【金口木舌・12.26】:学校とは何か
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.26】:学校とは何か
学校が楽しいと感じる子がいれば、つまらない子もいる。先生も同じ。教育に懸けた志がついえてしまう人もいる。つまらないとこぼす人が先生にもいた
▼年末の学校に関する記事に考えさせられた。2023年度に全国の小中学校で不登校の子どもは約34万人。一方で高校などを含め約7千人の教員が休職という。子どもも先生も足が遠のく学校とは何か
▼県内の小中高校の不登校は8千人超。休職した先生も250人超で増加傾向だ。児童生徒はいじめなどを恐れ、嫌々通学し、先生は多忙極まる職場に嫌気がさしつつ通勤する
▼「目の前にある社会システムに従うのは困難だ。だから私は下りる」。精神科医・斎藤環さんとの対談で作家の佐藤優さんが語っている。息苦しさに耐えかねて学校から遠のく人の胸の内には、そんな宣言もひそんでいよう
▼コロナ禍では通学せずともネットで教育がどこでも受けられた。通学の苦痛から救われた子もいる。「ここがダメでもあそこがある。家でも」。遠回りかもしれないが、無理やり教室に連れ戻すのではなく、別の選択肢を示すことも解決への一歩となるかもしれない。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月26日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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