【金口木舌・11.15】:合掌、佐久川政秀さん
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・11.15】:合掌、佐久川政秀さん
初めて闘牛を見た日、石川イベント広場闘牛場にまだ屋根はなかった。ドーム化した今でも十分雰囲気はワイルドだが、屋根なし時代の人いきれは輪をかけて濃密だった
▼新力Babyが重量級王座を死守した秋の全島闘牛では2階立ち見席まで超満員の観客が埋めた。そんな沖縄闘牛界のエンターテインメント化に尽力した古堅闘牛組合長の佐久川政秀さんが8月、67歳で亡くなった
▼「古堅モータース」と名に付く歴代の名牛を愛情深く育てた不世出の牛カラヤー。逝去後に石川多目的ドームで執り行われた出棺式では、集結した県内屈指の名牛の鳴き声が響き、ひつぎの到着時には、しのつく涙雨
▼景気はいいがどこか悲しい楽隊の演奏と、勢子(せこ)が放つ「ヒーヤイ」の声を受け、ひつぎは闘牛の聖地から送られた。地元の読谷村古堅では村祭りさながらにしのぶ会も開かれた。思いを継いだ家族らと共に残された牛たちの熱戦は続く
▼桁外れ、破天荒。牛育ての数々の伝説を残した。後続への影響は計りしれない。情熱全開の人生に合掌。彼を追った新垣フミ子さんの写真展がうるま市海の駅文化資料館で開催中だ。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年11月15日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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