【政界地獄耳・09.27】:「沈黙の艦隊」の時代とは政治家の態度が正反対 いまや自衛官より前のめり
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・09.27】:「沈黙の艦隊」の時代とは政治家の態度が正反対 いまや自衛官より前のめり
★講談社の「モーニング」で1988年から8年にわたって連載された、かわぐちかいじ原作の「沈黙の艦隊」。30年も前の大人気コミックだ。累計部数は3200万部というからコミックファンのみならず一般読者や防衛・政界関係者まで広く読まれ話題になった。海江田四郎・二等海佐が艦長の海上自衛隊ディーゼル潜水艦「やまなみ」が沈没するが、それは日米政府の偽装工作で極秘に建造された日本初の原子力潜水艦「シーバット」へ乗組員ごと乗り換える作戦だった。米海軍第7艦隊所属となった原潜「シーバット」の艦長には海江田が任命され試験航海に出るが、突如、海江田は艦隊から離脱、独立国家「やまと」を宣言するというストーリー。29日には映画化され公開される。
★それに先立ち25日には超党派の映画議連が同作を国会内で上映した。主演でプロデューサーも務める大沢たかおもあいさつに立ち「国に従事しているみなさまに見てもらうことが可能なのかと相談したところ、協力をいただいて、今日の日を迎えることができました。30年という時を経て、新しい時代に向けて日本の未来のため、安全保障や世界の平和に対して、メッセージを込めながら大きなエンターテインメントに挑戦できないかということで、なんとか進めることができました」と語った。
★上映には1990年5月29日の衆院内閣委員会で当時の防衛庁長官・石川要三に「長官はこの作品はお読みになったことございますか」と質問した公明党代表・山口那津男や、主人公・海江田四郎が父親の名前と同じという衆院副議長・海江田万里など衆参の大物議員も出席。関心の高さを見せた。映画は日本の煮え切らぬ政治家に対して自衛官が1歩を踏み出すストーリーだが、30年もたってみると、政治家の方がずっと前のめりになっている現実にがくぜんとする。いまなら野党も原潜建造に賛成するのではないかと思ったが、いかに当時の政治家の方が慎重であったかと、映画を見てあらためて思い知らされた。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2023年09月27日 08:21:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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