優柔不断さと、目立ちたがりの性格が他議員の合流を妨害し続けた。昨年末から年始にかけての合流調整も今回も、玉木のいわばわがまま。今となってはそれでいいだろう。ここまで嫌がった末、今後はどんな政治行動をとるのかじっくりウオッチしたい。

 ★一方、彼らのことは野党の恥と言ってもいいのではないか。連合右派で、6つある産業別労働組合(産別)の組織内候補9人は国民民主党に所属していたが、先月31日、産別幹部らが連合会長・神津里季生に合流新党への不参加方針を伝えた。綱領の中身が気に入らないという。ただこれは国民民主党幹事長・平野博文が立憲民主党幹事長・福山哲郎とすり合わせて決めたもの。今更理屈にならない。まして平野は6産別の1つ、電機連合組織内議員でもある。

 ★野党関係者が言う。「この9人の組織内候補は玉木新党にはいかない。まず強引に合流させようとした神津と同事務局長・相原康伸が頭を下げて『頼むから合流してくれ』と言ってくるまで待つつもりらしい。ちなみに相原の出身は自動車総連。6産別の1つだ。6産別は神津と相原の更迭が念頭にあるようだが、連合の分裂、解体までは望んでいないという。そして9人は1カ月ぐらい遅れて合流新党に入ってくると聞いている」。とんでもない皮算用があるようだ。6産別には言い分があるだろうが、理屈にはならない。それどころかこの6産別とその組織内候補9人は、国民のために行動していない。6産別の都合ばかりだ。加えて連合が禁じる政治介入のし放題で政党や国会議員を自由自在に操ろうとしている。組織内候補であっても合流している議員もいる。そもそも神津、相原も6産別出身ではないか。国民のために働かず、政治ごっこに明け暮れるなら、国民にこの合流新党に水を差した謝罪をしてから合流すべきではないのか。無論、合流新党がとがめずに入党させてくれたとしても、国民無視の対応に変わりはないからだ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2020年09月07日  07:46:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:玉木新党は国民“民社”党/09.05

2020-09-11 09:12:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:玉木新党は国民“民社”党/09.05

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:玉木新党は国民“民社”党/09.05 

 ★立憲民主党、国民民主党両党を軸とする合流新党の参加者が149人(衆院106人、参院43人)となった。国民所属62人のうち22人が不参加だった。合流新党への参加を拒否し、いわゆる玉木新党への参加を模索するための会合は2日、国会図書館で開かれた。国民民主党代表・玉木雄一郎、元民進党代表・前原誠司、国民民主党選対委員長・岸本修平、国民民主党代表代行・古川元久、元民進党政調会長・山尾志桜里、国民民主党参院幹事長・榛葉賀津也、国民民主党政調副会長・伊藤孝恵、国民民主党組織委員長・足立信也、元民進党代表・大塚耕平、元民進党幹事長・増子輝彦、加えて電力総連組織内候補の小林正夫は連合右派の民間系の産業別労働組合(産別)の組織内候補9人の代表として参加した。

 ★この中から玉木新党に何人入るかは定かではないが、希望の党に活路を見いだそうとした議員や産別に引きずられる形で6産別、UAゼンセンの川合孝典、田村麻実、自動車総連の浜口誠、磯崎哲史、古本伸一朗、電機連合の矢田雅子、浅野哲、電力総連の小林、浜野喜史も玉木新党に行くのだろうか。失礼ながらこの顔ぶれ、連合の人たちしかわからない。普通の国民は知らない名前だ。6産別はほかに連合会長・神津里季生の出身組織である基幹労連、JAMがある。

 ★野党関係者が言う。「大きな塊などに興味はなかったのだろう。結局、原発の扱いだの消費税がどうのとかご託を並べているが、立憲を支援する自治労や日教組の後塵(こうじん)を拝す屈辱や共産党と組むことが嫌というプライドと感情論で労組としての取り組みとは違う、嫌だから嫌というレベル。本音は新進党ができる前の民社党に戻したいという6産別の悲願という政治介入がもたらした悲劇と連合がグリップできなかったという失敗の結果」。これから玉木新党は国民民主党という新党を作るそうだが、労組を否定し続けた維新とも連携するそうだ。もう理屈にならない。前原や玉木という「分裂」王子たちが集まって実際は国民民社党が誕生する。(K)※敬称略 

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2020年09月05日  09:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ポスト安倍 密室談合に国民はア然】:そもそも菅には立候補の資格などなし

2020-09-11 08:06:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【ポスト安倍 密室談合に国民はア然】:そもそも菅には立候補の資格などなし

 【ポスト安倍 密室談合に国民はア然】:そもそも菅には立候補の資格などなし

 誰と誰が会った、派閥幹部の会合だ、誰を支持するか決めたようだ――。真偽不明の情報も飛び交い、自民党議員が落ち着かない週末を過ごす間にポスト安倍の流れはすっかり固まっていた。

 安倍首相が突然、辞意を表明したのは28日の金曜日だったが、日曜日の朝に「菅官房長官が出馬の意向」と報じられた途端、一気に菅の“圧勝”が既定路線のようになっている。



 31日、各派閥は意見集約のための総会を開くが、その前に勝負あったかのようなムードだ。

 ポスト安倍を決める自民党総裁選には、岸田政調会長や石破元幹事長が早くから出馬の意欲を見せていた。一方、有力候補といわれながら、総理のイスについて「全く考えてない」などとケムに巻いていたのが菅で、出馬するにしても状況を見極め、周りから推された形で最後に手を挙げるとみられていた。

「それが真っ先に名乗りを上げたものだから、虚を突かれ、総裁候補の擁立を検討している各派閥に動揺が走った。しかも、すでに根回しを済ませていたようで、主要派閥がこぞって菅氏を支援しそうなムードができている。他派閥の支援を当てにしていた岸田氏も石破氏も戦略の見直しをはかっています。出馬できるかどうかも分かりません」(全国紙の政治部デスク)

 菅はおとといの29日、二階幹事長と極秘に会い、出馬の意向を伝えたという。

 二階は「頑張って欲しい」と支援を約束した。安倍の出身派閥である細田派、そして安倍の盟友・麻生財務相が率いる麻生派も、菅支援を示唆している。竹下派も菅支持で動きだしたという。

 ◆主要派閥が続々支援で圧勝か

 安倍の辞意表明を受けた28日の緊急役員会で、党総裁選の日程や形式は二階に一任された。1日の総務会で正式に決定するが、今回は安倍が任期途中の辞任になること、新型コロナウイルスが収束していないことを理由に、「緊急措置」として、全国一斉の党員投票が行われる通常の総裁選ではなく、両院議員総会で新総裁を選出する方針だ。国会議員票(394票)と各都道府県連が3票ずつ持つ地方票(141票)、計535票で新総裁、つまり次の首相が決まる。

 細田派(98人)、麻生派(54人)、竹下派(54人)、二階派(47人)が足並みそろえて菅に乗れば、それだけで253票と国会議員票の6割を制し、さらに、派閥に属さない菅には30~40人といわれる無派閥の「菅グループ」からの支援もある。こうなると、国民人気が高い石破でも歯が立たない。存在感のない岸田なんて、ほとんど泡沫扱いだ。

 総裁選は9月8日告示、14日投開票の日程を軸に調整が進み、石破派のパーティーが予定されている17日にも臨時国会を召集、首班指名が行われる予定だ。このままいけば菅新総理が誕生するわけだが、ちょっと待て。そもそも、菅に立候補の資格なんてあるのか?

 官房長官として、安倍政権を支え続けてきたのが菅だ。数々の悪事悪政と、ボスの無責任な政権投げ出しをわびて蟄居謹慎なら分かるが、この希代の悪代官が権力の頂点にシレッと上り詰めようとしている。そんなバカな話があっていいのか。

「安倍首相が健康問題で辞任なんて口実に過ぎず、コロナ対策はお手上げで内政も外交も行き詰まり、ニッチもサッチも行かなくなって政権を放り投げたのが実情です。7年8カ月の安倍政権では忖度が横行し、公文書や統計が都合よく改ざんされ、言いっ放しの無責任政治で日本はメチャクチャになってしまった。しかし、どんな不祥事が起きようと、会見でマトモに答えず『問題ない』『当たらない』と言い続けてきたのが菅官房長官です。官僚機構に睨みを利かせ、アメとムチでメディアをコントロールする役割を担ってきた張本人でもある。そういう人物が新首相になったところで、失われた政治への信頼を回復することは不可能です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)


安倍政権の悪質なエピゴーネンが誕生する暗澹


 菅は、安倍の辞任表明会見の直前まで「総理に変わりはない」と言っていた。本当に体調不良に気づかなかったのならボンクラそのものだし、鉄面皮で隠していたなら筋金入りの嘘つきだ。そういう人物が首相になった時、国民は何をどう信用すればいいのか。政治不信は深まる一方だろう。

 だいたい、菅と麻生の不仲は政界では知られた話なのだ。消費増税や解散時期をめぐり、ことごとく対立してきた。安倍と菅の関係だって微妙だ。コロナ対策でも菅は当初、意思決定から外されていた。

 安倍と麻生の意中の後継は、岸田への禅譲だといわれてきた。それが岸田の頼みの綱で、だから前回総裁選でも出馬を見送り、忠誠心を見せたのだ。それが一転、安倍も麻生も犬猿の仲の二階とも手を結んで菅を担ぐというのだから、岸田じゃなくても狐につままれたような心持ちになる。

「総理と副総理の最重要課題は仇敵の石破さんに政権を渡さないこと。その点、岸田さんでは頼りないと見限ったのでしょう。菅・二階連合が石破さんを担ぐと厄介だから、手を結んで仲間に取り込む方針に舵を切った。何としても安倍政治を継続させるという意思を感じます」(官邸関係者)

 新内閣ですぐに解散・総選挙を断行して、来秋の本格総裁選で石破政権が誕生する芽も摘むシナリオも囁かれている。選挙が近いと、選挙の顔として石破待望論が出てくるが、ここでいったん選挙をやってしまえば、しばらく党内は落ち着くからだ。

 ◆裁かれる側の共犯者がルールを作る

 「石破政権が誕生すれば、安倍政権の中枢に居座ってきた麻生副総理や菅官房長官、二階幹事長らが蓋をしてきた“モリカケ桜”など安倍首相にまつわる疑惑の蓋が開いてしまいかねない。それを阻止し、自分たちの身を守るために老獪な連中が手を結んだ醜悪な総裁選と言うほかありません。シャッポだけ新鮮味も華もない菅氏にすげ替え、現政権の枠組みは変えずに権力構造を維持しようというのです。まるで開発途上国のようなデタラメで、こういう旧態依然の自民党のやり方では未来永劫、国民の期待に応えることはできません。明るい未来を望むのであれば、有権者が自民党を下野させ、ワルを一掃する必要があります」(五十嵐仁氏=前出)

 小渕首相が亡くなった際に、密室談合で森喜朗を後継に決めた「5人組」を彷彿とさせる現状だ。そうして誕生するのは、安倍政権の下劣な部分をギュッと凝縮させたような、よりたちの悪いエピゴーネンでしかない。想像しただけで、腐敗腐臭で息が詰まりそうになる。

 「麻生は菅・二階との確執が根深い。そう簡単に手を結べないだろう。まだ菅か岸田かで逡巡しているのではないか。安倍だって、本当に菅でいいのか。麻生派と細田派が、土壇場で岸田支持に回る可能性もある。そうなれば、フライング気味に出馬表明した菅は苦しい立場になる。麻生と安倍はこの際、目ざわりな石破と菅をまとめて潰してしまおうと考えているのかもしれない」(自民党ベテラン議員)

 こういう見立てもあるが、いずれにせよ、権力のタライ回しで政権私物化を続けようと画策する連中が怪しい総裁選で蠢いているわけだ。

 「安倍首相は夏の間中、会見からも国会からも逃げて政治空白をつくってきたのに、総裁選は緊急時で政治空白が許されないから党員投票を行わないというのは道理が通りません。政権を放り投げた安倍首相との連帯責任で、本来は裁かれる側の人たちが、自分たちで勝手にルールを決めて権力を掌握し続けようとしている。そういう昭和の政治をまだやろうとしているのか。総裁選まで2週間以上あって、何が起きるか分からないのに、御用メディアに菅政権の流れをつくらせて誘導するのもどうかしている。もはや民主主義国家とは思えません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 国民が求めているのは安倍の辞任ではなく、安倍政治の終焉なのである。菅政権なんてことになれば、安倍政権の亜流が続くだけだ。いまの日本にそんな余裕はないのに、また無駄に時間が失われていく。それを選択する自民党なのか。国民はもう唖然とするしかない。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2020年08月31日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【何もかも行き詰まった安倍首相】:<下> 辞意と病気の全真相

2020-09-11 08:05:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【何もかも行き詰まった安倍首相】:<下> 辞意と病気の全真相

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【何もかも行き詰まった安倍首相】:<下> 辞意と病気の全真相

 ◆安倍の病気を最大限悪用する「新内閣で冒頭解散」現実味

 9月に新首相が誕生することが決まり、早くも政界では「解散・総選挙はいつか」が取り沙汰されている。衆院議員の任期は来年10月までだ。どんなに遅くても1年後には衆院選が実施される。

政権発足直後はご祝儀相場も期待(C)日刊ゲンダイ

  政権発足直後はご祝儀相場も期待(C)日刊ゲンダイ

 常識的には、このコロナ禍が収まるまで解散は打ちづらい。選挙となったら1カ月の政治空白が生じるうえ、選挙運動は“密”となるからだ。ところが、早期解散説が浮上している。日程は「10・25」投開票だ。

 「10・25選挙は、以前から囁かれていました。年内に解散するとしたらこの日しかないとみられていた。実際、この日を逃すと、限りなく任期満了選挙に近づきます。来年までズレ込むと、予算が成立するまで解散は事実上、不可能だし、予算成立直後も、7月に公明党が重視する東京都議選があるので難しい。公明党は都議選とのダブルを嫌がりますからね。早期の解散を狙うなら、10・25投開票はワンチャンスなのです」(政界関係者)

 早期解散の方が、自民党にとっても断然有利だという。自民党内からは、「早い解散なら病気で辞任した安倍さんへの同情票も集まる」という声さえ飛んでいる。

 政治評論家の有馬晴海氏はこう言う。

 「新政権が誕生した後、新しい総理がすぐに解散に打って出る可能性は十分あると思います。特に国民の人気が高い石破首相ならば、自民党内で早期解散への期待が高まるでしょう。まず、政権発足直後ならご祝儀もあり、支持率は高い。9月解散なら、野党の選挙態勢も整っていない。それに長くやれば必ずボロが出てきます。時間をかけても、内政も外交も難問山積だから、成果を上げることも難しい。勝敗だけを考えたら、新政権は早期解散に動くはずです」

 勢力結集にもたついている野党は、新党結成を急いだ方がいい。

 ◆ロクでもない首相の辞任で最悪事態は免れた

もし、無能な安倍政権がいつまでも続いていたら、コロナ禍は拡大し、経済も落ち込み、日本はトンデモナイことになっていたはずだ。

経済ボロボロ(C)共同通信社

       経済ボロボロ(C)共同通信社

 新型コロナの第1波が収まった後、安倍が「日本モデル」と胸を張ったのも束の間、7月に入り感染が再拡大。新規感染者数は第1波を超える勢いだ。高齢者感染が増えるにつれ、重症者数や死者数もジワジワ増えている。人口10万人当たりの死者数も、アジア圏で比較すれば日本はフィリピンに次ぐワースト2位。PCR検査数も増えない。

 涼しくなる秋以降はウイルスが活発になり、もっと強烈な波が襲うと心配されている。手を打とうとしない安倍政権が続いていたら恐ろしいことになっていたはずだ。

アベノミクスは失敗し、足元の日本経済もボロボロ。20年4~6月期の実質GDPは、年率換算27・8%減の戦後最大のマイナス成長だった。消費増税が直撃した昨年の10~12月、今年1~3月に続き、3四半期連続のマイナス成長である。経済無策の安倍政権では、この先も絶望的だった。経済評論家の斎藤満氏が言う。

「秋以降、経済状況は厳しくなります。GDPも20年10~12月期以降に2番底、3番底が来てもおかしくありません。問題は第1波の時と違い、国も自治体も企業も、もうお金がないことです。これまでは資金繰りの脆弱な中小企業の倒産が中心でしたが、内部留保を吐き出した大企業の資金繰りも厳しくなるでしょう」

 このままいけば地獄へまっしぐらだった国民生活。安倍の辞任で政策が修正される可能性が出てきたのが唯一の救いだ。

 ◆権力亡者たちが流す「コロナだから政策継続」というオタメゴカシ

 ポスト安倍レースの号砲に自民党は浮足立っている。辞意表明会見に先立つ臨時役員会で、総裁選の時期、形式について一任された二階幹事長は、国会議員と各都道府県連3票による投票で実施する方針を固めた。来月1日の総務会で決定し、同15日に総裁選を実施する見通しだ。二階は「首相の実績を汚さず、やがて上回る人を選びたい」と言い、ブン投げ当事者の安倍は「ウィズコロナ、ポストコロナ時代に向けてビジョンを示しているわけで、そうしたものを共有していただきたい」と発言。「コロナ禍に政治空白は許されない」を免罪符に、新政権は「アベ居抜き内閣」となりそうな雲行きである。

「アベ居抜き内閣」画策(C)日刊ゲンダイ

   「アベ居抜き内閣」画策(C)日刊ゲンダイ

 「長らく主要閣僚を動かさなかったので人材が育っていません。だから、ポスト安倍に名前が挙がっているのは、安倍政権のヒモ付きばかり。安倍政権と一線を画した本格政権の誕生は期待薄です」(角谷浩一氏=前出)

 ポスト安倍の亜流は「悪夢の安倍政権」の継続に他ならない。安倍は権力を悪用し、徹底して国家を私物化してきた。身内に甘い汁を吸わせたモリカケ桜疑惑のド真ん中にいるのは安倍本人だ。森友疑惑を巡って「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」とタンカを切り、財務省は公文書の改ざんに手を染め、不正を強いられた職員は自殺に追い込まれた。アベノミクスの演出で厚労省は統計不正に走った。民主主義の根幹である公文書をメチャクチャに扱い、犯罪行為をもみ消すために検察人事にまで手を突っ込む犯罪者集団なのである。

 権力の暴走を厳しく監視する役割を負うはずのメディアもアメとムチで飼いならされ、政権の言い分を垂れ流し。数々のペテンやインチキに目をつぶってきた。安倍がこの国に残したのは負のレガシーしかないのを決して忘れてはいけない。

害毒(C)日刊ゲンダイ

       害毒(C)日刊ゲンダイ

 ◆悪政の膿を出し切るには安倍一派の一掃が必要

 安倍の健康不安が強まったきっかけは、慶大病院を最初に受診した17日の前日、テレビ出演した“盟友”の甘利明自民党税制調査会長が安倍の体調について「ちょっと休んでもらいたい」と発言したことだ。「そこまで悪いのか」という驚きが永田町に広がったのだった。

 麻生財務相も「147日間、休まず働いたら普通、体調はおかしくなるんじゃないの」と安倍を擁護していたが、今から考えれば「安倍退陣」を先読みして、その後の流れを自分たちでつくろうという魂胆ではなかったか。

 健康問題すらも政局にする。それが安倍政権の正体。7年8カ月続いた歴代最長政権が史上最悪政権というのは国民にとって不幸でしかない。

 政権初期から、安倍に麻生、甘利、菅を加えた「3A+S」が“骨格”と言われてきた。途中から、二階を加えて政権の“屋台骨”とされてきたが、安倍を筆頭に彼らは「自分たちの権力を脅かす危険な芽は、早めに摘んでおく」という利害の一致で、後継人材をマトモに育ててこなかった。

 安倍が辞めても、この連中が新政権を牛耳るなら、何も変わらない。悪政の膿を出し切るには安倍一派の一掃が必要である。

 政治評論家の森田実氏が言う。

 「論語の『巧言令色、鮮し仁』。うまい言葉を操って飾り立てる者は仁(本当の愛)が少ない、という意味ですが、安倍政権はまさにこれでした。長きにわたって日本に害毒を流してきたのです。次の政権は少なくとも、ごまかしのない、正直な政権でなければなりません。国民を騙してきた“共犯者”に出番を与えてはいけません」

 今こそ、ドラスチックな人心刷新がなければ、自民党は国民から見放されるだけだ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2020年08月29日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【何もかも行き詰まった安倍首相】:<中> 辞意と病気の全真相

2020-09-11 08:05:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【何もかも行き詰まった安倍首相】:<中> 辞意と病気の全真相

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【何もかも行き詰まった安倍首相】:<中> 辞意と病気の全真相

辞意表明、最大の理由は国会答弁不能のコロナ迷走

 このタイミングでの辞意表明は、秋に国会を開いたらマトモに答弁できないと悟ったからではないか。なにしろ、今年1月以降、新型コロナ対応を巡り、安倍政権は迷走に迷走を重ねている。

最悪のコロナ対応(C)日刊ゲンダイ

     最悪のコロナ対応(C)日刊ゲンダイ

 感染初期は東京五輪の開催や中国の習近平国家主席の来日を気にして、水際対策など初動対応は後手に回った。2月末には専門家に相談もなく突然、全国の小中高に一斉休校を要請。巨額の血税を投じたアベノマスクは大ヒンシュクを買った。緊急事態宣言で経済が冷え込むと、今度は経済一本やり。感染再拡大の真っただ中に「Go To トラベル」を前倒し実施し、第2波を大きな波にしてしまった。

 これでは、国会を開いても、野党からの追及に立ち往生するのは目に見えていた。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「これまでのむちゃくちゃなコロナ対応について、安倍首相はマトモな答弁ができなかったのでしょう。だから、野党が要求しても国会を開かないし、閉会中審査にも安倍首相は出てこなかった。ニッチモサッチモいかなくなって、臨時国会が開かれる前に逃げたというのが、辞意表明の最大の理由ではないのでしょうか」

 28日の会見で、安倍は「(コロナ対応について)実施すべき対応策をとりまとめることができた。(辞任は)このタイミングしかないと判断いたしました」と区切りをつけたかのような言いぶりだったが、何一つ有効なコロナ対策を打てなかったのが実態だ。PCRの検査数もG7で最下位という体たらくである。

ヨイショ報道が延々と…(C)日刊ゲンダイ

   ヨイショ報道が延々と…(C)日刊ゲンダイ

 ◆こんな辞め方の首相にTV局のチョーチン報道

 さすがにコロナ禍の真っただ中の辞任には、SNSでも〈何のレガシーも残さずに辞めた〉〈コレといった功績がないまま終わりました〉といった批判が上がっている。ところが大新聞テレビは、7年8カ月の負のレガシーを検証するどころか、チョーチン報道に終始しているのだから、どうかしている。

 辞任をスクープしたNHKはロコツだった。午後2時すぎの第一報直後から、準備万端で、過去7年8カ月の安倍の映像をタレ流し。安倍が“ドヤ顔”で「アベノミクス!」「アベノミクスは買いです!」と語る様子や、株価の上昇ぶりを何度も流し続けた。民放も、安倍が有権者と笑顔でハイタッチする様子や、2013年当時の五輪招致演説を長々と流すありさま。安倍の地元・山口県内の有権者の「長い間よく頑張ってくれた」といった声を延々と放送する局もあった。

 会見の場でも大手メディアの記者は、「歴代最長政権のレガシーは」「後継に期待することは」などとヨイショ質問。公文書改ざんや桜を見る会を巡る問題、政権の私物化など、負のレガシーを問いただすメディアはわずかだった。法大名誉教授の須藤春夫氏(メディア論)はこう言う。

 「本来は公文書管理や権力の私物化など、過去の問題を追及すべきですが、辞任の原因が健康問題だから遠慮しているのか、メディアの報道姿勢は甘かったように思います。政権からもたらされる情報を右から左に流すだけでは、報道の意味がありません。次の政権でも同様の姿勢が続けば、国民のメディアへの不信感は広がる。結果的に国民の知る権利が損なわれてしまうでしょう」

 長期政権ですっかり飼いならされてしまったようだ。 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2020年08月29日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【何もかも行き詰まった安倍首相】:<上> 辞意と病気の全真相

2020-09-11 08:05:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【何もかも行き詰まった安倍首相】:<上> 辞意と病気の全真相

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【何もかも行き詰まった安倍首相】:<上> 辞意と病気の全真相

潰瘍性大腸炎の悪化は表向きか、飛び交うがん説の真相

 歴史は繰り返した。13年前のブン投げ辞任の再来である。持病の潰瘍性大腸炎が悪化した安倍首相が28日、官邸で71日ぶりに開いた会見で辞意表明。歴代最長政権の称号を手にした4日後、唐突にピリオドを打った。その6時間前に菅官房長官は「お変わりない」と言い、側近らも「非常にお元気」などと健康不安説の打ち消しに躍起だったのは一体何だったのか。

13年前と全く同じ(C)JMPA

       13年前と全く同じ(C)JMPA

 自民党の党則を変更して連続3期9年に延長した総裁任期を1年残し、コロナ禍の混乱の最中に途中辞任。「責任は私にある」と繰り返しながら、一度も責任を取ったことがない口先男らしい去り際だが、土気色の顔はむくみとたるみで精彩を欠き、声もかすれかすれ。生気のなさは一目瞭然だった。「先月中ごろから体調に異変が生じ、体力をかなり消耗する状況となりました」と経緯を説明した安倍によると、退陣を決めたのは慶大病院を受診した24日。2週連続の通院で永田町では辞任観測が一気に高まっていた。

 「総理の容体は13~14日に悪化し、終戦記念日の全国戦没者追悼式への参列も危ぶまれるほどだったといいます。慶大病院ではがん検査も受けたようで、亡父の安倍晋太郎元外相と同じ膵臓がんを罹患したとの懸念も消えません」(与党関係者)

 安倍は先月6日に官邸の執務室で嘔吐。吐血したとも報じられている。歩幅は小さく、歩みはのろくなり、黒い雨訴訟の控訴を受けた12日のぶら下がり会見では小声でボソボソと話すことしかできず、官邸詰めの記者たちは聞き取りに苦労したという。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は言う。

 「大叔父の佐藤栄作元首相の連続在職日数超えまでもたせ、その後は体調をだましだまし続けるつもりが、ドクターストップで幕引きとなったのでしょう。安倍首相は新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたとか、秋以降のコロナ対策をまとめたとか、体制を整えたと言っていましたが、第1次政権のブン投げ辞任と何が違うのか」

 無策愚策コロナ対応で求心力はみるみる低下。安倍はひと仕事終えたような口ぶりだったが、実態は内閣支持率下落と政策行き詰まりによる事実上の投げ出しなのである。

慶大病院へも付き添った今井首相補佐官(C)日刊ゲンダイ

  慶大病院へも付き添った今井首相補佐官(C)日刊ゲンダイ

 ◆無能首相を隠し、国民を騙し続けた黒幕たちの大罪

「病気と治療を抱え、体力が万全ではないという苦痛の中から、大切な政治判断を誤ること、結果を出さないことがあってはなりません」

 安倍は辞任の理由をこう説明した。もっともらしく聞こえるが、会見では「先月中ごろから体調に異変が生じ、体力をかなり消耗する状態となりました。そして8月上旬には潰瘍性大腸炎の再発が確認されました」とも言っていた。じゃあ、なぜその時に辞めなかったのか。

 6月18日から会見も国会も開かず逃げ続け、その結果、安倍は今月24日に在任期間歴代最長の称号を手にした。自分の栄誉のために首相の椅子にしがみつき、国民生活を見殺しにしてきたとすれば、許しがたい話だ。

 「長いだけで何の実績もなく、権力を私物化し、日本の社会も経済もメチャクチャにしただけの政権でした。こんな無能首相が7年8カ月も続いてきたことが不思議です。モリカケ桜など数々の疑惑もあり、本当はもっと早くに辞めるべきでしたが、軽いみこしを担いで利用する勢力が長期政権を支えてきた。首相の威光をカサに着て権勢を振るってきた官邸官僚、国民を窮乏化させて肥え太ってきた財閥、そして税金を食い物にしてきた電通などです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 持病の悪化が辞任理由であれば気の毒だし、治療に専念して欲しいが、それと首相の資質は、また別の話だ。

 職務が遂行できない首相を「疲れているから休ませろ」と隠し、このコロナ禍で政治空白を是認してきたのは言語道断だし、病気でなくても、これほど長く続けさせるべきではなかった。それなのに「安倍しかいない」とか言って祭り上げ、党則変更で連続3選を可能にしてまで無能首相を担ぎ続けてきた自民党の罪もかぎりなく大きい。

安倍首相に“飛び火”も(C)日刊ゲンダイ

    安倍首相に“飛び火”も(C)日刊ゲンダイ

 ◆持病悪化の原因は政策の行き詰まりか追訴の恐怖か

 持病が悪化した原因は、政策がことごとく行き詰まり、今後の展望もなくなったことだ。会見で自ら「痛恨の極み」と語った通り、拉致問題も、北方領土返還も、悲願の改憲も、全て暗礁に乗り上げている。

 政策の行き詰まりがストレスとなり、潰瘍性大腸炎を悪化させたのは間違いない。さらに、司直の手が伸びないか、恐怖を募らせていた可能性がある。

 河井克行前法相と妻の案里参院議員の公職選挙法違反(買収)事件は、安倍自身に捜査が及んでもおかしくない。夫妻が地元の広島政界で配ったカネの原資は、党本部から夫妻側に渡った1・5億円だったと指摘されている。検察が党総裁の安倍の関与に踏み込む可能性はゼロとは言えない。交付罪に該当する可能性があるのだ。

 さらに、安倍の胃腸をキリキリさせたのが「桜を見る会」だ。安倍後援会が前日に主催した「夕食会」を巡っては、安倍本人が最高裁の元判事を含めた弁護士・法学者らに刑事告発されている。訴追の恐怖は相当なものだっただろう。

 「首相は、1億総活躍や女性活躍など次々と新政策を掲げて、国民の不満をそらし続けてきました。全て看板倒れに終わり、ついに打つ手がなくなったところにコロナ禍が起きた。唯一のレガシーとなり得る東京五輪も不透明となり、今後の展望も消えてしまった。祖父である岸信介元首相を超えることはできないと悟ったのでしょう」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

 人間、希望がなくなると何もかも投げ出したくなるものだ。ただし、長きにわたりストレスをため込んだのは国民の方だ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2020年08月29日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【永田町の裏を読む】:「安倍なき安倍政権」という首なしお化けのような新政権

2020-09-11 08:05:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【永田町の裏を読む】:「安倍なき安倍政権」という首なしお化けのような新政権

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【永田町の裏を読む】:「安倍なき安倍政権」という首なしお化けのような新政権

 せっかく安倍晋三首相が退いたというのに、後を襲うのが菅義偉官房長官というのでは、何の代わり映えもせず、国民の目線からすればむしろ大迷惑である。

 だってそうでしょう。第2次安倍政権の7年8カ月を通じて変わることなく官房長官として支え続けた彼が、安倍政権のすべてを継承すると言って出てきたのでは、それは菅政権というよりも「安倍なき安倍政権」という首なしお化けのようなもので、気持ちが悪いだけである。

 菅は「6項目政策集」を発表して、コロナ対策とかマイナンバーカード普及とか地方創生とか言っているけれども、何の新味もない薄っぺらな話である。そんなことよりも私が聞きたいのは、「あなたが官房長官を務めていた間に実質GDPが498兆円から485兆円に下がってしまったのはなぜですか」ということである。あるいは「アベノミクスが始まる直前、13年3月には135兆円だったマネタリーベースが、それから日銀がせっせと440兆円ものお札を刷り増して、この7月には576兆円に達したというのに、そのせっかくのお金はどこに行ってしまったのですか」ということである。

 こういう、この国の基本的な姿についてのイメージを国民に提供し共有し、さてそれをどのような方向に発展させていくのかの方策を示すのが政治の役割だと思うのだが、安倍も菅もそういう大きな方向性の話は全く苦手で、いつも枝葉末節しか語らない。

何の代わり映えもせず(C)日刊ゲンダイ

    何の代わり映えもせず(C)日刊ゲンダイ

 たとえば、安倍が選挙演説や所信表明で得意としていたのは「有効求人倍率」で、これは職安での求人と求職のバランスを示すだけである。日本のようにいち早く人口減少社会に突入していれば、慢性的に人手不足になるのは当たり前で、アベノミクスで景気がよくなって雇用が増えているかどうかとは何の関係もない。こんな子供だましみたいなことを言いたい放題に言わせておいて、正面切って批判し論破しない野党もマスコミもおかしくて、それが安倍政権が無為に長続きした要因のひとつである。

 菅政権になっても同じことが続くとすれば由々しきことで、彼の口先三寸の詐欺話に引っかかることなく本質を射抜く知力を自ら鍛えなければならないだろう。

 ◆高野孟 ジャーナリスト

高野孟

 1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2020年09月10日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【卓上四季】:合流新党の理由

2020-09-11 05:05:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【卓上四季】:合流新党の理由

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:合流新党の理由

 「今の人は朝に東にゆき暮に西にゆき操守なく本領なきをもって囚(とら)えられざる者なりと誤り、かえってその自己の主張によりて変らざるものを固陋(ころう)なりとなす」▼明治の思想家、田岡嶺雲の晩年の随筆集「病中放浪」の一節である。節操なく変わることを批判したうえで、信念を貫くことを頑固者と見る風潮に苦言を呈したものだが、その警句は世紀を超えても色あせることはないようだ▼何のために変わるのかが問われている。立憲民主や国民民主の合流のことだ。前回衆院選で分裂した旧民進党勢力が元のさやに収まっただけとの見方もある。連携が否定されるものではないが、選挙対策だけなら離合集散を繰り返したこれまでと変わるまい▼合流新党の代表選がきのう行われ、党名は立憲民主に決まった。新代表に選ばれた枝野幸男氏は、「ノーサイドではなく、プレーボール。ここから本当の戦いが始まる」と訴えた▼有権者の共感を得るには、政権交代後のビジョンが欠かせない。路線対立を乗り越えるためにも、徹底した議論に基づく具体像を明示する必要がある。そうでなければ、枝野氏のかけ声も有権者には届かないだろう▼田岡の金言には前段があった。「自己の主義によりて立ち自己の信念の上に立って、かわらざるは、これを囚(とら)われたる者なりとはいうべからず」。確固たる信条に基づく理念は、いつか人心に響くものである。2020・9・11

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2020年09月11日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2020年09月09日 今日は?】:桐生祥秀、100mで日本人初の9秒台

2020-09-11 00:04:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2020年09月09日 今日は?】:桐生祥秀、100mで日本人初の9秒台

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2020年09月09日 今日は?】:桐生祥秀、100mで日本人初の9秒台

 ◆9月9日=今日はどんな日

  陸上の桐生祥秀が9秒98の日本新記録。日本人で初めて10秒の壁突破(2017)

桐生祥秀9秒98!100mで日本人初の9秒台出た 男子100メートル決勝 9秒98で日本人初の9秒台を出し喜ぶ桐生祥秀(撮影・清水貴仁)

 ◆出来事

  ▼北朝鮮が建国宣言(1948)▼スペインの画家ピカソの「ゲルニカ」が長年展示してきた米ニューヨーク近代美術館からスペインに返還(1981)

 ◆誕生日

  ▼弘兼憲史(47年=漫画家)▼坪倉由幸(77年=我が家)▼堤下敦(77年=インパルス)▼酒井若菜(80年=タレント)▼大塚愛(82年=歌手)▼谷桃子(84年=タレント)▼ユージ(87年=俳優)▼中村静香(88年=タレント)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2020年09月09日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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