【政界地獄耳】:中国の訴え 菅政権どこまで受け止められた/10.03
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:中国の訴え 菅政権どこまで受け止められた/10.03
★先月25日に首相・菅義偉は中国国家主席・習近平と初の電話会談を行った。外務省は首相が「日中関係の安定は、両国だけでなく地域や国際社会のために極めて大事で、共に責任を果たしていきたい」と述べ、中国公船による沖縄県・尖閣諸島周辺への領海侵入を念頭に「東シナ海情勢」への懸念を伝えたと、言うべきは言ったという印象が残るやりとりが伝えられたが、新華社など中国メディアの発表と様相がだいぶ違う。
★同日の中国外交部の発表によると、習は電話会談で「中国は日本の新政府と同じ道を歩み、中日間の4つの基本文書(日中共同声明、日中平和友好条約、日中共同宣言、戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明)の諸原則と精神を順守し、歴史などの重大で敏感な問題を適切に処理して、政治的な相互信頼を増し加え、新時代の要求に合致した中日関係を構築したい」と訴えたという。随分の色合いの違う発表となっている。
★また「台湾をはじめとする中国の主権問題への不干渉」「自由貿易維持を名目とするサプライチェーン遮断の阻止」「RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の年内調印」。ともに米中日の関係再構築が最大の眼目だが、習来日を含む各論は今月来日予定の外相・王毅と外相・茂木敏充の日中外相会談に委ねられるだろう。いずれにしても、日本側にとって宿題が多いことは新華社電で知ることになった。菅外交の事実上のデビューだが、春以降、安倍内閣との没交渉から中国側は言いたいことがたまっていたという様相だが、菅政権はどこまで受け止められたのだろうか。親中派の自民党幹事長・二階俊博の人脈だけで乗り切れるか。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2020年10月03日 08:20:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。